4月12日(土)の後楽園ホール大会で、渡辺大介選手との(パンクラスism)対戦が決定しました。この対戦カードは、今年1月の後楽園ホール大会で一度組まれましたが、佐藤選手の練習中の負傷により、中止となった経緯があります。あれから3ヵ月近くが経ちましたが、体調の方はいかがですか?今回、復帰戦になりますが。
佐藤光芳:そうですね。僕、何気に半年以上、試合してないですからね(2002年9月のVS渋谷戦以来の試合)。僕がもう、精神的にいっぱいいっぱいのVS渋谷戦が最後ですから。ホント久々ですね。

練習の方は順調にいってますか?
佐藤光芳:そうですね。順調ちゃぁ順調だけど・・・。いや、もう、VS渡辺戦のための練習、僕は目の前のための試合の練習ってあんまりしないんですよ。長いスパンって言うか、ちゃんと格闘技のレベルを上げるっていう練習なんで。そういう考えなんで。正直、その〜、順調って言うより、ケガが地味に後を引くケガなんで、コンディション調整って言うか、そっちに比重を置いてたんで。まぁ、スタミナも力も、前に比べて多少は良くはなってるんで。そうですね〜、まぁ、何だかんだ言ってボチボチ。まとめるとボチボチ。

では、佐藤選手がお休みしていた半年で、GRABAKAの流れの中でも、パンクラスの流れの中でもいろいろあったんですが、一番何が佐藤選手の印象に残りました?
佐藤光芳:ん〜、郷野さんが一時期、あのVS渋谷戦(2002年8月・梅田ステラホール)で体調を悪くして、結構ひどかったじゃないですか。今後、格闘技できるのかできないのかってぐらい。それでそこからすごい復活して、今もう、またすごいじゃないですか。で、佐々木さんは『PRIDE』出たりとか(2002年12月・PRIDE24)、上をどんどん目指して。まぁ、菊田さんは言うまでもなく、三崎さんはこの前(2003年1月・後楽園ホール)、柔術の世界チャンピオンぐらいの人に勝って、石川君はまぁ、相変わらず普通にやってますけど(笑)、何か周りがすごい頑張ってるんで、ただでさえ自分が頑張っても「みんなに追い越されてる」って思うのに、一人でこんなに休んでましたからね。すごい差を感じるんですよね。それがちょっと・・・仲間からのプレッシャーを自分で勝手に感じてるだけなんですけど、それがすごい強いです。それはもう、昔っからなんですけど。だから、結果を残しつつ、ちゃんと勝たないともう、GRABAKAでの居場所がなくなっちゃうんで。そうしたらホントSKアブソリュートに移籍しなきゃいけなくなっちゃうんで(笑)。

それ松本さん(SKアブソリュート 松本天心氏)が聞いたら怒りますよ(笑)。
佐藤光芳:大丈夫、大丈夫です(笑)。松本さんは大丈夫です。

では、そういう心境の中で迎えた復帰戦が、VS渡辺大介戦になりますが、2001年10月(後楽園ホール)に一度対戦しています。因縁というものはないんでしょうけど・・・
佐藤光芳:因縁はないんですけど、僕がうなぎ下がりになったきっかけの人ですからね。

もう1年半ぐらい前のことになりますが、そこからうなぎ下がりになったんですか?
佐藤光芳:そうですね。それまでは結構、がむしゃらに試合をしてて、そこそこの結果を残してきたんですけど、あの試合からちょっと、変にいろいろ考え出しちゃって、それで結果を全然出せなくなっちゃって。結構、考え込んじゃうんですね。それまではただ一生懸命やっててっていう感じだったんですけど、あの試合から、それまではみんな格上の人との試合だったんですけど、渡辺選手から、まぁ悪いんですけどそうじゃなくなってきたんで。あの試合から、僕の格闘人生狂わされたようなもんですからね。

では、渡辺選手との1年半ぶりの再戦が、仕切りなおしという形ですが決まりました。
佐藤光芳:正直、病み上がりだからちょうど良いです。ここで何かまた山宮選手とかだったら、ボコボコにされるんじゃないかなとか思っちゃいますけどね。渡辺選手はまぁ、ジャンピング・ニーだけ気をつければ大丈夫だと思うんで。

渡辺選手の1月・後楽園ホール大会でのVS入江戦はご覧になりました?
佐藤光芳:観ました。

いかがでした?
佐藤光芳:いや、結局あれはパンチでKOしたけど、それまでの動きは別に変わってないです。今までと。組まれても倒れようとしないだけで、自分からは攻めないし、コーナーに自分から下がってるだけじゃないですか。けど、ぶっちゃけ、僕が今まで試合した人ってみんなそうなんですよ。コーナーで膠着ってあるじゃないですか。あんなの、攻めてるこっちが悪いんじゃなくて、下がってる相手が悪いだけで、そこをちょっと履き違えてるかなって思いますね。で、結局、ismの選手で恐いのは打撃だけですね。ハイ。例えばスタンドで組んで倒されることもないだろうし、一本とられることもないだろうし。まぁ、渡辺選手だけじゃないですけど、パンチだけ気をつければ。パンチとジャンピング・ニー。と、ブリッジですか。渡辺選手と言えばブリッジ。それだけ気をつければ別に普通に勝てるんじゃないですかね。って言うか、ここで勝てなかったら僕、GRABAKAでの立場ないですからね。

