2月6日(金)後楽園ホール大会のメインイベントで、パンクラスismの國奥麒樹真選手との初対戦が決定している三崎選手ですが、先ずは前回の試合、11/30両国国技館大会のVSジェイク・シールズ(シーザー・グレイシー・アカデミー)戦を少し振り返っていただきたいと思います。シールズ選手は修斗さんでも世界ミドル級1位にランキングされていて、桜井“マッハ"速人選手にも勝利している、本当に世界の強豪と言って過言ではない選手で、結果としては判定1-0のドローという形で終わった試合でした。前々回の試合、8月のVSヒカルド・アルメイダ戦に続いての、世界レベルに達している実力者との対戦だったわけですが、今、あの一戦を振り返って思うことはどんなことでしょうか?
三崎和雄:そ〜ですね・・・ん〜、まぁ、1試合1試合でいろいろ学んだことが多いかなって思いますね。VSアルメイダ戦にしても技術の上手さっていうか、勢いだけではカバーできない上手さを勉強しましたし、VSシールズ戦では勝つポイントというものを勉強したような気がしますし。勉強になった試合でしたね。次に繋がるような試合だったと思います。勝ち負けとかは関係なく。今までの試合とは違って、プラスになった、勉強になった、まだ経験も浅いので、そういう意味ではすごい価値のある試合だったと思いますね。

桜井選手が敗れた、「あぁ、こうだから負けたのかな?」っていうのは感じました?
三崎和雄:まぁ多分、桜井さんは・・・僕もそうだったんですけど、1・2ラウンドは向こうのペースと言うか、タックルきて、自分の良いところが全部消されてしまうような闘い方、向こうは常にそういう闘い方の姿勢だと思うので、桜井さんはそのまま1・2・3ラウンドとずるずると終わってしまったのかなって感じがしますね。だから逆に、僕は3ラウンド目で気持ちを切り替えて、自分からいくっていう姿勢をとったんですけど・・・。ん〜、桜井さんぐらいの力を持ってれば、まぁ、1ラウンド目から飛ばしていけば勝てた相手なのかなみたいな。でもそれも終わってみないとわからなかったことなので。僕も実際試合してみてそれに気付いたというか・・・。だからあの時2ラウンド目で気持ちを切り替えて、常に自分から先手先手でいけてれば、判定なりでも勝てたかなって気もしますし。

では、そのVSシールズ戦が、三崎選手の2003年を締め括る最後の試合になったんですけど、ご自分の試合以外のところ、例えばGRABAKAにとっても昨年はいろいろなことがあった年だと思います。そこでお聞きしますが、去年、2003年は三崎選手にとってどんな年だったのでしょう?
三崎和雄:ん〜、なかなか外に飛び出せなかった年ですね(苦笑)。思う通りにいかなかったですね。

やっぱり飛び出したかった?
三崎和雄:そうですね・・・やっぱり結果が全ての世界なので、負けることがどうしても許されないと思うんですよ。他の舞台で試合するにしても、上に行くにしても、やっぱり負けがつくと先には進めないのかなって思うんですよ。だから負けもありますし、引き分けも2試合ぐらいやってるし、なかなか思うように先に進めない年でしたね。ただ、その中で学んだことはたくさんありますけど。

昨年1年間にご自分で点数を付けるとすると、100点満点の何点になります?
三崎和雄:ん〜50点ぐらいですかね。半分ぐらいじゃないですかね(笑)。プラス半分、マイナス半分。

満足度だとどうなります?
三崎和雄:満足度は全くないですね。全く。

もっとできました?
三崎和雄:ん〜、そうだな〜、今の知識と言うか、去年学んだことを、去年の時点で生かせればもっといけたかなと思うんですけど。やっぱり試合で学んだことが多いので、去年の時点ではあれが限界だったかなって思いますよね。もう1回、もう1回ってそうそうチャンスもないですけど、去年学んだことを出せれば、今年の対戦相手全員が仮に去年と同じだとしても、今年は違う結果が出せるんじゃないかと思いますね。

わかりました。では、ちょっと話題を変えて。昨年の大晦日に行われた3つの格闘技興行に関して。『PRIDE男祭り』と、『猪木ボンバイエ』。それと『ダイナマイト』がありましたけど、『PRIDE男祭り』には近藤(有己)選手が出場して、『猪木ボンバイエ』ではジョシュ・バーネット選手とセーム・シュルト選手の無差別級のタイトルマッチが行われました。この2試合以外で、三崎選手の心に残った試合というのは何かありました?
三崎和雄:ん〜、やっぱりセコンドに付いた桜井さんの試合かな〜。今までだとあの階級ではちょっと考えられなかったと思いますけど、あの階級でもああいう大きな舞台に立てるんだなって刺激になりましたよね。試合の内容うんぬんと言うよりは、自分もここまでできるなっていう、そういう刺激を受けましたね。

では、パンクラス無差別級のタイトルマッチ、ジョシュ・バーネットVSセーム・シュルト戦はご覧になりました?
三崎和雄:全部は見てないですけど、何となくは。

あの試合に関しての感想は?
三崎和雄:感想・・・? そうですね〜、ジョシュ・バーネットはホント格闘技オタクですね。

それはどの辺から感じますか?
三崎和雄:やっぱり寝技とかもすごいマニアックですよね。好きなんだな〜って感じですよね。知識がそうとう豊富だと思うんですよ。そこから多分入った選手だと思うので。で、身体もあるし、力もスピードもあるので結果を出せると思うんですけど。まぁ、俗に言うオタクだと思うんですよね(笑)。ホントに。お客さんに魅せることもちゃんとやってるし、寝技に関してもいろんなことをやってるし。あの階級では珍しいですよね。いろんなことをやろうとして。

