4月23日(金)の後楽園ホール大会で、昨年12月に韓国で行われた『ネオファイト〜ヘビー級トーナメント〜』一回戦・準々決勝の2試合から約4ヶ月ぶりの試合に臨む渡辺大介選手。対戦相手には、2002年7月(後楽園ホール/VS近藤有己戦)以来、1年9ヶ月ぶりのパンクラス登場となる禅道会の百瀬善規選手が決定しました。そこで今回のVS百瀬戦のお話をうかがう前に、まずは昨年末の『ネオファイト〜ヘビー級トーナメント〜』での2試合を振り返っていただきたいと思います。早速ですが、韓国へ行ったのは初めてになります?
渡辺大介:そうですね。初韓国ですね。

ヘビー級トーナメントへの出場のお話を聞いた時はどのような心境でした? 韓国で行われる総合の大会に出場するということで。
渡辺大介:ん〜とりあえず海外で試合をしてみたいって気持ちがあったので、すぐにOKしましたね。

初韓国ということで、行く前に『韓国』という国に対して抱いていたイメージがあったと思いますが、実際韓国に入っていろいろなものを目の当たりにして、そのイメージとのギャップを何か感じました?
渡辺大介:あの〜、僕は今まで旅行で海外に行ったことはないんですよ。1回試合でフランスに行っただけなので(2001年3月)、その時は街を歩きながらタイムスリップした気分になったんですね。街、建物の造りとかが全く違ってて。違う、別世界に来たような感じがして、タイムスリップしたような気持ちになったんですけど、今回もそんな感じかなって思ってたら、(韓国に)行ったら別に看板の字が読めないぐらいで、あとは歩いてる人も同じアジアということで日本人みたいな人たちばっかりだったので、意外と普通でした。「あ〜こんな感じか」って。「寒いな〜」って、それぐらいでしたね(笑)。

今、韓国では総合格闘技がすごい盛り上がってるというようなことを聞いてますが、実際韓国に入ってその盛り上がりを感じることはありました?
渡辺大介:焼肉屋さんでご飯を食べてる時に、ちょうどTVでパンクラスの放送をやってて。「パンクラスやってんだ」って、そういう感じですよね。この時間帯にパンクラスを放送してるんだったら、みんな観てるだろうなって。

それは何時ぐらいだったんですか?
渡辺大介:夜の10時ぐらいですね。パンクラスだけじゃなくて『PRIDE』とか『K-1』とか、いろいろ放送してるみたいですけど。

大会当日、試合会場に来たお客さんの様子はいかがでした?
渡辺大介:お客さんは・・・盛り上がるところは盛り上がるし、ブーイングとかもあったりして、反応は良かったですよね。

異国の地での試合ということで、いつもとは違う緊張感とかありました?
渡辺大介:緊張しましたよ(苦笑)。やっぱりガチガチでしたね。一回戦は。

その一回戦ですが、マウントパンチでのTKO勝ちということで、勝利した時のご自分の気持ちとか、お客さんの反応はいかがでした?
渡辺大介:僕の気持ちは・・・まぁ、固かったし余計な力を使って疲れたなって。そんな感じでしたね。お客さんの反応は、とりあえず僕が一本で勝ったので、「オオォ〜ッ!!」みたいな感じでしたね。盛り上がりましたよ。

次の試合、準々決勝までは間に何試合ぐらい入りました?
渡辺大介:たぶん7試合ぐらいあったのかな?

それだけ間が空くと、集中力を持続するのも大変かなって思いますけど?
渡辺大介:ん〜でも一回戦がガチガチで疲れたので、結構休みたかったから助かりましたね(笑)。あと、あの日の試合は判定までいった試合がなくて、全部一本勝ちの試合だったので、(準々決勝の自分の試合を)待ってる間は別にそんなに退屈もしなかったですね。少し休んで体力を回復させてちょうど良いぐらいだったので。だから全くそれは大丈夫でしたね。

準々決勝の試合では、一回戦の時の緊張はもう抜けてました?
渡辺大介:そうですね。一回戦での反省を踏まえて、もうあまり余計なことを考えないようにして。自分のやるべきことをちゃんとできれば勝てると思ってたので。あと、1試合した後だったので、もう大丈夫でしたね。

