3月8日(土)ディファ有明大会で、パンクラス初参戦の関直喜選手(フリー)を迎え撃つアライ選手ですが、そのVS関戦のお話を伺う前に、先ずは前回の試合、昨年12月のVS熊谷真尚(禅道会)戦を振り返っていただきたいと思います。
アライケンジ:あ〜、あの試合に関しては僕の中で反省点もいろいろあるんですけど・・・。テレビ放送、『格闘Xパンクラス』で僕が1シーンも映ってないんですよね、これがまた(笑)。

出たっ!『格闘Xパンクラス』批判(笑)
アライケンジ:そう!(笑)。僕の試合が1シーンも入ってないんですよ!!しかもパンクラス所属の僕がじゃないですか。まぁ、大場さん(※昨年12月・ディファ有明大会の第1試合に出場した大場裕司選手)はP'sLAB(東京所属)だから何となく「大場さんだったらしょうがないかな・・・」って思いますけど、僕、パンクラスで頑張っている僕が映ってないんですよ〜。まぁ、あの大会はメイン級のカードが多かったんで、多少なりは納得できますけど・・・。でもそれでも納得できないんですよ〜。だから、このことを『格闘Xパンクラス』に抗議する前に、僕の中での反省点は、あの膝蹴りで決めとけば良かったって。そうしたらもう、短いシーンで済む訳じゃないですか。あとはバックに回ってスリーパーの時に極めとけば良かったですし。だから判定に持っていかれる時点でダメなんですよ。あんだけの実力差がある時は。やっぱ圧倒的に勝って、バッてみんなにももっと知ってほしいっていうのがありましたけど・・・。

あの・・・昨年10月・後楽園ホール大会のパンフレットのインタビューの中で、アライ選手は『東京スタイル』っていう言葉を使ってて、その『東京スタイル』への拘りを語ってましたよね。そして12月のディファ有明大会では、謙吾選手、近藤選手、高橋選手、KEI山宮選手というように、元・パンクラス東京道場所属の選手が続けて試合に出場し、その中で謙吾選手、高橋選手、山宮選手が負けてしまったんですが、『東京スタイル』を実践してきた先輩選手たちのその試合をアライ選手はどうご覧になりました?
アライケンジ:ん〜、何て言うのかな・・・。良い部分ではないと思うんですけど、僕の中ではファンの部分がまだあるんですよ。だから、自分の試合が終わった後とか、自分の試合がない時の興行とかで、僕が(他の選手の)試合を観ている時は、はっきり言ってほとんどファンなんですよね。僕の中では。普段、そのファンの部分っていうのは、ホント小さい、全体の中のほんの一かけらなんですけど、そういう時になると僕の中のファンとしての部分がすごい大きくなっちゃうんですよ。で、ファンの目で観ちゃってたっていうのもあるんですけど、「こんな筈じゃない」っていうのがすごいありましたね。「そうじゃないだろう」っていうのがありました。だって僕は「パンクラスは強い」って信じきって入ってきた訳ですから、やっぱり一番強くあってほしいんですよね。実際まだ僕も(先輩選手たちには)到底かなわないですけど、やっぱり常にその階級とかでは最強であってほしいですよね。僕が憧れてる人、例えば高橋さんなり、謙吾さんなりには。まぁ、負けることは人間だからあると思うんですけど、でも、やっぱりそれがない選手であってほしいですよね。近藤さんもそうですけど、すごい憧れてるんで、やっぱり負けてほしくないんですね。

・・・分かりました。では、ディファ有明大会ということでもう一つ。もう2ヶ月ほど時間も経ってしまったんですが、やっぱりあの大会で一躍話題になったのが郷野選手のリング上での発言でした。あの発言をアライ選手は会場で聞いてました?
アライケンジ:聞いてました。試合(郷野聡寛VS KEI山宮戦)をリング下で観てたんで。

聞いた時、アライ選手はどう思いました?
アライケンジ:「そんなこと分かってるよ」って思ってましたね。僕以外にも周りに若手選手がいたんですけど、「そんなこと分かってるよ。言われなくても分かってるよ」っていうのをすぐにその場で言いましたね。「分かってるよ、そんなことは」って。

あの後、『格闘技通信』(3月8日号/No.320)誌に郷野選手の発言に答える形で鈴木選手のインタビューが掲載されましたが、その鈴木選手のインタビューはご覧になりました?
アライケンジ:はい。読みました。

