前回の試合、2/6後楽園ホール大会で行われたVSセハク(RJW/CENTRAL)戦ですが、壮絶な殴り合いの末にTKOで勝利しました。高森選手はあの一戦をどう振り返りますか?
高森啓吾選手:自分としてはいろんなパターンでいきたいなと、練習していたものを出したいなと思っていたんですけど、たまたまいいパンチが当たったんで、パンチだけでいけるかなと。特にパンチで決めようとも、秒殺しようとも思ってなかったんで、試合の流れでそうなって、自分としてはラッキーだったなと思いましたね。

たまたまとおっしゃいますが、殴り合い始めてから、高森選手の前へ前へという気迫が伝わってきて、勢いを感じました。
高森啓吾選手:やっぱり、ここだと思ったので。下がってしまったら相手にパンチをもらっちゃうし、殴り合うためには前に出るしかないと思うので。コーナーに詰めたらこっちのものだと。

レフェリーがストップに入るまでに手ごたえのあったパンチはありましたか
高森啓吾選手:フックはガードの上からだったんですけど、最後アッパーがきれいに入ったんで。鼻はずっと狙ってたんですよ。最初にアッパーが入った時に鼻が曲がっていたのが見えたので、ここでもう一発入ったら心折れるんじゃねーかなと思って。倒そうというより心を折ってやろうと思って。

セハク選手の闘ってみての印象は?
高森啓吾選手:はじめはいろんな人から「かなり強いよ」とか聞かされてて、緊張してたんですけど、始まったら相手がどんなに強かろうと殺るしかないんで、殺られる前に殺っちゃわないとってそれだけですね。

高森選手は柔道で鳴らしてきただけに寝技のイメージを持たれると思いますが、今回(3/29後楽園ホール)のVS石井 淳(超人クラブ)戦では寝技を狙っていくのでしょうか?
高森啓吾選手:ふたを開けてみないとわからないですけど、特に何を狙っていくというのはないんです。相手の技量などを見て形を組み立ててやっていこうと思っていますが、確定された形にはできないと思いますね。

高森選手の得意なパターンみたいなものはありますか?
高森啓吾選手:全然ないですね。ないですけど、負けん気だけは強いと思っているので、下がらない。組まないにしても少しづつ前にプレッシャーをかけていって、それである程度自分の勝ちだと思うんですよ。相手が後ろに下がっていくということは、プレッシャーに相手がやられていると思うので、気持ちで勝つと。

『喧嘩27年、7段くらい?』という、“柔道界の喧嘩番長"という触れ込みですが?
高森啓吾選手:ひとつ訂正して欲しいんですけど、よく自称“喧嘩番長"って言われるんですよ。あれは決して自称じゃないんですよ。

本物だと(笑)?
高森啓吾選手:いやいや(苦笑)。自分が初めて出た『IKUSA』という大会のプロデューサーの小沢さんという方が、面白いキャッチフレーズを考えようぜという話になって、「おまえ、喧嘩やったことあんのか?」と言われて、「昔はやってましたねえ」なんて言って、「負けたことは?」と聞かれて「ないです」と答えたら、「それでいいじゃねえか、番長でいいじゃねえか」ということになりました(笑)。決して自称ではないということを伝えたかったので。

今回の相手、石井選手も元ヤンキーということで殴り合いを期待されるのではないかと思いますが、高森選手自身はどんな試合をのぞんでいますか?
高森啓吾選手:ド突き合いは楽しいというか、プロとしてどれだけお客さんを沸かせられるか、どれだけメインを喰える試合ができるかというのを自分は目指しているので、派手な試合をしたいなと思ってます。ド突き合いといっても、(相手のは)もらいたくないので、もらわずに派手に殴るみたいな。いろんなパターンを考えていると夜眠れなくなっちゃうんですね。夢にまで出てくるんですよ。

石井選手には、1月(1/22『DEEP』後楽園ホール大会)に同じメガトンの保坂忠広選手が敗れているだけに因縁浅からぬ相手だと思います。
高森啓吾選手:日本人のスーパーヘビー級といったら人数が少ないわけで、絶対に当たる確立が高いので、やるのはいくらでもやるんですけれど、やっぱり自分のところのチームの人間が負けたこともありますし、見ててすごく悔しかったので仇とらなきゃなあって思いますよ。

弟分の仇討ちのような気持ちですか。
高森啓吾選手:そうですね。でもやっぱりパンクラスのスーパーヘビー級のベルトが喉から手が出るほど欲しいから、そのためにも負けられない1戦ですね。

今回の一戦に勝つことでVS強豪外国人選手というテーマが見えてくると思います。これを想定した練習などはされていますか?
高森啓吾選手:特にやってないですね。あんまり先見据えてても、もし手前でつまずいてしまえばどうしようもないし、やっぱり今目の前にある試合を一つずつこなしていくことが大事だと思っています。

デビュー戦(2003年10月・後楽園ホール)の相手、ハー・スン・ジン選手(韓国/ネオファイト)へのリベンジは?
高森啓吾選手:やっぱりハー選手が向こうに帰る前にもう一度対戦したいなと思ってますけど。このままやられたままだと自分よりハー選手が強いっていうイメージが付いちゃうので、それをやっぱり取り返したいです。次やって勝っても(戦績は)タイですし、2回やらなきゃなんないですけど。

勝ち方としては殴り倒したいですか? それとも1本を取りたい?
高森啓吾選手:やっぱり痛い思いをしてるので、同じ思いを味あわせたいですね。ブッ飛ばしたいです。

2月の後楽園大会にはハー選手も出場していました。
高森啓吾選手:ハー選手が自分の前の試合で、彼は赤コーナーで、自分が青コーナーで入場を待っていたら、対戦相手の選手が担架で運ばれてきたので、「ああ、コイツもやられたんだな」って思いました。

高森選手が考えるこの先とは?
高森啓吾選手:まずパンクラスで1番になって、パンクラスの看板を背負えるようになってから外に出たいなと思ってますけど、今のままじゃまだ駄目だと思ってるんで、胸を張って出て行けるようになりたいです。

それでは最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
高森啓吾選手:パンクラスのファンの皆さんにはまだ認められていないと思うんですよ。やっぱり逆ハイブリッドだし、凄い体の人たちが凄い試合をしてきたので。メガトンはおちゃらけで入ったとまだ思っている人もいるかも知れないので、良い試合して強いメガトンを見てもらうために今練習してますので、暖かい目で見守って欲しいなと思います。



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