12/21(日)ディファ有明大会まで、いよいよ残り3日ということになりました。今大会、山宮選手は、セミファイナルでパンクラス初参戦のブレット・ブレグマーク選手(シーザー・グレイシー・アカデミー)との対戦(ライトヘビー級戦/5分3ラウンド)が決定しています。そこでそのVSブレグマーク戦のお話をうかがいたいと思いますが、その前に、先ずは前回の試合、10/4グランキューブ大阪大会でのVSキース・ジャーディン(ジャクソン・ファイト・トレーニング)戦を少し振り返っていただきます。パンクラス初参戦の選手ということで、なかなか戦前の情報も少ない対戦相手でしたが、判定0-0のドローという結果で試合は終わりました。残念ながら勝利は逃してしまいましたけど、試合後の発言は非常に前向きなもので、11/30両国大会への出場もアピールしてらっしゃいました。今、あの一戦を振り返ってみての感想はいかがでしょうか?
山宮恵一郎:ん〜、そうですね。まぁ、反省点を探せばきりがないので。きりがないし、もう終わったことなので気にしてもしょうがないですけど、あれだけデカいヤツと組んだりした感覚でも、そんなにパワー差を感じなかったっていうのが一番の成果だったんじゃないかと。

試合後の発言の中で、「自分もパワーアップを図っている」というものがありましたけど、あの時点でそれは何ヶ月目だったんですか?
山宮恵一郎:まだ5ヶ月目とかじゃないですかね。

10/4の時点で、それは順調に進んでました?
山宮恵一郎:真っ最中って感じで、まぁ、今を含めてですけど、真っ最中なので。でも、これには完成っていうのは死ぬまでないので、何とも言いようがないですね。

ちょっと話は変わりますけど、10/31後楽園ホール大会で、GRABAKAの郷野(聡寛)選手から「山宮選手をGRABAKAに引き抜きたい」という発言がありました。その郷野選手の発言の前から、山宮選手と郷野選手との間では「一緒に練習をしたいね」という話があったということですけど、それは10/4のVSキース・ジャーディン戦の前のことですか?
山宮恵一郎:いや、直接話したのは10/31後楽園ホールでですけどね。そういう話をしたのは。まぁ、世間話というか、「練習したい」、あと「チョコチョコチョコチョコ日本人同士で闘うのも良いかも知れないけど、VS(ニルソン・デ・)カストロ戦(04.年6月・ディファ有明)で負けて、それがすごい悔しいから、ああいう強いヤツに勝ちたい」っていうような話をして。それでまぁ、向こうも「だったら一緒にやろうよ」って言ってくれたので。まぁ、練習には単純に行きたいなって思ってたし。でもそれは以前から結構思ってましたしね。6月のカストロ戦ぐらいからですね、やっぱり。ホントに強くなりたいなってあらためて思ったのは。今まではそれがちょっと薄れてたのかも知れない。良い結果を出して評価されたいとか、そういう何か小さな欲というか・・・。

「強くなりたい」とあらためて思って、それからGRABAKAということを考え始めたのはいつ頃からですか?
山宮恵一郎:いや、自分の中では6月のVSカストロ戦が終わったあたりからありましたよ。ありましたけど、やっぱり現実的に対抗し合っている状態だし、GRABAKAに(練習に)行くのはタブーなんじゃないかっていうのが自分の頭の中にあったんで。だからその時点ではまだ思ってるだけって感じでしたね。だから当時の現状の中で何とかしてやろうって感じで。肉体改造に取り組んだのも、VSカストロ戦が一番のきっかけなんで。体重差が2、3kgしかなかったのに、あれだけパワーでもっていかれたっていうのは、僕的には結構ショックでしたからね。

では、10/31後楽園ホール大会で郷野発言があって、その1ヶ月後の11/30両国大会で実際に行動 を起こしましたけど、その1ヶ月間の気持ちの経過っていうのはどういう感じでした?
山宮恵一郎:今だから言える話で、これはあんまり良く思わない人もいるかも知れませんけど、自分の中では結構即決でしたね。後楽園ホールの時点で。ただ、やっぱりこう・・・何て言うか・・・、いかに綺麗にと言うか、角が立たないようにと言うか、波風立てないように動くか?ということばかり考えてたので。まぁ、アレですよね。要するに自分が悪者になるのが嫌だったみたいな、そういうマイナスな思考がいっぱい出てたので、どうしよう?どうしよう?どうしたら一番良いのかな〜?って思ってたんですけど、まぁ、それを気にしてもしょうがないなって。それだったら今までと何一つ変わんないなと思って、もう会社に話をしようと思った時に、まず高橋(義生)さんに話をして。やっぱり高橋さんに一番お世話になったし、筋じゃないですけど、しっかり話をして。