では最後に、会場で生でご覧になったであろう、近藤選手の試合に関して。
三崎和雄:やっぱりこの男は違うなって感じですかね。何かやっぱり違いますよね、近藤選手は。ん〜、不思議な人ですね〜。正直、最初は半信半疑なところがあったんですけど、でもやっぱりいろんな選手に勝ってきて、菊田さんに勝って、「あぁ、これは本物なんだ」って思ってきて。菊田さんに勝った時は、「あぁ、この人はホントに強いんだ。ただ単に上まできた人じゃないんだ」って、そういう魅力を感じるようになって。で、あの試合では心を打たれましたよね。マリオ・スペーヒーにあの内容で勝ってしまったっていうのは、ホントにヴァンダレイ・シウバと打ち合っても、唯一負けない日本人じゃないかなって思いますね。

わかりました。では、いろんな意味で良い刺激を受けた大晦日の翌日が2004年の元旦で、元旦と言えば昔の人は「一年の計は元旦にあり」なんて言ってました。そこで三崎選手は新年を迎えて、何か今年1年の目標とかって立てました?
三崎和雄:目標はやっぱり負けないことですね。はい。負けないことです。

それに限ります?
三崎和雄:そうですね。どういう形でも勝てば、また強い選手、強い選手って、どんどん上の選手と対戦できると思いますので、そのためにも勝ち続けることがやっぱり大事ですね。負ければ単純に後戻りすると思うし、足踏みするし。やっぱり進み続けるためには、今年はもう負けられないですね。ノンストップでいきたいですね。

では、そういう目標を立てた今年の初仕事、初試合が今度のVS國奥麒樹真戦なんですが、まずは対戦相手に國奥選手の名前を聞いた時の正直なお気持ちを?
三崎和雄:ん〜、まぁ、来たか!って感じですよね。遂に来たか!みたいな。

やっぱり意識する部分はありました? 同じ階級、同じ年齢、同じ日本人として。
三崎和雄:対戦することにはなるだろうなって思ってましたけど、なかなかカードも組まれず・・・。僕としては早く対戦したいっていう気持ちが先行してたんですけど、最近は強い外国人選手とカードを組んでもらっていたので、そっちの方に気持ちが大きくなっていて。だから最近は意識、マークしていた部分はなかったんですけど。

國奥選手の印象ってどんな感じですか?
三崎和雄:印象は、上手いですよね。やっぱり上手い。一般的に言えば上手い選手だと思うんですよ。僕なりの言葉で言えば、僕なりの誉め言葉で言えば、ズルい選手ですよね。ズルいっていうのは、僕の中では最高の誉め言葉なんですけど。どういう状況でも、例え自分が不利になっても、流れを一気に変えると言うか、全く逆のことをやったり。で、相手が弱いところを見せればそこにつけこんでくるし。どんな手を使ってでも、判定でも、何としても勝ってやろうっていう、そういう試合なので。まぁ、勝ちっていうことに拘ってるんじゃないですかね。

では、今回のVS國奥戦で、三崎選手の中で最も重要なことって何でしょう? やっぱり勝つ?
三崎和雄:そうですね。もちろんそれは。自分の位置付けとして、國奥選手よりは上にいかなければいけないと思ってるので、勝たなければいけないですね。

それが一番大事?
三崎和雄:そうですね。まぁ、勝つことと、キッチリ、誰が見てもわかるような勝ち方をしたいですね。完勝するか、一本とるか、KOするか。

わかりました。では、またちょっと話題を変えます。2月15日に行われる『PRIDE武士道』に出場する郷野(聡寛)選手に関してですが、三崎選手からご覧になって、現在の郷野選手の調子はいかがですか?
三崎和雄:調子は良いと思いますよ。練習でも動けてるし、最近は良い形で勝ってるので。郷野さんも自分のスタイルというのを見つけてると思うので。そのスタイルで勝ってもらいたいですね。

そういう郷野選手に、三崎選手が期待することは何でしょう?
三崎和雄:郷野さんは自分からガツガツいくタイプではないので。でも、相手はシュート・ボクセですから、ガツガツくるタイプだと思うんですよ。なので、その相手の良い所を全て封印してしまうような、技術で上回る試合をしてもらいたいですね。

今回、郷野選手は武士道の方なんですけど、『PRIDE』さんのリングに上がります。GRABAKAからは菊田(早苗)選手、佐々木(有生)選手に続いての出場になりますが、三崎選手の出場意欲というのはどうなんでしょう?
三崎和雄:もちろんそれはありますよ。今後、有名選手とか強豪選手と対戦するには、どうしてもあの舞台じゃないとできない選手も正直いると思うんですよ。なので、そういう選手と闘うためにも出場したいですし。あと、もっともっといろんな人に自分に注目してもらいたいっていう気持ちもありますし。そう考えると、今回のVS國奥戦が大きく左右してくるんじゃないかなって思いますよね。

わかりました。では、これで最後です。2月6日、三崎選手を応援していらっしゃる皆さん、また三崎和雄ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
三崎和雄:今回は自分の本能で闘おうと思ってますので、快勝、一本勝ち、KOという感じで、みんなが納得するような試合でメインイベントを飾りたいと思います。皆さん期待して下さい。

三崎和雄選手database