2月6日(金)の後楽園ホール大会で、GRABAKAの三崎和雄選手とメインイベントでの対戦が決定している國奥選手ですが、先ずは昨年のことをちょっと振り返っていただきたいと思います。前回の試合が、11月・両国国技館大会でのウェルター級のタイトルマッチで、芹澤健市選手(和術慧舟會 駿河道場)を挑戦者に迎えて2度目の防衛戦に臨みました。試合結果は判定3-0での勝利で、見事王座防衛を果たしましたが、今、あの一戦を思い返してみて、何か思うことなどありますか?
國奥麒樹真:いや、別にないですね。試合のことに関しては。その後、『藤原祭り』(12月・後楽園ホール)でのエキシビジョン・マッチ(藤原敏男&國奥麒樹真 VS宇野 薫&小林 聡)でセコンドに付いてくれたのがアレだったんですけど・・・(微笑)。

あの一戦は、芹澤選手の「引退をかける」というコメントで俄然注目度がアップした中での試合でした。この発言の後、國奥選手にお話を聞いた時に、國奥選手は「そういうことよりも純粋に一対一の勝負を見てほしい」とおっしゃってましたが、実際リングで向かい合った時、また試合中に、芹澤選手が「引退をかけている」ということが頭の中をよぎったりはしませんでした?
國奥麒樹真:試合の時にはなかったですね。まぁ、そういう発言がありましたけど、試合になれば別だと思うので、そういったものはリングの上では全て取っ払って闘わなければいけないと思うし。そういったものは関係ないです。

では、先ほど國奥選手からも出ました『藤原祭り』でのエキシビジョンマッチに関してですが、実際ああいう試合を経験されてのご感想はいかがですか?
國奥麒樹真:(パンクラスとは)違うところでああいう形の試合をして、いつもと感じが全然違うものでしたし、パンクラスの後楽園ホールでの試合とも雰囲気が違いましたし。自分の出番もなかなかわからなくて、そういう意味ではメチャクチャ緊張しましたね。いつも以上に(笑)。

あの試合が初めてのエキシビジョンですよね。どうでした? エキシビジョンという形での試合は?
國奥麒樹真:エキシビジョンと言いつつもなかなかこう・・・いや、いつもの試合以上に逆に緊張したかな〜って(笑)。試合だとリングに上がれば暴れれば良いだけだけど、エキシビジョンの場合はそういうわけにもいかなくて。何かこう、段取りとかもあって。実際試合中はもうメチャクチャだったんですけど(笑)、そういう段取りとかもあったので、その通りにやらなきゃいけないっていう気持ちもあって、いつもと違って変な感じでしたね(笑)。全然違うものでした。

宇野選手は総合の選手なんですけど、小林選手は純然たるキックボクサーでいらっしゃいます。そういう部分でのやり辛さっていうのはありました?
國奥麒樹真:それはなかったんですけどね。まぁ、何をしてくるかわからないっていう、その辺が1番どうなのかな?って思ってましたけど。

わかりました。では、昨年、2003年を1年間ということで振り返っていただきたいのですが、昨年は國奥選手にとってどのような年だったのでしょうか?
國奥麒樹真:かなり充実してた1年だったと思いますけどね。対戦相手もそうですし・・・稲垣選手の引退試合(6月・梅田ステラホール)の相手も務めさせていただきましたし。その前にはブラジルとかにも行ったりして、そういうことも経験したし。グラップリングのタッグマッチということで、『DEEP』にも出場してみたり(7月・グランキューブ大阪)。あと、両国2連戦にも出場させてもらったっていうことで。去年はものすごく大きな1年でしたね。内容はあったと思います。

去年1年間に100点満点でご自分に点数を付けるとすれば、何点ぐらいでしょう?
國奥麒樹真:まぁ、70点ぐらいですかね。

マイナス30点というのはどの辺でそうなんですか?
國奥麒樹真:いや、まぁ、適当に今言っただけなんですけど(笑)。まぁ、クラウスレイ(・グレイシー)に負けたりして(8月・両国国技館)ちょっとつまづいたり・・・。その辺が自分の中でもおしいって言うか。これは選手として一番いけないことなんですけど、何かこう、ちょっと惰性でやってたなぁ〜って。確か試合が続いてたんですよね。5月6月7月8月と。その辺でちょっと息切れって訳でもないんですけど、これ惰性でやってたかな〜って、そういう感じがします。目的意識がなかったわけでもないんですけど、いざ試合になったらそういう惰性で流した感じもちょっとあるので、これは反省ですよね。一番の。

では、年も変わって2004年になって、年頭に何か目標のようなものを立てられたりしました?
國奥麒樹真:ん〜、やっぱりみんな観てたと思うけど、年末にいろいろ大きな試合があって、うちの近藤とかも勝ったから、何かこう、気合を入れられたと言うか、何かしなきゃっていう感じで。とりあえずコンビニでも行こうかって感じで、コンビニに行けば何かあるかなって。そんな感じで何かしなきゃなっていう思いで1年がはじまったかなって。

コンビニですか?
國奥麒樹真:何かコンビニ行けばありそうじゃないですか?(笑)。とりあえず行けば何かあるじゃないですか。雑誌とか。何かいろいろあるでしょ。何かしなきゃなっていう気持ちがこう、出てきますよね。ああいうすごいものを見せられた後には。

