4月23日(金)の後楽園ホール大会で、約1年ぶりの日本での試合に臨む謙吾選手。オフィシャルサイトに久々のご登場ということで、まずは謙吾選手をお待ちになってた謙吾ファンの皆さんへご挨拶からお願いします。
謙吾:ん〜、まぁ、待っててくれた人たちには元気な姿を見せれれば良いかなって思ってます。

是非、その元気な姿を23日の後楽園ホール大会で見せていただきたい謙吾選手ですが、今回の試合、VS保坂忠広(パンクラスMEGATON)戦のお話をうかがう前に、アメリカ武者修行の事からお聞きしたいと思います。8月に渡米して、ラスベガスのジョン・ルイス選手の道場で練習を積んだ後、11月に一度帰国して、それからまた年明けすぐに再渡米しましたが、再渡米して向かったのはジョン・ルイス選手の道場ですよね?
謙吾:そうです。ジョンの道場に1ヶ月ぐらいいて、その後にティト(・オーティズ)のところに1ヶ月半 ぐらいいました。ロサンゼルスのハンティントンビーチですね。

ティト・オーティズ選手(元U.F.C.世界ライトヘビー級王者)以外ではどのような方が練習してました?
謙吾:今だったら・・・ファビアノ・イハとか、『キング・オブ・ザ・ケージ』とかに出ているスケアリー・ジェリーって選手がいるんですよ。まぁ、あとは若くてデカい選手とか、いろいろですね。

ティト選手は週何回ぐらいジムに来てました?
謙吾:結構来てましたね。週3、4回は来てたんじゃないですか。

謙吾選手はジョン・ルイス道場でチャック・リデル選手と一緒に練習する機会があって、その後今度はティト選手と一緒に練習していたとのことですが、その両選手が、4月2日の『U.F.C.47』で対戦しました。やはり興味はありました?
謙吾:ありましたね。

両方と練習したことのある謙吾選手としては、どちらが勝つと思ってました?
謙吾:どうですかね? ちょうどその試合前に俺はティトのところにいて、その試合に向けて練習している姿を見てて。練習での追い込み方が凄かったから、やっぱりティトかなって思ってたんですけど、結果チャック・リデルだったのでちょっとビックリしたのと、テイクダウンとれなかったから打撃でチャックだったんだなって感じがしますね。

昨年、謙吾選手がジョン・ルイス道場でチャック・リデル選手と一緒に練習していた時は、チャック・リデル選手が『PRIDE GP 2003』(2003年11月)でのVSクイントン“ランペイジ"ジャクソン戦に向けてトレーニングを積んでいる時で、今回ティト選手と一緒に練習している時は、ティト選手が『U.F.C.47』でのVSチャック・リデル戦に向けて追い込みをかけている時だったんですが、世界のトップファイター2人の練習での追い込み方っていうのはご覧になってていかがでした?
謙吾:ん〜、チャックは結構マイペースで、自分のペースでやってるって感じでしたね。そんなメチャクチャ気合入ってるって感じは・・・。まぁ、もともとクールな感じで、あんまり感情を表に出すようなタイプじゃないからそういう印象しかないけど、逆にティトの場合は結構感情とかを表に出すタイプだから、練習での追い込み方も凄い気合が伝わってくるような感じでしたけどね。

『U.F.C.』でトップ争いをしている両選手のそういう姿を間近でご覧になってて、影響を受けた部分って何かあります?
謙吾:ん・・・やっぱり集中力じゃないですかね。特にティトは。そんな練習時間が長いわけじゃないんですよね。でも、その練習に対してのエネルギーのぶつけ方が凄いですね。

両選手のどちらと仲良くなりました? 一緒に練習していて。
謙吾:どうですかね? どっちもどっちじゃないんですか。

どちらと気が合いそうですか?
謙吾:あ・・・・・・・・・ティトの方かな〜? どうだろう? わかんないな〜。ティトかな〜。どっち かと言ったらティトの方かな〜。

それはどの辺でそう思います?
謙吾:ん〜、何か練習とそれ以外の切り替えがすごいできてるって言うか。まぁ、基本的に俺が英語をそんなに話せてないっていうのがあるから(笑)、コミュニケーションをとりづらいっていうのがあるけど、チャック・リデルの印象はやっぱクールで落ち着いる感じがして、ティトの方は逆にテンションも高めでよく喋る感じがして。だからどっちかって言ったらティトの方が合うって言えば合うような気がするし。

