8/31(日)両国国技館大会で、現在、パンクラスのライトヘビー級2位に位置するヒカルド・アルメイダ選手(ヘンゾ・グレイシー柔術アカデミー)との、ミドル級戦での対戦が決まりました。先ずは、対戦相手にアルメイダ選手が決定した時の率直な感想を教えて下さい。
三崎和雄:そうですね・・・何故かスゴイ嬉しいというか、楽しみというか、何かワクワクするような気持ちになりましたね。初めて。というのも、自分が(アルメイダ選手は)良い選手だな、良いファイターだなって前々から思ってたのもありますし、あと、何て言っても世界のトップレベルの実力を持った選手、名前もある選手なので。そういう選手と自分が闘えるっていう喜びと、自分が闘ってどの程度の試合ができるのかなっていう。胸を借りるつもりはないですけど、そういう名前のある選手とどこまで渡り合えるのかな、やれるのかなっていう楽しみがありましたね。

今回の対戦はミドル級戦で行われますが、アルメイダ選手が82kg未満まで体重を落とすということをお聞きになった時はいかがでした?
三崎和雄:まぁ、嬉しかったですよね。何だろう? 僕の中で(アルメイダ選手の)評価がどんどん上がってしまいますけど・・・(笑)。ん〜ファイターですね。何て言うんですかね?・・・男ですね。

では、三崎選手の中で評価がどんどん上がっているアルメイダ選手ですが、昨年11月(横浜文化体育館)のパンクラス初参戦以来、現在まで3戦3勝無敗。しかも、渋谷(修身)選手、美濃輪(育久)選手、佐々木(有生)選手といった、パンクラス・ライトヘビー級のトップどころと対戦してのその戦績です。三崎選手はその3試合ともご覧になってらっしゃると思いますが、技術的な部分を含めて、アルメイダ選手の印象っていかがですか?
三崎和雄:技術に関しては、もう言うまでもなく優れてますね。やっぱり抜け出てるものがあると言うか、1つ飛びぬけたものがあって、まぁ、スタンドに対してもグラウンドに対しても技術はもちろんのこと、間隔、というか闘う間隔、間合いとか、そういうのが人より優れているかなと思いますね。見方をすれば上手いんですけど、それは本能的な上手さというか、つくったものではなく、闘うために自分の中に持ってるもの。そういうのが抜け出てるかなと思いますね。ハイ。

VS渋谷戦と、VS美濃輪戦(2月・グランキューブ大阪)では、そのグラウンドテクニックがすごくクローズアップされて、評判通りの実力をアルメイダ選手は見せてくれたんですけど、VS佐々木戦(4月・後楽園ホール)では更に打撃の上手さも見せてくれました。そのアルメイダ選手の打撃に関してはいかがですか?
三崎和雄:打撃も上手いと思いますよ。やっぱりそれもさっき言ったように、寝技だけに限らず、闘う間隔というか、間合いというか、相手が出してきたパンチをただよけるだけじゃなく、この位置によければ自分のパンチがあたるっていう、そういうのを頭で考えるんじゃなく、身体で察知する機能が優れてると思うんですよ。だから、それは近藤(有己)選手にも僕はそういう見方をしてるんですが、技術はもちろん高いものを持ってますけど、それ以上に闘う能力というか、本能的なモノが高い選手だなと思います。だから寝ても立っても、そういうのはVS人間に対しての技なので、そういう部分が優れているということは、打撃でも技術は高いかなと思いますね。

今回の試合にあたり、以前アルメイダ選手と対戦したことのある佐々木選手や、佐々木選手が対戦する際に一緒に対策を練っていた菊田選手、また佐々木選手の時にセコンドについていた郷野選手などから、何かアドバイス的なものはありました?
三崎和雄:そうですね・・・まぁ、練習の中でアドバイス的なものは聞いてますね。こうした方が良い、ああした方が良いというものではなく、こういうところを気を付けた方が良いよとか、そういった程度のものですけど、それは十分自分の中では大事なものになりますね。

わかりました。では、アルメイダ対策というのはある程度できていると。
三崎和雄:ん〜・・・どうですかね。それはちょっと難しいですけど(笑)。ん〜・・・あんまりイメージを固めてしまうと、それ以外のことをいきなり試合でやられたりするとメーターが狂ってしまうので、僕は仮想アルメイダとかって、そこまで固めて練習はしてないですね。自分の良いイメージを持って練習はしてますけど。まぁ、いつもと同じような練習をしてますね。それプラス、やらなきゃいけないことで練習量を増やしたりとか、必要ないものを減らしたりとかっていう感じで練習してますね。