その準々決勝ではチョークスリーパーで一本勝ちして、準決勝進出を決めて大会当日を終えました。それでその準決勝ですが、当初の予定が延期になって6月に開催されることになりましたけど、半年もの間が空いてしまうことに対してのお気持ちはいかがですか?
渡辺大介:正直ちょっとムカついてますよ(苦笑)。で、まだトーナメントの最中なのにルールもちょっと変わりましたからね。

どの辺が変わりました?
渡辺大介:グラウンドが30秒ルールになってしまったんですよ。

前回、それはなかった?
渡辺大介:なかったですね。でも結構ブレイクのタイミングとかまちまちだったので。「何で今止めるの!?」みたいな。「チャンスだったのに!!」みたいなタイミングで止めたりとか、そういうのがあったんですよね。お客さんもその辺はわかってて、結構ブーイングが凄かったんです。だからブレイクのタイミングが難しいってことで、今回グラウンドが30秒っていうルールになったと思いますけど。まぁ、しょうがないかなって感じですね。海外なんで。日本ってやっぱりちゃんとしてるじゃないですか。だからちゃんとしてるところではもう慣れてるので。訳のわかんない状態でもちゃんと自分の試合をする、自分の試合をしたいってことで、海外で試合をしたかったんですよね。以前フランスに行った時も、結構訳のわかんない状態で試合をして。ルールや対戦相手、自分の試合が何試合目とかを結構試合前ギリギリに聞かされたりとか。でも、そういう中でも自分をちゃんと出すっていうのが僕のテーマにあって。だからしょうがないかな、こういうものだって思ってますけどね(苦笑)。

では、予定通りに行われるようであれば、2ヵ月後の6月に準決勝・決勝がありますけど、その準決勝・決勝に向けての意気込みのほどをお願いします。
渡辺大介:まぁ、ルールが変わろうがレフェリングに何かあろうが、とりあえず一本で勝てば問題ないので、ちゃんと一本で勝ってパンクラスをアピールしてきます。・・・楽しみですね(笑)。

わかりました。では、その楽しみなトーナメントの前に決まった、今月23日(金)後楽園ホール大会でのVS百瀬善規戦に関してお聞きします。百瀬選手は1年9ヶ月ぶりのパンクラス登場で、パンクラスマットでは美濃輪育久選手(2002年3月・後楽園ホール)、近藤有己選手と対戦してますが、対戦相手に百瀬選手のお名前を聞いた時の心境はいかがでした?
渡辺大介:面白そうって思いましたね。

それはまたどうして?
渡辺大介:強いし、簡単に勝てる相手ではないっていうのもありますし、何か噛み合いそうだなって。まぁ、実際試合をしてみないとわかんないですけど。でも、結構アグレッシブな選手じゃないですか。だから多分、面白い試合になるんじゃないですかね。僕が試合前に「面白い試合になるな」って思った試合は面白くなることが多いので楽しみですね。

百瀬選手は禅道会という、空手の団体さんに所属している方で、でもキャリアでいうと柔道の方が全然長くて、インターハイで(全国)5位という成績も残しています。また、2002年5月の『プレミアム・チャレンジ』では近藤選手と初対戦して判定で勝利していますが、その百瀬選手の印象ってどういう感じですか?
渡辺大介:腰が重い、腰が強そうですよね。柔道をずっとやってたってことで。で、押さえ込みも強い。組んで良いところを持たれたら、そのまま向こうのペースでずっといっちゃいそうなんで、組んだ時の攻防が結構勝負の鍵になるかなって思ってますね。それと打撃ももちろんできるので、どんな展開になっても結構きついだろうなって感じですね。向こうのペースになっちゃうと。

ご自分の中で「こういう闘いを」っていうのは、もう固まってます?
渡辺大介:そうですね。自分の良いパターンっていうのはいくつかイメージしてますね。あと、逆にこうなったらダメっていうのも自分の中ではわかってるので。