『U.F.C.47』での両選手の一騎打ちは見たかったんじゃないですか?
謙吾:見たかったんですけどね。

どちらを応援してました?
謙吾:ハァ〜・・・難しいですよね。ん〜、難しい(苦笑)。

会場にいたら中立な立場で見てました?
謙吾:ん〜、そ〜かな〜。だうだろう? わかんない。

ティト選手と一緒に練習してて、何か学べることはありました?
謙吾:ん〜、やっぱり精神力って言うか・・・。まぁ、技術的なことに関しては世界でもトップクラスの人だから当然学ぶべきことは多いんですけど、それよりも試合にかける意気込みと言うか、そういうのが練習から伝わってくるので、それはやっぱり凄いですよね。でも、それは日本にいても高橋(義生)さんとかとずっと一緒に練習してて、高橋さんの練習への取り組み方とかからいつも感じてるし。その辺はやっぱりトップファイターの人たちは凄いですよ。

わかりました。では、アメリカ武者修行のお話はここまでにして、23日(日)後楽園ホール大会でのVS保坂忠広戦に関してお聞きしていきます。ちょうど謙吾選手が一時帰国している時に、高森啓吾選手、IRO関選手、そして保坂選手と忍田憲明練習生、4人によるパンクラスMEGATONの発足会見がありましたが(昨年12月)、100kg以上の選手のチーム、MEGATONが、今後パンクラスMEGATONとして活動していくということをお聞きになった時、謙吾選手はどういう心境でした?
謙吾:ん〜、特別そんなには意識してなかったですね。

記者会見の時、尾崎社長へ「謙吾選手との対戦は?」という質問が出て、「闘うことになるでしょう」というような感じのことを答えてましたが、その尾崎社長の発言をお聞きになった時はいかがでした?
謙吾:別にそんなに気にしてないですけどね。「そうですか。そうなったら考えます。」って感じでしたね。

それで実際、今回の対戦が決定しましたけど、保坂選手の試合映像ってご覧になりました?
謙吾:見ました。

保坂選手はパンクラスではまだ1試合しかしてなくて(今年2月・梅田ステラホール)、それ以外の最近の試合では、今年1月の『DEEP』で石井 淳(超人クラブ)選手と対戦していますが、2試合とも映像はご覧になりました?
謙吾:見ましたね。

どんな印象をお持ちですか?
謙吾:いや、重いでしょう(笑)。重いんじゃないですか。125kgでしょ。

やっぱり一番警戒する点はそこになりますか?
謙吾:そうですね。やっぱり身体を使った圧力で突進してくると思うので、そこで如何に自分の形に持っていくかってことじゃないですかね。向こうのペースにさせないようにしなきゃいけないって思ってますし。

当初の予定より帰国が早まったのは、やはり今回の試合のため?
謙吾:そうですね。本当はもうちょっと長く(アメリカに)いることもできたんですけど。まぁ、早めに帰国して日本で練習しようかなって。3月に試合が決まった時点で、向こうでは気合を入れて練習してたんですけどね。

保坂選手で試合のオファーを受けた時、どんな心境でした?
謙吾:あっ、MEGATONなんだって(苦笑)。ん・・・「まずは」って感じじゃないですか? わかんないですけどね(苦笑)。俺を的にかけないでくれよって感じですけど(笑)。

ちょっと意地悪な質問ですけど、パンクラスでまだ1戦しか試合をしたことのない保坂選手との対戦ということに関してはどう思います?
謙吾:どうですかね? 別に・・・まぁ、会社が決めたことだからどうこう言う気もないし。与えられたことをきちっとこなして結果を出せば良いかなって感じですかね。俺の中では。

では、謙吾選手にちょっとプレッシャーをかけるようでご質問し辛いことではありますが、謙吾選手のキャリアと保坂選手のキャリアで考えれば、圧倒的にたくさんの皆さんが「謙吾選手が勝つだろう」と予想する試合じゃないですか。そういう周囲の期待って感じますか?
謙吾:まぁ、そうしなきゃいけないって思ってますからね。そうしなきゃいけないって思って練習してるわけだから。だからそうできるよう、全力で臨みますよ。

アメリカでの練習では、打撃と組み技・寝技とでは、どちらの比重が大きかったのですか?
謙吾:組技かな?

保坂選手ぐらいの体格の選手との練習ってありました?
謙吾:そうですね。120、130kgぐらいのヤツとはよく練習してましたね。

では、それほど体重差も気にならない?
謙吾:そうですね。そんなには意識してないですけど。まぁ、嫌な体型かなって言うぐらいですか(苦笑)。

昨年8月に渡米するまでの謙吾選手であれば、やっぱり「勝つなら打撃でのKOかな」って周りの人も、ファンの皆さんも思ってたと思いますが、アメリカで組み技・寝技に比重を置いた練習を積んで来たということなのであらためてお聞きしますが、今回はどのような勝ち方を目指しますか?
謙吾:えっ!? パンチでしょう(笑)。

