先ずは昨年12月・ディファ有明でのVS KEI山宮戦を振り返っていただきたいのですが、試合後のマイクアピールに関しては既にいろいろなところでお話していただいてますので、ここでは純粋に試合内容に関してお聞きします。昨年8月の梅田大会(VS渋谷修身戦)から4ヶ月を空けての、いわば復帰戦になったわけですが、試合自体は郷野選手にとって満足できるものだったんでしょうか?
郷野聡寛:あ〜、試合の内容的には最後(右のストレートが)当たったから倒すことができたけど、あれが当たらなかったら、また結構つまらない試合だったかなって。まぁ、緊迫感は相当あったと思うけど、緊迫感があっても、動きがないとやっぱダメですからね。そのへんでまぁ、試合後にマイクでああいうことを言ったことによって、あんな感じの(VS KEI山宮戦のような)試合が多いオレがこの先どうなっちゃうんだろうか?(笑)って。どうすりゃいいのか?(笑)っていう、そういうプレッシャーは日に日に大きくなるばかりですね。

試合前に立てた作戦通りに進んだ試合でした?
郷野聡寛:まぁ、そうですね。もうちょっと早くロー(キック)で足を効かせて、前に出てこさせないようにする予定だったんですけど。まぁ、2R後半とか3Rでは確かに前に出てこなくなったんですけど、それは多分オレのローが効いたんじゃなくて、向こうが疲れたからだと思うんですよ(笑)。やっぱそのへんで、まぁ結果的に前に出てこなくなったけど、オレのプラン通りに事が進んでそういうふうになったわけじゃないということで・・・。ん〜オレのイメージでは、VS藤田(和之)戦でミルコ(・クロコップ)が見せたようなローキックのイメージだったんですけどね。全然違いましたね(笑)。

では、そのVS KEI山宮戦を終えて、今年に入って1月の半ば過ぎあたりからタイのイングラムジムに練習に行きましたけど、やはり目的はムエタイの技術の習得ですか?
郷野聡寛:ん〜そうですけど、でも(練習期間が)2週間じゃないですか。2週間で身に付くかって言ったらやっぱり身に付かないですし、今度の試合(2/16グランキューブ大阪 VSチェール・シェノン戦)で2週間で練習したものが出るかって言ったら、やっぱりそれよりも何年もかけて身に染み込んでるっていうか、体にもう染み付いてる技しか出ないと思うんですよ。ん〜、だから、(今回のイングラムジムでの練習は)刺激になったし、新しいものとかも見ましたけど、それを次の試合に活かせるかって言ったらそれは100%ないですから。まぁだから正直な話、ムエタイから何かを得て来て、それを次の試合で見せるとかあんまり期待されてもそれは無理な話なんで。そこだけは事前に言っとこうかなと(笑)。

分かりました。それは正直に書きます(笑)。では、そのイングラムジムでの2週間を終えて(※郷野選手は2/2に帰国)、その2週間後の2/16に次の試合が決まりました。
郷野聡寛:まぁ、試合があるからその2週間前に帰って来たんですけど。やっぱり2週間寝技をやらないと、ちょこっと違和感も出るんで。

対戦相手はパンクラス初参戦のチェール・シェノン選手(チーム・クエスト)に決まりましたが、シェノン選手のプロフィールをご覧になっての印象はいかがですか?
郷野聡寛:ん〜、まぁ、強そうですよね。弱くないですよね。おそらくここ何年かで自分がやってきた試合の中でも、ホント3本の指に入るぐらいの強豪ではあると思ってますから。名前がないだけっていうか。自分と試合した後に世の中に名前が広がっていくっていう、マット・ヒューズしかり(1999年5月・修斗)、ムリーロ・ニンジャしかり(2001年5月・修斗)、過去にそういう試合をやってますから。まぁ、そんな感じじゃないですかね。

同じチームということで、ダン・ヘンダーソン選手やランディー・クートゥアー選手などがセコンドにつくということも考えられますが、そういったセコンドの存在は気になりますか?
郷野聡寛:いや、まったく気にならないですね。