ご覧になってどうでした?
アライケンジ:いや、だから僕たちがしなきゃいけないことは一つしかないじゃないですか。僕らが頑張るしかないんですよ。もうその一つだけだと思うんですよ。だから僕は一生懸命頑張るんです。それだけだと思います。

頑張ってるのに『格闘Xパンクラス』では・・・(笑)
アライケンジ:でも、でも(笑)、僕にはもうちょっと頑張りが足りなかったってことですよ。その中で。僕も実際それで反省してますし、あれは100点満点の試合じゃないんで。僕も直さなきゃいけないところがたくさんありましたし。まぁ、100点満点の試合じゃないんで、しょうがないかなって思いますね。

では、少し話題を変えて。1月の後楽園ホール大会で、アライ選手にとっては天敵(笑)の北岡選手が長岡弘樹選手(ロデオ・スタイル)に勝って遂にランキングに入りましたが(5位)、そのことに関してはいかがですか?
アライケンジ:いや、良いんじゃないですか。「お先にどうぞ」ってみたいな感じですけど。「どんどん先に行って」って。「どんどん行って、どんどん行って」ってみたいな感じですね。「僕、すぐ抜くから」って(笑)。別にランキングに入るのが目標じゃないんですよ。ただ、まぁ、ランキングにも入りたいんですけど、それだけが目標じゃないんで。それは後からついてくればいいかなって感じじゃないですか。

わかりました。では、今度、3月8日(土)ディファ有明大会でのVS関直喜戦について。関選手は2月9日に行われた『DEMOLITION』に出場して一本勝ちをおさめている方で、セコンドには何と、世界のT.K.こと高阪 剛選手がセコンドについてらっしゃったんですが、その関選手と対戦が決まった現在の心境はいかがですか?
アライケンジ:ん〜いや、別に。いつも通り何も考えずにやるだけです。

高阪選手がセコンドにつくということは、一緒に練習してらっしゃるということだと思うんですけど、そのへんは気になります?
アライケンジ:いや、別に(笑)。だって僕だって鈴木さんとか、近藤さんとか、いろいろいらっしゃる訳じゃないですか。山宮さんとか。強い人がたくさんいるんですよ、こっちは。

TKシザースがくるかなとか考えません?
アライケンジ:いや、だってそんなに背の高い選手じゃないじゃないですか(※関選手=170cm、74.9kg)。だから足だけが特別長くない限りは僕にはそんなに引っ掛らないと思いますけど。

分かりました。では、そういう関選手との試合ですが、今回、アライ選手としてはどういうことをテーマに掲げてこの試合に臨むのでしょうか?
アライケンジ:ん〜何だろうな〜。あんまり僕は考えてないんですよね、いつも。ただ、やっぱり勝つことしか考えてないですよね。勝つことだけですよね。勝って、より自分の理想のスタイル、理想の東京スタイルに近づこうと考えてるだけであって、別にこの人に勝ったから次の目標、この人と試合するのが目標っていうんじゃなくて、僕は東京スタイルに近づけたいんですよ。東京スタイルが最強だと思うんで。

アライ選手が考える、東京スタイルの完成形に近いものって、どなたのいつぐらいの時の試合ですか?
アライケンジ:そうだな〜。え〜っと、高橋さんの藤井選手との試合(2001年12月・ヘビー級トーナメント決勝)とか、あとは近藤さんのVSサウロ・ヒベイロ戦(2000年5月・『コロシアム2000』)とか。あとは誰だろう?ん〜、とにかく打撃での秒殺ですよね。あとは高橋さんと鈴木さんの試合(1998年9月)とかも、ああいう気持ちがぶつかり合ってる、しかも高橋さんはほとんど(打撃を)もらってないじゃないですか。全部こう、バチーンって高橋さんの打撃が当たってて。ビデオで観たんですけど、「わぁ、すごい技術だな」って。パンチもらわずに、まぁ、あの頃は掌底だったんですけど、もらわずにあれだけ打ち込むっていうのはやっぱりすごいですよね。自分は平気なのに相手は血だるまっていう。そういうのにすごい憧れますよね。でも、それが完成形か?っ言ったらそうじゃないと思いますけど、やっぱり打撃で倒したいですよね。とりあえず打撃で倒せれば、KOできればそれはそれで良いんですよ(笑)。それが僕の中での東京スタイルですね。