・・・(笑)。そこはやはり変わらないですか?
謙吾:それは変わんないですよ。

やはり狙うはノックアウト?
謙吾:はい。それができるような展開にするための練習はしてますからね。別に寝技をやる気はないですけどね。実際上手くなったかどうかなんてわかんないし(笑)。

・・・(笑)。今回、約1年ぶりの日本での試合ということで、何か違和感とか微妙に感じたりしてますか?
謙吾:違和感とかは全然ないですね。日本の方がやっぱり全然やりやすいんじゃないですか。アメリカで、勝手がわかんないところで試合組まれて、そこで調整して試合するよりは、こっちの方がやりやすいですよね。まぁ、プレッシャーはプレッシャーでありますけど。

見知らぬ土地で、見知らぬ人たちに囲まれて、それこそ謙吾選手を知っている人もそうなかなかいないということで、プレッシャーが少ない分、アメリカの方がやりやすいのかなって思ったんですけど。
謙吾:ん〜、でも正直、『U.F.C.』での宇野(薫)君だったり、(須藤)元気だったり、以前で言えば高阪さんだったりと、向こうで闘って結果を残している人はやっぱり凄いなって思いますね。だから外国人選手が日本に来て、試合するっていうのと同じような感覚になるわけでしょ。その辺でやっぱり精神的にもすごい大変だなって思いましたけどね。向こうで試合してみて(昨年11月『キング・オブ・ザ・ケージ』)。でもその分、勝ったらメチャメチャ気持ち良いんでしょうね。別に日本での試合が楽だって言うわけではないけど、やっぱり環境的には良い状態で試合に臨めるんじゃないですかね。でもその分、期待だったりプレッシャーだったりを感じなきゃいけない状況で試合しなきゃいけないってことではあるけど。

では、今回の試合ですが、謙吾選手はどのようなテーマを持って試合に臨むのでしょう?
謙吾:自分が、練習でやってることをそのまま出すこと(笑)。今まで空回って出せてないから。空回って頭の中がこんがらがって出せてないのがほとんどだから。

それはきっと精神的な部分が大きいのではと思いますが、単身渡米して、なかなか言葉も通じないところで頑張ってきたということが、今回プラスに働きそうですか?
謙吾:どうですかね? まぁ、試合をやってみないとわかんないですけどね。まぁ、自分が練習でやってきたことをそのまま練習通りに出せれば、自ずと良い結果は出ると思ってるから。そこで熱くなったりカッとなったり、冷静でいられなくなって、空回りして相手のペースになっちゃったりとかっていうのが今まで多いから。そういう展開じゃなくて、自分のペースに相手を引きずり込んで、自分らしい勝ち方で勝てれば最高かなって。そういう試合をしたいかなって思ってますね。相手どうこうというよりは。

わかりました。では、謙吾選手らしい勝ち方で保坂選手に勝利した後、もし、保坂選手の兄貴分でもある高森選手から対戦要求があったらどうしますか?
謙吾:エ〜〜〜ッ!!(笑)。そんなに焦んなくて良いです。そんなに焦んないでって(笑)。本人が望んで なくても、いづれそういう展開にならざるを得ない環境になっちゃうような気がするから。だからそんな焦んなくても良いかなって。のんびり行きましょうって(笑)。

では、今回のVS保坂戦の後のお話で、試合が終わったら、また旅立ちますか?
謙吾:はい。旅立ちたいと思ってます。

いつぐらいをご自分の中では予定してます?
謙吾:どうでしょう? まぁ、早いに越したことはないんですけど。それでまた夏頃を目安に、『キング・オブ・ザ・ケージ』なりで試合したいって思ってます。

次の修行場所はどこを考えてます?
謙吾:次またティトのところを考えてますね。でもまぁ、ジョン・ルイスのところも、行こうと思えばいつでも行けるし。

あの〜、謙吾選手は修行を終えた後、また日本に帰って来て日本在住に戻るのか? それともこのままアメリカ在住になるのか? 現時点ではどのように考えてますか?
謙吾:理想は、向こうとこっちの両方に家を持てたら最高かな(笑)。

坂本龍一さんとか、小室哲哉さんみたいな生活で(笑)。
謙吾:はい。バッチリですね(笑)。でも、向こうで試合していきたいなっていうのは正直ありますね。向こうのケージファイトで勝ち上がって『U.F.C.』に出たいなっていうのが、今一番強い目標ですかね。自分の中で。

わかりました。では、これで最後です。謙吾選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そして謙吾選手を応援していらっしゃるファンの皆さんへメッセージをお願いします。
謙吾:1年ぶりに日本で試合をするので、どれだけ期待してるか知らないけど(笑)、それに応えられるような試合を、ガチッと決めたいと思います。

謙吾選手database