いよいよ11月30日(日)両国国技館大会が近づいてきました。その両国大会で、ニルソン・デ・カストロ(シュート・ボクセ・アカデミー/4位)選手との再戦が決定している郷野選手ですが、そのVSカストロ戦のお話しをうかがう前に、先ずは前回の試合、10/31後楽園ホール大会でのVS渡辺大介(パンクラスism)戦を少し振り返っていただきたいと思います。試合結果は2ラウンド3分49秒、スタンドでのパンチによるKOという、内容、結果ともにまさに“完勝”という言葉がぴったりのものに観えましたが・・・。
郷野聡寛:ん〜、自分でも完勝だと思うし、相手が何をやっていいかわからなくなったっていうのは、自分が目指すところだから。それができたってことは、まぁ、合格点、80点とか、それでいいと思うんだけど・・・。自分で攻撃して、ケガを数箇所やっちゃったんで、その部分で差し引いて50点だね。だからまぁ、相手を混乱させてKOしたってことで良かったんだけど、ケガしたんで-30点。それで50点。ん〜、50点か〜・・・。もうちょっと低い気もするね。やっぱりケガがね・・・1ヶ月じゃ次の試合におもいっきり影響するんで・・・。ん・・・赤点ギリギリ、41点とかかな。そんな感じかな。

試合中、狙ってたにも関わらず、思い通りにいかなかったことってありました? あの試合展開の中で。
郷野聡寛:ん〜、まぁ、途中の左フックに何回かミスブローがあったんだけど、やっぱりケガすることを怖がったせいでしっかり打てなかったっていうか、身体が萎縮して上手く打てなかったっていう。まぁ、それが一番大きなミスだったと思うけどね。

ご自分では赤点ギリギリという、かなり辛口な評価の試合ですが・・・
郷野聡寛:まぁ、ケガがなければ合格なんだけど(笑)。ケガした分・・・。

戦前にあの試合は「調整試合だ」とおっしゃってましたけど、その調整試合としてはいかがでした?
郷野聡寛:まぁ、実験という面ではいろいろ試せたので。あと、リングの上で闘うって感覚も5月の横浜文体以来だったからね。それを掴めたっていう面を含めて、調整としては良かったね。

わかりました。では、そのVS渡辺戦を完勝で終えての、11/30両国大会でのVSカストロ戦になりますが、8/31両国大会の再戦になります。前回の対戦はカストロ選手のロー・ブローにより郷野選手が反則勝ちという結果でしたが、実際、短い時間ながらもリング上で対峙してみての、カストロ選手の印象っていかがでした?
郷野聡寛:まぁ、思ったよりも来なかったね。結局・・・多分向こうも俺がやろうとしてることがわかって、それをされたらヤバイだろうなっていうのを感じたんだろうなっていうのを俺は感じたね。だからまぁ、向こうの好きなようにはできない、向こうが自分の好きなようにはできないっていうのを感じてたんだろうなっていうのは感じたね。

では、今回のカストロ選手との再戦は、郷野選手にとってどういう意味を持つ一戦になるのでしょうか?
郷野聡寛:ん〜、まぁ、コンディションは過去にないくらい最悪なんで・・・。そんな中でやっぱり、心技体の心と体の部分がもう、ほぼズタズタなんで・・・。まぁ、何とか心を試合当日までに上げて、あとは技の部分で・・・悪い言い方をすれば小手先でごまかす。ああいう強い相手じゃない? 外国人で。そういう相手に小手先でごまかすことができれば、これから先、結構いけるんじゃないかって自分でも思えると思うから・・・。だからまぁ、俺にとっては如何にごまかすか。それがテーマかな。

では、今回コンディションの部分でも非常に厳しい試合になると思いますが、そういう厳しい状況の中で、今おっしゃった“小手先でごまかす”という以外で、何か見せたいもの、試したいものっていうのが郷野選手の中にあれば、お話しできる範囲でお願いします。
郷野聡寛:ない! もう・・・ん・・・前回(VS渡辺戦)、1回目のダウンをとった時、判定でもいいと思ったんだよね。あとはもう流して、判定勝ちでいいやって思ったんだけど・・・。メインだし、ちょっともう少し打とうかなって打ったら、倒したけどケガしちゃったんで。その分今回もお客さんのことは考えないで、自分でマスターベーションさせてもらいますよ。