今回のVSチェール・シェノン戦のポイントを郷野選手はどう考えてます?
郷野聡寛:ポイント。いや〜、分かんないですね。(相手の)構えからしてオーソドックスなのか、サウスポーなのか? で、レスリング出身だけど、キックボクシングもやってるみたいだし、立ち技でくる選手なのか、それともタックルでくる選手なのか?とか全然分かんないですからね。正直言って作戦は立てようがないです。まぁ、向こうは今回の試合のオファーを受けるにあたって、たぶんオレの試合映像っていうのを十分過ぎるくらい手に入れてると思いますから。だから前回のVS山宮戦の時は4:6で向こう有利かなって試合前に言いましたけど、それと同じか、それよりもオレの方が有利、例えば5:5でイーブンだとかっていうことはまず有り得ないですね。試合はじまるまでは向こうがアドバンテージを取ってるみたいな、そんな感じだと思いますね。

分かりました。それでは最後に郷野選手の試合を楽しみにしていらっしゃるファンの皆さんへのメッセージを。
郷野聡寛:ん〜、まぁ、ファンのためにというよりも、自分のために動きのある試合をしないと。あんだけ言った後だから・・・ホントにしょぼい試合できないですからね。(5分)2Rだし、最初から飛ばしていかないと、(相手に)ペース握られちゃうと結構厳しいんで。だから最初から飛ばしていかなきゃなんないなと思いますね。そういうふうになれば面白い試合になるんじゃないですか。あとまぁ、対戦相手は(※対戦カードの中のチェール・シェノン選手の名前を指さして)この強豪ですけど、オレの中の対戦相手には(※同じく美濃輪育久選手の名前を指して)コレも入ってますからね。美濃輪VSアルメイダ戦っていうのは、技術的にはもうアルメイダが圧倒的に上ですから、それをまた菊田さんとやった試合(2001年9月・横浜)みたいに“凌いで凌いで"っていう展開になると思うんですよ。
そういう試合って会場が沸くんですよね、彼の場合。やっぱりその試合も上回んなきゃなって。チェール・シェノンっていう、海のものとも山のものとも分からない対戦相手ですけど、オレの中ではその向こうにいる美濃輪育久というメインをはる男に対して、『負けられねぇ』って意識がありますからね。まぁ、気持ちの張り的にはイイ感じで来てるんで、試合までにケガとか風邪をひいたりしなければ何とかなるんじゃないですかね。


おまけトーク

では、試合から離れたちょっとしたお話を。2月といえば、たくさんの日本人男性がその日一日を少しソワソワして過ごすであろう、2月14日・バレンタインデーがありますが・・・。
郷野聡寛:あ〜、そんなのありましたね〜。

そのバレンタインデーにまつわる何か思い出話などがあればお願いします。
郷野聡寛:全くないですね。バレンタインデーなんて・・・。そもそもね、チョコレートあげるなんて誰が決めたんですか!そういうね、特定の業界の商売の思惑に乗せられてね、踊らされている日本国民っていうのはホントに愚かだなと。バレンタインデーについてオレが思うのはそういうことぐらいですかね。決してオレが過去にもらえなかったからヒガんでそう言ってるとかそういうわけじゃないんで。まぁ、もともとオレはチョコが嫌いですしね。チョコレートもらってもオレは食べないで、うちの兄弟にあげちゃったり。まぁ、そんなもんですからね。チョコレートもらってもオレ食べないですからね。ハイ。

2月14日にときめいた記憶とかは全くないですか?
郷野聡寛:いや、やっぱ高校生ぐらいまでは2月14日になると『誰かくれね〜かな?』ってちょっと期待はしてましたけどね。毎年毎年2月14日の夜は落胆してましたから(笑)。

今年、郷野選手にチョコレートを送ろうと思ってる女性ファンの方はどうすれば良いんでしょう?チョコが嫌いだとしても、郷野選手にチョコを送ってくださったファンの方のその気持ちは嬉しいですよね?
郷野聡寛:嬉しい?ん〜嬉しいまではいかないですけどね。まぁ、悪い気分はしないですよね。確実に(笑)。食べる食べないは別にして。悪い気分はしないですね。

では、バレンタインデーですが、チョコレートじゃなくてこんなのだったらもっとうれしいっていうのは何かありますか?
郷野聡寛:そんなの言ったらイヤらしいじゃないですか!(笑)。そんな現金送ってくれって言えないですよ〜。ハッハッハッハッ!(大爆笑)。ウソウソ(笑)。

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