では、今回のVSアルメイダ戦にあたり、三崎選手ご自身の中でのテーマ、課題っていうのは何かありますか?
三崎和雄:そうですね・・・もちろん勝ちには拘ってますけど、勝ちたいですけど、勝たなきゃいけないですけど、ん〜ただガムシャラにいって、今回はそれが通用する選手だとは思ってないので、自分の持ってる技術と、アルメイダ選手に対して僕が評価している高い能力というか、闘う本能というか、その部分で自分もどれだけ、自然の中で育ってきた自分がどれだけ通用するのかっていうのも試してみたいですし。あとやっぱり譲れないですね。譲ることの許されない試合ですね。ハイ。我慢比べじゃないですかね(笑)。

では、本当に世界の強豪と言って間違いのないアルメイダ選手との対戦を乗り越えた後、何か見据えているものがあれば教えていただけますか?
三崎和雄:ん〜それはないですね。今はやっぱり、それが最後じゃないんですけど、でもそのつもりで一戦一戦闘ってるんで。長い目で見たら先のことも考えてはいますけど、試合直前に関してはその試合で出し切る、その1試合で全てが終わってもいいぐらいのつもりでリングに上がってるので、それは考えてないです。

わかりました。では、三崎選手のVSアルメイダ戦から話題を変えて。今回、GRABAKAから佐々木選手、郷野(聡寛)選手、菊田(早苗)選手も出場しますが、その3選手に対して三崎選手が期待することっていうのをお聞きしたいと思います。先ずはエバンゲリスタ・サイボーグ選手と対戦する佐々木選手に対して。
三崎和雄:ん〜最近、良い試合というか、展開というか、流れがないので、ここで気持ち良く、今回は寝技に拘って一本勝ちで。ん〜柔らかい佐々木有生ではなくて、強いっていうか、荒々しい、怖い佐々木有生で、相手の怖さ以上の佐々木有生の怖いオーラで会場を盛り上げてもらいたいなって思いますね。なお且つそこで一本勝ちっていう。

では、ニルソン・デ・カストロ選手との対戦が決まっている郷野選手へ。
三崎和雄:相手もシュート・ボクセ・アカデミーということで完全に打撃の選手ですから、郷野さんにも郷野さんの打撃がどこまで通用するかっていう意味で打撃で勝負してもらいたいと思いますね。まぁ、寝技になったら安心はしてますけど、寝技で一本勝ちというよりは、打撃で倒してもらいたいですね。

では、エルヴィス・シノシック選手との対戦が決まったボス、菊田選手に期待すること。
三崎和雄:まぁ、ここはもう心配なくって思ってるんですけど。次また近藤選手と対戦する前に、自分の地位というのをアピールする意味で、相手も寝技の強い選手ですけど、そこをもう一本勝ちで。やっぱり世界でも菊田はその上にいるなっていうのをアピールしてもらいたいですね。

ありがとうございました。では、両国大会に関してのご質問は以上なんですが、ここで三崎選手にしか語れないであろう、スペシャルご質問(笑)。最近の石川英司選手の大躍進について。これをどうご覧になってますか?
三崎和雄:そうですね〜・・・あいつは良い仲間だと最近までは思ってたんですけどね・・・(笑)。少なくとも、あいつが門馬選手との試合(7月・後楽園ホール)が終わるまでは良い仲間だと思ってたんですけど(笑)、それが終わり・・・まぁ、仕方ないですかね、あいつも試合が続いてたんで。が、しかし、他のみんなが両国大会に向けて必死に練習している中で、しかもみんないろいろケガをして練習相手がいないにも関わらず、あいつは平気で○週間練習を休み、なかなか連絡も取れず、GRABAKAのみんなで電話して少し焦りを入れてやろうかなと思ったんですけど、あいつはそれにも動じず、で、何をしてたかと思うと、連日連夜、股にかけ、種を蒔くために畑を耕しに行き、土が肥えてきたら種を蒔き(笑)。で、もう最終的には菊田さんからの命令で「お前、何やってんだ」と。「お前、早く練習に来いよ」と。それであいつは泣く泣く練習に参加したと(笑)。そんなとこでしょうかね(笑)。

・・・(笑)。でも実際どうでしょう? 今年に入ってから負けナシの4連勝という戦績を残してますが、何が良くなったんでしょう?
三崎和雄:やっぱり強くなったんじゃないですかね、単純に。ん〜いろんな選手と練習する機会がありますけど、やられるっていうことがないですからね。普通に外から(GRABAKAに)練習に来た人に誰かがやられるっていうのもあんまりないので。単純に(GRABAKA全体の)底が上がったっていうのと、石川英司も個人的に実力を付けて強くなったってことじゃないですかね。

わかりました。では、これで最後です。8/31(日)両国大会で三崎選手の勝利を期待しているファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
三崎和雄:そうですね〜・・・もう、アルメイダ選手は皆さんにお馴染みで、現在3連勝中ってことなんですけど、僕がここでストップをかけようと思ってますので。どういう形でストップをかけるかは僕も予測不可能なんですけど、ボス(菊田選手)の出る幕なく、終わりにさせてやろうかなと思ってます。

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