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PANCRASE

世界標準の格闘技パンクラスとは?(酒井正和CEO×鈴木みのる)

MXTVフリーマガジン「キュートーン」2016年・秋号
いま、世界中の選手たちがパンクラスを目指している
パンクラスが掲げる「世界標準」とは何を指すのか、教えてください。
酒井 日本には、1990〜2000年代に格闘技ブームがあったけど、僕が携わる2010年代にはすでに下火でした。一方世界では、日本から生まれた総合的な格闘技が「MMA」と呼ばれ、人気のスポーツとして世間に認知されている。すごく悔しいこと。だからパンクラスを「世界標準」の団体にするために、さまざまな変革を行ってきました。具体的には、世界に合わせた「ルール」「ケージ(金網)」「テレビ中継」の導入、そして「メディア露出」です。
鈴木 酒井さんがパンクラスにかかわるようになったのは、ブームが完全になくなったころ。選手たちに火がつくまで時間もかかったけど、酒井さんが「この試合に勝ったらいくら」「次はどこに挑戦できるか」って、明確な報酬を出してくれたのは、選手にとって大きな力になったと思う。それで、いまは世界中の選手がパンクラスに出場することを目指してくれているしね。
酒井 いま、日本で毎月大会を開催しているのはウチだけ。今回のTOKYO MXでの完全生中継も、キー局が行ってこなかった大きなチャレンジです。
バス・ルッテンらを発掘し黎明期格闘技界を牽引
パンクラスが世界からリスペクトを集めているのはなぜでしょう?
酒井 やっぱり歴史。UFCと同じ23年の歴史がある。しかも、バス・ルッテンやケン・シャムロックといったUFCで殿堂入りしている選手もいる。好選手を輩出してきたのは大きい。
鈴木 ルッテンは、パンクラスを旗揚げしてすぐに僕と船木誠勝でオランダに行った時、たまたまジムで見つけた。小さくて他団体に見向きもされてなかったけど、スゴイ身体能力だったから声をかけて、それが日本で大ブレイク。海外のメディアなんだけど、最近「近代MMAを作ったリーダー」っていうランキングが出たんですけど、僕と船木も入ったんですよ。選手としてではなく経営者として評価されて。あのころの僕らは小僧で、頭に思い浮かべたことを後先考えずに実行して、借金を抱えて。でも焼け野原だった当時の格闘技界で、パンクラスを立ち上げて、続けてきたことは評価されてる。本当に経営者次第ですよ。UFCのロレンゾ・フェルティータも、最近盛り上がってる新日本プロレスの木谷高明さんもそうだけど、経営者が大事。パンクラスも酒井さんが来てくれてスタイリッシュになったしね。
楽天ポイント獲得イベントも実施中もっとパンクラスを知ってほしい
パンクラスの大会中継で、どんなところを見てほしいですか?
鈴木 いま、世界中の選手が次々パンクラスに集まっている中で、必ず新しいヒーローが出てくるはず。そこを見逃さないでほしいね。桜庭和志のような、見た目も生活もだらしないけど、試合になると強くて人を魅了する何かがある選手。あとは、パンクラス直系の後輩――“弟たち”ですね。みんなもういい年だけど、彼らには「最後の1秒まで勝ちにいけ、倒せ」と言って育ててますから。ポイントリードで逃げまわるような試合をしたらぶん殴ってやるって(笑)。だから、試合は面白いですよ。彼らがヒーローになるかもしれないし、彼らを倒してヒーローが出てくるかもしれない。去年、20歳で王者になったヤツもいるしね!
酒井 神部建斗選手ですね。彼はUFCからスカウトもある選手です。僕は格闘技ファンだけじゃなく、もっと一般の人に知ってもらいたい。たとえば毎大会行っている「パンクラスダービー」というキャンペーンでは、試合の勝敗予想で楽天スーパーポイントがもらえます。これも楽天を利用している人全員が対象で、いまは1万人まで利用者が増えています。今後は10万人まで増やしたいと思ってます。そのうちの1%でもパンクラスに興味をもってもらいらい。
鈴木 totoもサッカーファン以外もたくさんやってるしね。
酒井 このサービスからでも、「この人の腹筋が格好いい!」でもいいから、まずパンクラスを知って。そしてパンクラスの歴史を体感して、この舞台で闘っている選手がいかに素晴らしいかを、最終的には知ってほしいですね。
パンクラスはなぜ世界標準なのか?
「ケージ」
かつてのパンクラスや他団体が採用したリングではなく、世界で採用されている「ケージ」を使用。10角形でほぼ円に近く、角でこうちゃくするシーンが減り、アグレッシブな攻防が見られる。
「ルール」
日本では団体ごとにルールが異なるが、パンクラスではUFCが採用するルールがベースに。日本の団体では少ないひじ打ちが解禁され、接近戦やグラウンドでは激しい攻防になる。
「外国人選手のレベル」
パンクラスに参戦した外国人は、過去から現在まで世界屈指の実力者ぞろい。バス・ルッテン、ケン・シャムロック、現役トップ選手のジョシュ・バーネット(写真)、元フェザー級王者ジョゼ・アルドも参戦経験がある。
「歴史」
栄枯盛衰ある格闘技界にあって、23年間の歴史もパンクラスが世界から評価されている部分。“格闘王”前田日明のU.W.F.を源流とし、“プロレスの神様”カール・ゴッチが育てたパンクラスこそ、まさにMMAの本流といえる。
「トップ選手ぞろい」
パンクラスに参戦している日本人選手は、国内外で活躍するトップ選手だらけ。2015年までUFCで活躍した日沖発、激戦区UFCミドル級で7年トップランカーだった岡見勇信ら“メジャーリーガー”も今年初参戦している。さらに各階級王者にも、2011年末から5連続防衛中のバンタム級王者・石渡伸太郎(写真左)、。元UFCでライト級王者・徳留一樹(写真右)、弱冠20歳のライトフライ級王者・神部建斗らがいる。さらに世界で注目度上昇中の女子格闘技でも、巨大な筋肉とセクシーなパフォーマンスが魅力の中井りん、プロレス&立ち技格闘技Krushで王者になった朱里らが活躍している!
鈴木みのるやパンクラスの選手に会える!?
鈴木みのる選手のオフィシャルグッズショップ「パイルドライバー原宿」には、鈴木選手がデザインを手がけたグッズや、「鈴木軍」、パンクラス・ミッションの選手のアパレルなどが満載。運が良ければ、店で鈴木選手にも会えるかも!
東京都渋谷区神宮前6-27-8京セラ原宿ビルB1
パイルドライバーHP
  • 文・清藤和宏(株式会社KWC)
  • 写真・蔦野裕