百瀬選手が所属する禅道会さんにはどんなイメージをお持ちですか?
渡辺大介:良い選手が多いですよね。もっと積極的にいろんなリングに上がればいいのになって思いますね。まぁ、いろんな事情があってなかなか大変なんでしょうけど、良い選手が多いのでもっと観てみたいですね。

では、今回のVS百瀬戦ですが、渡辺選手ご自身はどんなテーマを持って試合に臨みますか?
渡辺大介:ん〜・・・まぁ、簡単に言うと、自分の闘い方をするだけなんで。それだけですね。

わかりました。ところで東京のパンクラスファン、渡辺大介ファンの皆さんにとって、渡辺選手の最後の試合は昨年10月(後楽園ホール)のVS郷野聡寛戦になるんですが、そこで何か思うことはあります?
渡辺大介:そうですね・・・郷野選手との試合では、ほとんど自分を、僕を出せずに終わったので・・・。そう考えて遡ると昨年4月(後楽園ホール)のVS佐藤光芳戦になるんですよね。東京での試合は(※6月のVS佐々木有生戦は大阪・梅田ステラホール)。1年ぶりと言うか、僕を出すチャンスなので、溜まってる部分を爆発させます。これまでいろいろやってきて、そろそろ試合で出したいものとかもあるので、それを今回出したいですね。それが何かはまだ言えないですけど(笑)。

楽しみですね。それが出ることを期待してます(笑)。では、ちょっと今回のVS百瀬戦から話題を変えて、渡辺選手が主戦場にしているパンクラス・ライトヘビー級のお話を。最近、とんでもなく強い外国人選手が現われて、ちょっと旋風を巻き起こしつつありますが、渡辺選手はあの選手をどうご覧になりますか?
渡辺大介:デビッド・テレル(シーザー・グレイシー・アカデミー)ですか? 強いですよね。打撃も鋭いし。まぁ、普通に対戦したら組まれて倒されて極められる可能性が十分にありますよね。かと言って打撃も相当強そうですよね。でも、僕が対戦するとしたら打ち合いますね。別に寝かしてどうこうしようなんて思わないです。

ヒカルド・アルメイダ選手(ヘンゾ・グレイシー柔術アカデミー)とデビッド・テレル選手、どちらにより脅威を感じます?
渡辺大介:脅威・・・。テレルかな。

それはどうして?
渡辺大介:佐々木選手に勝った時(昨年12月・ディファ有明/顔面パンチによるKO勝ち)がそうなんですけど、倒せる打撃、一発が強そうですよね。まぁ、アルメイダも強そうなんですけど。テレルは身体つきとかもゴツいですし。まぁ、でもそのうち僕も対戦する可能性が十分にあるので、そのためにも今回のVS百瀬戦と韓国でのトーナメントは負けられないなって思いますね。

4月がVS百瀬善規戦、6月が韓国『ネオファイト』でのトーナメントと、既に今年上半期の試合スケジュールは決まってますが、下半期に関してはどうお考えですか?
渡辺大介:まぁ、その2つで勝たなければ話にならないんですけど、強い選手と対戦したいですね。

デビッド・テレル選手とか?
渡辺大介:テレルとかアルメイダとか。リング上にはいっぱいいるじゃないですか。新しくパンクラスのリング に上がって来る強豪選手でもいいし。とにかく強そうな選手と対戦したいですね。

渡辺選手は現在ライトヘビー級の5位につけてますが、ランキングとかチャンピオンベルトに関してはいかがです?
渡辺大介:いや、その辺は特に意識してないですね。とりあえず今年は全勝したいって思ってます。

「目指せ全勝」?
渡辺大介:そうですね。VS百瀬戦と韓国できちっと勝てば、その後かなり違ってくると思うんですよね。

わかりました。では、これで最後になります。半年ぶりに東京のファンの皆さんの前で試合をするということで、渡辺選手の試合を楽しみに、そして応援していらっしゃる皆さんへのメッセージをお願いします。
渡辺大介:今までやってきた、練習してきたことにちょっとづつ手応えを感じてるので、レベルアップした自分を見せ付けたいですね。見せ付けて、それで勝って、「もう去年のオレじゃない!」っていうのを皆さんに見せます。


渡辺大介“決め技”編 其の壱


渡辺大介“決め技”編 其の弐


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