近藤選手の試合をご覧になっていかがでした?
國奥麒樹真:いや、素晴らしいんじゃないですか。あのままですよね。完封じゃないですか。完封勝利。

わかりました。では、國奥選手の今年の仕事はじめになる、2/6(金)後楽園ホール大会でのVS三崎和雄戦に関してお聞きしていきます。まずは初のvsGRABAKAということに関してはいかがですか?
國奥麒樹真:そうですね、初めてなんですよね。でも別にGRABAKAだからとかっていうのはないですけどね。

特に意識することはないですか?
國奥麒樹真:ないですね(微笑)。別に山宮(恵一郎)が向こうにいるからとか、山宮がこれまでこっちで一緒に練習してきて、自分のことをいろいろ知ってるからとか、そういったのもないし。

対戦相手の三崎選手のことは、これまでどうご覧になってました?
國奥麒樹真:いや、ヒットマンだな〜って(微笑)。

同じ階級で活躍する日本人選手で、ismの対抗勢力であるGRABAKAの選手。何か特別な目で見ていたところはありませんか?
國奥麒樹真:特別な目って言うか、やっぱりどんどん上に上がってきた選手だったんで、いづれは闘うんだろうなって思ってましたよね。それがやっと今になったって感じで。

同じ歳じゃないですか。それで本当にここまで辿り着いた道のりが國奥選手とは全く違う選手で。
國奥麒樹真:そうですね。でも、自分も遠回りをしたとは思ってないし、一番近道を来たと思ってますし。逆に三崎選手がどう考えてるかはわからないですけど。でも交わるからには・・・。でも、結局リングの上では関係ないと言うか、どういうところで生まれたとか、どういうところで育ったかとか、どういう環境で暮らしてきたかとかっていうのは、もうリングの上では全然関係ないと思うので。リングの上で関係あるのは、今まで練習してきたことの内容、それだけが問われる場所だと思うから、だからそういったのは全然関係無いですよね。どういう道を辿って来てここまで来たかというのは。お互い。俺はそう思ってますけど。でもそれは三崎選手にしたら深い意味があるかも知れないですけどね。それはわからないんで。

あの〜、プレッシャーを國奥選手にかけるつもりは毛頭ないんですけど、昨年11月の両国大会で船木顧問の発言があって、國奥選手は現在ismの道場長でいらっしゃって。それで今回の相手がGRABAKAの三崎選手ということで、その辺でちょっと感じるものはありますか?
國奥麒樹真:そこではないんですけどね。さっき言った、年末の「何かやらなきゃ」って自分が思ったことを、リングの上で素直に出せればいいなと思いますけどね。別に・・・負けたらやっぱり一番痛いのは自分だし、辛いのは自分だっていうのはわかってますけど、負けるものはしょうがないですしね。その日自分が弱かったってことで。また次にリングに戻って来て勝てばいいことだと思いますから。

では、今回の試合で國奥選手が一番重要だと思ってらっしゃることはどんなことでしょう?
國奥麒樹真:いつもそうですけど、やっぱり気持ちですよね。みんなが道場に集まってきて、毎日毎日練習して、そういったものを、グッと詰めたものをリングの上で、結局練習してきたことを試合で出さないと意味がないっていうか、これは僕もすごい反省してることなんですけど。ホント意味がないってつくづく思うので、練習してきたことだけを出したいなって感じで。そう思ってますけど。

わかりました。では、ここでちょっと話題を変えます。先月26日に行われた『プロアマ・キャッチ・トーナメント』に関してですが、ご覧になっての感想をお願いします。
國奥麒樹真:いや、良い大会でしたね。

ずっと渋谷選手のセコンドに付いてらっしゃいましたけど。
國奥麒樹真:そうですね(微笑)。

どうしましょう? おそらく第2回大会が来年開催されると思いますけど、出場のオファーがあった場合は。
國奥麒樹真:オファーがあったら別に出ますけど、やっぱり(通常の)試合との兼ね合いですね。ホント渋谷は今回よく出ましたよね。

キャッチレスリングのルールってお好きですか?
國奥麒樹真:好きですけど・・・何か・・・そうですね〜、嫌いじゃないですよ(微笑)。

プロの選手にはプレッシャーがかかる大会なんだろうな〜って観てて思いましたけど、その辺は関係ないんですか?
國奥麒樹真:ん〜、まぁ、ルールがルールですからね。プロでやってるルールとはまた違うって言うか。組み技だけになってくるとまた優位性も変わってくると思うので。まぁ、やっぱり強い人は強いっていう感じですね。ホントあの日は渋谷は強かったな〜ってつくづく思いますよ。すごいな〜って。北岡にしてもそうですけど、普段ここ(道場)でやってることを、実力を発揮してくれたことが嬉しくて、やっぱりその優勝したやつと練習している俺たちっていうのはみんな鍛えられてて、それなりにすごいんだな〜ってあらためて思ったし。何かそういう感じはしましたね。別に勘違いするわけでもなくて、単純に。

わかりました。では、これで最後です。2月6日、國奥選手に期待していらっしゃるファンの皆さんや応援していらっしゃる皆さんへのメッセージをお願いします。
國奥麒樹真:いつも応援してくれる人とか、いつもチケットを買って観に来てくれる人たちのためにもね、やっぱり自分が情けなくなるような試合だけは絶対したくないし。ホントさっきも言ったように、ここの道場で練習してきたことを確実に出していきたいなって思いますね。試合だからと言って怖がらずに、小さくなるんじゃなくて大きくそれを表現していけたらいいなと思うので。それを観て、お客さんがいろんなことを感じてくれれば良いですね。

國奥麒樹真選手database