プライベートな時間の時にも「GRABAKA移籍?」の話題は出たと思いますけど、周りの反応はいかがでした?
山宮恵一郎:あの〜、周りの反応はですね、賛同してくれてましたよね。非常に多くの人が。まぁ、ただ単に面白がってるのか、ちゃんと考えてくれているのかは人によって違うと思いますけど。単純にその〜、僕が今悩んでるとかっていうのは周りの連中にも伝わってたみたいで、「迷ってるならGOだ!」って。もう、10人中9人ぐらいは賛同してましたよね。

では、そういうお友達の皆さんの後押しもあって、11/30両国大会での行動があったと。で、会社としての決定は12月1日付けで正式にGRABAKA移籍ということになったんですけど、現時点でGRABAKAでの練習が2週間ということで、この2週間を一言で表すとするならどういう2週間でしたか?
山宮恵一郎:え〜、ホントにもうありきたりな言い方なんですけど、“揉まれてる”という状況ですね。あと、プライベートなことでも、いろいろな情報? タブーだった情報をいろいろ聞いてるので(笑)。まぁ、楽しい話を聞いてます(笑)。

・・・(笑)。この2週間で何が一番良かったですか?
山宮恵一郎:やっぱりこう、環境が変わったことですね。環境が変わって、気持ちも完全に変わったことじゃないですかね。いや、ホントにもう、「やるっきゃない」って単純なことですけど、そういう気持ちですね。

GRABAKAでの練習の中で、これまでまだ対戦したことのない菊田(早苗)選手とも手を合わせたことと思いますけど、菊田選手はいかがでした?
山宮恵一郎:タップしましたね。

どうでした? 『アブダビ・コンバット』を制して、“寝技世界一”の称号を得た菊田早苗選手のグラウンドテクニックは?
山宮恵一郎:あの〜、タコとスパーリングしてるみたいでしたね(笑)。もう、体中に吸盤があるんじゃないかっていうぐらい、押さえ込みの吸い付きっていうか、圧迫というか。すごかったですね。巨大タコに捕まったって感じですね(笑)。

わかりました(笑)。では、これまでのいろいろな経緯と、いろいろな経験を積んできてのVSブレット・ブレグマーク戦ですが、この試合に関しては1つだけ聞かせて下さい。この試合で山宮選手は一体何を見せてくれますか?
山宮恵一郎:そうですね・・・。1つ言えるのは、「2週間で変わるわけないだろッ!!」(笑)。まずいですかね、これ?(笑)。ん〜、冗談ですけど(笑)。まぁ、気持ちがすごく新しくなってるので、そういったものが伝わればと思ってますけど。まぁ、でも、今回の移籍の一番の理由っていうのは、自分自身が強くなるってことなんで。だから、誰々に勝ったからとか、そういう小さなことは今は考えてないので。移籍した矢先にたまたま試合があったってだけであって。この試合のために移籍したわけじゃないし。あくまでも通過点ですね、この試合は。何度も言いますけど、一番の目標は強くなることなんで。

わかりました。では、ちょっと話題を変えて。微妙な立場の中でご覧になった11/30両国大会での菊田VS近藤戦ですが、あの一戦をご覧になって、思ったこと、感じたこと、決意したことなどがあればお願いします。
山宮恵一郎:あの試合は、完全にもう、一観客として観せてもらったんですけど・・・どっちのセコンドに付くわけでもなく。そういう立場で観させていただきまして、近藤選手の勝つ姿を観てて思ったのは、普段のまんまだったなって。練習で見てる動きというか。普段のまんまですよね。普段のまんまがそっくりそのまま試合に出て勝ったっていうような印象だったんで。だからあらためて不動心というか、平常心っていうのを感じましたし。ん〜、自分の勝手な意見を言わせてもらえば、菊田選手をはじめとして、これからお世話になるGRABAKAの選手みんなには申し訳ないというか、失礼な言い方になるかも知れませんけど、やっぱりこう、単純に向こう(ism)にベルトがあるってことなので、自分の実力を上げて頑張っていけば、タイトル挑戦のチャンスもかなり大きいんじゃないかと思ってます。でも、それはあくまで小さな事と思ってますね、強くなるということに対しての目安という部分では、身近な目標にはなるんじゃないかなって。