では、今回のVSカストロ戦の先に、郷野選手が現在見据えているものって何かありますか?
郷野聡寛:いや、ちょっと・・・。まぁ、もうちょっと大きな舞台に行きたいよね。でも、いつも言ってることなんだけど、目の前の試合が終わる前からその先のことを考えると、自分の人生の中でそういうことをやって良い方向に向かった試しがないから。取り合えずまぁ、次の試合が終わったらケガを治したいよね。で、ホントに思いっきり練習できる身体にして、思いっきり練習したい。それぐらいかな。そういうふうにできるようになれば、また上が、先が見えてくると思うし。ホント次の試合、何とか上手くごまかして、終わらせて、休みたいよね(笑)。2年前、VS近藤戦(2001年12月・横浜文化体育館)の前にも同じ事を言っててやられたんだよな〜(笑)。嫌な流れだよ、コレ!(笑)。ホントに。

今回、その嫌な流れを断ち切れるかどうかですね。
郷野聡寛:近藤にやられたビデオを、今日から試合までの毎日擦り切れるほど見て、自分の心にホントにもう、警告を与えておくよ。こうならないようになって(苦笑)。

わかりました。では、VSカストロ戦から話題を変えて。この質問が郷野選手に適切かどうか?っていうところもあるのですが、パンクラスで最も歴史有るベルト、無差別級のベルトが、今、新日本プロレスさんのジョシュ・バーネット選手の腰にあります。この事実を、パンクラスGRABAKAの郷野選手はどう捉えてらっしゃるのか? 新日本プロレスさんに、パンクラスで一番由緒有るベルトが流出してしまった事実を。
郷野聡寛:いいんじゃない? だって、そのタイトルマッチを組むために、外から名前のある選手を呼んで、それでお客さんを集めさせてもらって。それでベルトが流れてしまったからと言って、それは別に・・・。しょうがないんじゃない? 別に悔しいとか何とかは思わないよ。俺には関係ないベルトだし。

郷野選手の意識の中に、無差別級での闘いっていうのはないですか?
郷野聡寛:全くない訳じゃないけどね。やっぱり近藤がやってるのを観て、自分と同じような体重のヤツがやってるのを観て、まぁ、やりたいとは思うよね。ん〜、でも、今やってもね・・・。もっと自分の技術が上がれば何とかなるかも知れないかなって。もっと今のスタイルを完成させれば、少しはマシになって・・・。引退するまでに一度はやってみたいかな。まぁ、ロイ・ジョーンズも85kgぐらいで105kgの相手を完封したからね。ボクシングだけど。グラップリングが入っちゃうと、やっぱり体重差で捻じ伏せられちゃうから、一概には比較できないんだけど。でも自分が神様と思う選手がそういうことをやってるってことで、自分もいつかやりたいっていう。まぁ、ロイ・ジョーンズが34歳でヘビー級に挑戦して、今年の3月に獲ったので、俺もあと5年、技術を高めてその頃にできればなって思うけどね(笑)。

わかりました。では、これで最後になります。今回の試合を郷野選手はマスターベーションにしてしまうとおっしゃってますが、そういう郷野選手にファンの皆さんは期待してしまいます。そういうファンの皆さんへ、郷野選手のファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
郷野聡寛:ん〜、まぁ、俺がやろうとしてることは他の選手がやってないことだから、「何やろうとしてるんだろう?」って一生懸命観てわかれば結構面白いんだろうなって思うけど・・・。結局、見た目だけの倒し合いとかにはならないから。何かこう、一見さんでも楽しめるっていう。ん〜、だからいつもと一緒だね。観たいヤツだけ観てくれと。観たくねぇヤツはもう、一斉にトイレに行ってくれと(笑)。売店とかトイレに行ってくれと。それぐらいかな。ハハッ!(笑)

郷野聡寛選手database