では、今回の試合には復帰戦というテーマがあると思いますが、佐藤選手ご本人の中では、どういったテーマを持ってこの試合に臨みますか?
佐藤光芳:そうですね。僕、昨日までは正直久々の試合だし、ちゃんと結果を残すってしか考えてなかったんですけど、まぁ、僕の試合に比べれば佐々木さんの方が今大変だと思うんですよ。VSアルメイダなんで。ず〜っと強い人と闘ってきて、でまた今回アルメイダとメインじゃないですか。僕に比べれば佐々木さんの方が絶対精神的にもいっぱいいっぱいの筈なんですよ。だから僕が何か、こんな弱音を吐いてる、弱気になってる場合じゃないんで、佐々木さんが勢いに乗るぐらいの試合をしたいですね。ちゃんと結果を残して。だから自分の復帰戦どうのこうのじゃなくて、佐々木さんにつなぐための試合をしたいって思いますね。

良い勝ち方をして、GRABAKAの士気を高めて、佐々木選手にバトンタッチすると。
佐藤光芳:今それがデカいですね。ハイ。あとは、今僕はGRABAKAとかSKアブソリュートとかで練習をやってるんですけど、みんなプロの試合もアマの試合もすごい頑張ってるんですよ。老若男女問わず。そういうのを見てると、僕だけ一人でず〜っと休んでて、やっぱ頑張んないとなっていうのがありますね。みんな、周りの仲間が頑張ってるんで、それに負けないようにって言うか。ありますね。

では、今度のVS渡辺戦の後のことで、今年はこの後、どういう闘いをしていきたいと思ってますか?
佐藤光芳:まぁ、誰と試合をするか全然わかんないですけど、誰とやりたいとかないんですけど、僕、試合内容が結構堅い堅いって、堅実だって言われるんですけど、そうでもないんですよ。あの〜、レスリング主体だからそう見られるのかもしれないですけど、僕もあのSKの梅木(繁之)的な動きができますんで(笑)、そっちに今年はいこうかなと。一通りismの選手と試合をして、僕、何気に地味にレスリングにプライド持ってたんで、まぁ、レスリングだけだったら誰にも負けなかったと思うんですよ。それがわかったんで、次はちょっと思考を変えまして、あの〜SKの梅木っぽく(笑)。僕もあの技は10個ぐらいできますんで。

梅木選手のような、ちょっと変わった闘い方をしたいんですね。
佐藤光芳:それを試してみたいですね。僕、そんな堅い人間じゃないですからね。猫かぶってましたからね、この2、3年間は(笑)。

では(笑)、最後に佐藤選手の試合を楽しみにしていらっしゃるファンの皆さんへのメッセージを。
佐藤光芳:そうですね〜、何ですかね? あの〜、まぁ、(GRABAKA)ジムもできまして、会員の方も毎試合観に来てくれてるんですけど、今回は佐々木さんの試合を観に来て下さい。そしたら「あっ! 佐藤も試合じゃん」みたいな感じで、僕の試合を観てくれれば。まぁ、NOAHでいう、ファミリー軍団みたいな、ラッシャーさんVS永源さんみたいな感じでやりたいんで(笑)。

雰囲気をつくるということで。
佐藤光芳:そうですね。まぁ、佐々木さんをいっぱい応援してあげて下さい。あと、ケガに気をつけて下さい。

それはファンの皆さんに?
佐藤光芳:ケガと花粉症と、変な勧誘の、化粧品の勧誘とかに気をつけて下さい。

では、この佐藤選手のインタビューをご覧になるかもしれないSKアブソリュートの梅木選手に何かメッセージを(笑)。
佐藤光芳:梅木さん(笑)。あの〜さっき電話で「僕、もう郷野さんとダメかも知れない」って言ってたけど、そんなの知ったこっちゃないんで、自分で解決して下さいと。あと、14,000円も出してパーマかけてたけど、田村正和みたいだよ(笑)。

それ、出していいんですか?
佐藤光芳:あぁ、良いですよ、全然。すごいですよ。田村正和そっくりなんですよ。スパーリングやってて、梅木さんが極められるじゃないですか。「ものまねしないと離さねぇ」って言われて、「まさにガスだね、まさにガスだね」って言ってましたよ(笑)。

じゃぁ、ご本人もお気に入りなんですね(笑)
佐藤光芳:でも、SKの和田(拓也)に、「天龍さん」って言われてましたよ(笑)。最初は「違いますよ」って言ってましたけど、途中から「天龍さん」って呼ばれると、「ハイ」って普通に返事してましたからね。まぁ、梅木さんに教わった技がいっぱいあるんで、1個2個出して、それが僕のフィニッシュホールドになると思うんで。もし一本で勝つとしたら。




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