では、話題を変えてもう一つ質問を。今年、非常に大きな、ある意味格闘家生命を左右するほどの決断を行った山宮選手ですが、今年、2003年は山宮選手にとってどういう年だったのでしょうか?
山宮恵一郎:そうですね・・・年の初め、春ぐらいですかね。ある、占いに詳しい知り合いから言われたことがあったんですが、それがそっくり当てはまるような1年でしたね。

それはどういうことだったんですか?
山宮恵一郎:あの〜、日常を変えるであろう、大きな出会いがあるはずだと。で、その直後にトレーナーの人に出会ったので、僕の中では初め「この人のことを言ってるんだろうな〜」って思ったんですよね。そのトレーナーの話とか、いろんな情報とかで、かなり自分の意識が変わったところがあったので、「あぁ、これか!」って思ってたんです。あと、その他にも、夏ぐらいにいろいろちょっと応援してくれる人が出てきたりして、「あぁ、これのことも言ってるのかな」と。でも自分の中では、新しい、良い女性でも現れるのかな〜っていうのもあったんですね(笑)。例えばWWEのステイシーみたいな感じの女性が現れるんじゃないかな〜みたいな(笑)。これだけ今年良い出会いがあったんで。でも、実際はよりによって郷野聡寛かよって(笑)。占いは当たるんだな〜って実感しましたね(笑)。

良い年でした?(笑)
山宮恵一郎:うん、良かったと思いますよ。悩んだこともいっぱいあったけど、その結果、いろいろ開き直るこ ともできたし。やっぱり止まってなかったんで。自分の考えが。後退もしてなければ、止まっても いない。ずっと前向きに来れたので。今年のリング上での成績は、今どっこいどっこいかも知れな いですけど、自分自身を成長させるっていう意味では非常に大きな年でしたね。今年は。

わかりました。では、これで最後になります。GRABAKA移籍後初の試合ということで、注目度も非常に高いと思いますし、山宮ファンの皆さんの期待も大きいと思います。12/21、山宮選手の勝利する姿を楽しみにしていらっしゃる皆さんへのメッセージをお願いします。
山宮恵一郎:いや〜、期待してるファンっているんですかね?今回。

たくさんいますよ!
山宮恵一郎:いや〜、今回はアレですよ。ismファンの人たちは負けろ負けろって思ってるんじゃないですか。GRABAKAファンの人たちにしてみても、何だかわけのわからないヒゲ親父がいきなり入ってきたって感じだと思うから、正直もう、そういうのはないですね。今回は。ホントにもう、今回の移籍は自分の欲ですからね。強くなりたいっていう。それだけのためにやってるんで。

でも、この決断に賛同してくれた皆さんはやっぱり期待してしまうと思うんですよ。
山宮恵一郎:あぁ、そうですね。そういう人たちには、1年後ぐらいを楽しみに観ててほしいですね。今回の試合ももちろん頑張りますけど、今回の試合はあくまで・・・ん〜、予告編みたいな感じですかね。映画でいうところの。全然ストーリーもわからない予告編みたいな感じで。だから、軽く肩の力を抜きながら観て下さい。



復活!!おまけトーク。
では、ちょっとユルユルなテーマで。21日(日)、ディファ有明大会の3日後は12月24日(水)。なんとクリスマス・イブでございます。山宮選手は、このクリスマスが持つある種のイベント性に「ノる」のか?「ノラない」のか?
山宮恵一郎:あの〜、さっきの占いの話なんですけどね。そこまで良い女性が現れれば、もうノリノリだと思いますけど(笑)。もしなければ・・・そうですね〜、おしるこでも食べてるんじゃないですかね。

街の雰囲気も変わるじゃないですか。聞こえてくる音楽もクリスマス・ソングが多くなってきますし。ああいう雰囲気はどうですか?
山宮恵一郎:あれは結構、僕はそういう雰囲気は好きなので、全然OKですね。

街中にはラブラブな人たちが増えてきますけど、そういうのを見ててどうですか?
山宮恵一郎:いや、結構見てるのは好きなので(笑)。

それは微笑ましく見てます?それとも「ケッ!」って感じで見てます?
山宮恵一郎:いや、あの〜「似合わねぇ〜カップルだなぁ〜」とか(笑)、そういう感じで見てます。あと、「この二人別れそうだなぁ〜」とか、「何でお前にそんな良い娘が?!」みたいな時もありましたね。

では、出会いがあれば、クリスマスもそうですし、バレンタイン・デーもそうだと思うんですけど、イベント的なところに「ノる」と。
山宮恵一郎:僕、ノりますね。ただ、それが毎回続くかは微妙ですけどね(笑)。僕、基本的に釣った魚には餌をやらないので(笑)。

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