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(株)リョウ エンタープライズpresents 坂口道場×パンクラス合同興行

いよいよ開催が迫ってきた「坂口道場×パンクラス」。開催に向けて、東京〜沖縄間を奔走する坂口征夫に話を聞いた。

この大会に関わることになった経緯からお聞かせください。
坂口征夫:まず、去年の沖縄大会を見て、すごく盛り上がって熱いと思ったことですね。来年も、ここで大会を見たいと思いました。
 でも、大会をやるというのは大変なことです。砂辺(光久)選手は普段からすごく熱い人ですけど、あの大会のために宣伝をしたり、ラジオなんかに出演したり、練習もしなくちゃいけない中で大変だったと思います。その姿を見て、自分も選手として出るだけでなく、1人で頑張っている砂辺選手を助けたい、何か協力したいと思ったんです。
沖縄とは、これまで何か関わりがあったのでしょうか?
坂口征夫:いえ、全然。本当に縁もゆかりもなかったですね。でも、映画「カムイ伝」に出演(2009年)してから、なぜか沖縄に頻繁に出かけるようになりました。
 その後、不思議なんですけど、沖縄に住んでいた木村響子がウチの道場所属になったり、働いている会社の社員旅行先が沖縄だったり。沖縄出身の砂辺光久選手とも親しくさせていただいて、今度はこの沖縄大会。何か急にご縁ができて、今では第二のふるさとのように感じています。
DDTの試合もある中、何度も沖縄入りしていますね。
坂口征夫:はい。打ち合わせや、宣伝や。忙しいですけど楽しいですよ。
 沖縄に行ってみて驚いたのは、沖縄の人の“熱さ"ですね。沖縄では今、カラスファイトという地下格闘技が流行ってるんですよ。「格闘技といえばカラス」という感じで、すごく人気があります。
 それに比べると、総合格闘技やプロレスは、まだそんなに知られていません。今回見に来てくれるお客さんも、恐らくほとんどの人が格闘技というものを知らないと思います。でも、沖縄の人たちとも話して、熱い沖縄の人たちは、きっと格闘技の面白さを理解してくれるという手応えを感じています。
 だから、この大会はプロレスも格闘技もありのお祭りみたいな大会にしました。楽しさと熱さ、両方感じてもらい、格闘技というものを沖縄に根付かせたいですね。
確かに、去年の沖縄大会はすごく熱気がありましたね。
坂口征夫:あれを続けなきゃもったいないです。でも、続けていくには実績をつくらなくてはいけない。それで、川村(亮)選手も含め、いろいろな人と話し合ううち、トントン拍子に進みました。
 特に沖縄市を巻き込めたのは大きかったですね。沖縄県といえばやっぱり那覇市で、観光や繁華街が集中しています。そういう点では、沖縄市は那覇市に及ばない。だから、盛り上げるものがもう1つ欲しいと。それで、今回は沖縄市体育館という大きい会場でやれることにもなったんです。
強力な後押しですね。
坂口征夫:はい。市側もすごくノリノリで、いつか大晦日にやれたらいいね、なんていう夢も飛び出したくらいです。
このところ沖縄に何度か行かれて、どんなことを感じられているでしょうか。
坂口征夫:そうですね、東京だと、良くも悪くも「人は人」というような部分がありますけど、沖縄の人は一致団結する力があると思います。そして、すごくフレンドリー。東京から来た、あまり知らない俺にもすごく良くしていただいて、一緒に盛り上げようとしてくれる。ありがたいです。
 また、沖縄は、格闘技をするにはいい環境だと思いますね。暖かいし、開放感があるし。砂辺選手のような人も出てきていますし、いいジムもある。ウチの道場の支部もつくりたいくらいです。
もし、沖縄で格闘技が盛り上がっていけば、沖縄の舞台に立つために東京で頑張る選手が出てくるかも知れませんね。
坂口征夫:はい。たとえば大阪でも、HEATが盛り上がっていますし、これからは東京であぐらをかいていられなくなる時代が来るかも知れません。
東京の選手も、うかうかしていられませんね。
坂口征夫:もうこれからは、黙っていても試合ができると思っていたらダメですね。自分をプロデュースする力が求められる時代になると思います。
 まだゼロからのスタートですけど、沖縄がきっかけになって、地方格差がなくせたらいいですね。
 今大会では、もちろん花道もつくりました。そして、1階だけで1500人、2階は1200人入る大舞台です。選手のモチベーションも上がると思います。
選手目線ですから心強いですね。出場する選手には、どのようなことを望まれますか。
坂口征夫:先ほどもお話ししたように、見に来てくれる人たちは、格闘技に関してはまっさらな人がほとんどだと思うんです。そういう人たちの前でやるには、気持ちが何より大事になってくると思います。勝負は人の心、気持ちのぶつかり合いだと思いますし、それがパンクラスだと思いますから。
今後の展開も楽しみです。
坂口征夫:プランはいろいろあります。でも、まずはこの大会。熱い闘いを見せて、沖縄の人の心に格闘技の素晴らしさ、面白さを知ってもらいたいです。

ライター:佐佐木 澪