ヴァーリ・トゥードの中で打撃でKOすると。
アライケンジ:そうそう。

では、モーリス・スミス選手も東京スタイルですね?(笑)
アライケンジ:違う違う(笑)。東京スタイルを名乗れるのは、パンクラス東京に所属していた選手だけです。もしくは、そこで練習生をやったことがある人だけです。

なるほど(笑)。では、人気ということに関してのお話を。昨年10月の後楽園ホール大会では大会パンフレットの表紙を飾り、同年代のismの選手の中ではいち早く『格闘技通信』(2月23日号/No.319)誌で1ページのインタビュー記事などが掲載されて、注目度も高まっていると思いますが、そういうアライ選手をとりまく現状に対してはどう思ってますか?
アライケンジ:いや〜、全然人気なんてものは感じたことはないですけどね。何だろう? その時の試合が盛り上がってるってだけじゃないですか。あんまり僕は人気があるなとかそんなことを思ったことがないんで。まだまだですね(笑)。僕の中では人気が出てるなんて全然思ってないですよね、まだ。

この間の『格闘Xパンクラス』でもカットされるし(笑)。
アライケンジ:そうそうそう(笑)。試合が面白いからみんな喜んでくれてるだけだと思うんで。実際まだちょっと人気とは違うかなって。違いますよね。分かんないですけど。でも僕はまだ、僕が人気があるとは思ったことはないですけど。

分かりました。それでは最後です。今度のアライ選手の試合を楽しみにしていらっしゃるファンの皆さんへメッセージをお願いします。
アライケンジ:ハイ。え〜、そうですね、やっぱり僕のスタイルは、先ほど言ったように東京スタイルで、皆さんが望む相手の姿を見せることができると思いますね。つまり、血だるまっスよ(笑)。

望んでるんですかね、ファンの方は(笑)
アライケンジ:望んでないっスかね(笑)?望んでないなら、違うなコレは(笑)。まぁ、そうですね、また膠着のない面白い試合を見せれると思います。

勝敗は?
アライケンジ:勝敗はもちろん、僕の勝ちです。


おまけトーク

では、ここからはクダけた感じで季節ネタを。3月と言えば『卒業』シーズンです。『卒業』と言えば『別れ』でございます。そこでアライ選手の『卒業』、または『別れ』にまつわる何か思い出話などがあればお願いします。
アライケンジ:え〜〜っ!『卒業』?『別れ』?え〜っとね、何かあるかな〜。そうだな・・・。何やろ?そんなエピソードあるかな〜?僕ね、だいたい記憶力がないんですよ。

分かりました(笑)。では、もっとテーマを絞って。アライ選手の中で、『卒業』と言って思い出す曲は?
アライケンジ:『卒業』?僕、あれなんですよ。あれあれあれ。何だっけ?『仰げば尊し』。

それはまた何故?
アライケンジ:小学校の時に、歌わされたんですよ。歌いますよね。それで、歌いながら「歌詞の意味がわかんねぇ〜」って、ず〜っと思ってたんですよ(笑)。「うわぁ〜意味がわかんねぇ〜」って。「ねぇ、どういう意味?どういう意味?」(笑)って思いながら歌った憶えがすごいありますね。

6年生で?
アライケンジ:6年生の時です。意味、わかんなくないですか?何か難しい言葉がたくさん出てくるじゃないですか。「こんなわかんないのに歌わしていいのかよ!」(笑)って思いながら、ずっと歌詞を考えてたんですよね。これはどういう意味だろうって。そういう記憶がありますけどね。

卒業式で泣いた記憶は?
アライケンジ:あ〜、ありますね〜。小学校の時。しかもそれは確か『仰げば尊し』を歌っている時だったと思うんですよ(笑)。

歌詞の意味を考えながら(笑)。
アライケンジ:歌詞の意味を考えながら、昔のことがこう、思い出されてきたんですよね。何か、僕その時ね〜、ホント悪ガキで、先生に怒られたシーンばっかり思い出してたんですよ。だから多分、悔し涙だったと思うんですよね(笑)。「この野郎〜」とか思ってた記憶があるんですよね(笑)、何か。

『仰げば尊し』を歌いながら(笑)。
アライケンジ:多分「我が師の恩」あたりで思い出したんじゃないですかね(笑)。「我が師に恩なんかねぇよ」って思いながら(笑)。

アライケンジ選手database