5月28日(金)後楽園ホール大会のメインイベントで、以前より対戦を希望していたロン・ウォーターマン選手(チーム・インパクト)との試合が遂に決定しました。そこで、今回のVSウォーターマン戦に関していろいろとお聞きしたいことがたくさんありますが、その前に前回の試合、3/29後楽園ホール大会でのVS石井 淳(超人クラブ)戦を少し振り返っていただきたいと思います。某スポーツ紙さんでは、“勝っても負けても秒殺男"というキャッチコピーが高森選手に付けられていて、VS石井戦もそのキャッチコピー通り、僅か1ラウンド0分40秒での秒殺KO勝利でしたが、その試合内容と結果に関して、今どのようなお気持ちでいますか?
高森啓吾:あの試合は結構自分の中でも落ち着いていて、相手の動きとかも見えていたと思うんですよね。その前のVSセハク(RJW/CENTRAL)戦よりは、形的にも大分良くなってきたんじゃないなかって思いますね。

試合の中で何度かローキックを出してましたけど、今年2月のVSセハク戦、そして昨年10月のハー・スン・ジン戦では見られなかった攻撃でした。あのローキックはずっと練習してきたものですか?
高森啓吾:そうですね。練習してましたね、ずっと。まぁ、足が弱いであろうという想定で、山田(学)さんからも「今回ローをいってみようか」って話があったので。それでミットを蹴ってたら、山田さんが「啓吾、それ良いよ」って言ってくれたので、それで自信が付いて、試合で出してみよう、先ずは出してみようと思って。

実戦での初のローキックは、手応え? 足応え的にはいかがでした?
高森啓吾:気持ち良かったですね。きれいに入った時には。試合後の石井選手のコメントを見ても、「ローが効いていた」っていうのを見たので、「捨てたモンじゃねぇな」って思って(笑)。

“勝っても負けても秒殺男"というキャッチフレーズが付くくらい、高森選手の試合は勝つにしろ負けるにしろ、豪快な秒殺決着が2試合続いて、前回のVS石井戦でも試合前からそういう内容と結果が求められている雰囲気がありましたが、その状況の中で勝利した時の心境っていかがでした?
高森啓吾:いや、もうホッとしましたね。やっぱり。毎回そうなんですけど、ホント胃が痛くなるくらい緊張っていうか、自分で追い詰めてるわけじゃないですけど、ホント勝って終わった瞬間は胃を掴まれてるような、具合が悪くなるぐらい胃が痛くなりますね。ホッとして。

試合で勝利した夜は、その大きなプレッシャーの反動で、やはり豪快なストレス発散の仕方になったりしますか?(笑)
高森啓吾:そうですね(笑)。やっぱり試合前は1ヶ月以上も酒を飲まないで、我慢をしてるので、取り敢えず酒を飲んで(笑)。でも、あとは普通ですね。次の週からまた練習をはじめて、普通に練習して。そうこうしているうちにまた次の試合が決まって、禁酒月間がはじまってみたいな。だから酒の量も大分減りましたね。

石井選手との試合の後はどれくらい休息期間をとりました?
高森啓吾:ちょうど1週間ですね。1週間休んで、また次の週から練習をはじめて。

現在の体調はいかがですか?
高森啓吾:体調的にはバッチリですね。どこにもケガはないし、体調が悪いこともないし。

では、今回のVSウォーターマン戦についてお話を聞いていきますが、先ずはこの対戦が決定したという連絡を聞いた時の心境っていかがでした?
高森啓吾:鳥肌が立ちましたね。やっぱり先ずは第一の目標だったし、ウォーターマン選手と対戦したいっていうのがあったので。ここで一気に願い事を2つ叶えちゃいたいなって。先ずは対戦することが決まって、そうなると後は勝つことしかないじゃないですか。だから、今回はホント気合が入ってるので、2つの願い事をいっぺんに叶えようと思ってます。

ウォーターマン選手の試合は、どの試合をご覧になってます?
高森啓吾:実際目の前で見てるのは、VSジミー・アンブリッツ戦(昨年11月・両国大会)ですね。あとはビデオでVSミルコ・クロコップ戦(今年2月『PRIDE.27』)と、VSヴァレンタイン・オーフレイム戦(2002年12月『PRIDE.24』)です。

試合をご覧になって、ウォーターマン選手の印象っていかがですか?
高森啓吾:やっぱりタックルが凄いなって思うんですけど、僕も柔道をやってきて、結構その対処には慣れてるつもりなので。タックルはとられないような気がするんですよね。

高森選手がおっしゃったように、そのタックルがもの凄いことから“ハイパー・タックル・マシーン"の異名を持つウォーターマン選手ですが、どのような対策を現時点でお考えですか? お話できる範囲で構いませんのでお願いします。
高森啓吾:まぁ、今の時点で言えるのは、タックルをとらせない。それぐらいですね。

ウォーターマン選手はレスリングをベースにしている選手で、レスリングのタックルと、高森選手が長年やってきた柔道のタックルとでは技術的にも若干違うのかなという疑問があるのですが、その辺に関してはいかがですか?
高森啓吾:やっぱり(タックルが)低い分、捕らえ辛くはなると思うんですけど、その辺は今ちょっと研究してるので。とにかくタックルに入らせないように。そこで柔道の技も生きてくると思います。

ウォーターマン選手ぐらいの体格の選手との試合って今までなかったと思いますが、その辺はいかがですか?
高森啓吾:ん〜、あんまり気にはならないですね。まぁ、もちろん力はある程度は強いんでしょうけど・・・。でもそれほど恐くはないですね。

柔道をやっていた頃に、ウォーターマン選手のような体格の選手との試合ってありました?
高森啓吾:ありましたね。でも、柔道になると、やっぱり一番最初にくるのは技術だと思うので。いくらパワーがあっても、自分の力を上手く相手に利用されることもありますし。だからちょっと比較はできないですね。でも、柔道をやってた頃に、2メートル以上の選手と試合をしたこともありますし。

では、ウォーターマン選手のパワーに対しての警戒心はそれほどでもない?
高森啓吾:ないですね。

そうなると、やはり一番警戒しているのはタックルだと。
高森啓吾:それをいかに潰せるか、入らせないようにするかでしょうね。

これまで高森選手はパンクラスで3試合していますが、その全てが壮絶な殴り合いでしたから、立って組み合った時の高森選手の強さ、柔道仕込みの組み合ってからの強さというのを見ることはできなかったのですが、今回のVSウォーターマン戦で初めてその強さを見ることができるのではないかと、私的にはすごく楽しみにしています。
高森啓吾:そうですね(微笑)。その辺はちょっと秘密にしておきたいところなんですが・・・(微笑)。まぁ、今まで出せなかった部分っていうのを出していけたら良いなって思ってますけど。

わかりました。では、前々回のVSセハク戦、前回のVS石井 淳戦と、その豪腕で2連続KO勝利を飾っている高森選手ですが、今回のVSウォーターマン戦も、やはり狙うはその豪腕でのKO勝ちでしょうか?
高森啓吾:今、それはちょっとハッキリとは言えないですね。まだ。作戦を練ってる途中なので。

先ほどおっしゃったように、今までとは違う高森選手を見ることができるかも知れないと。
高森啓吾:かも知れないし、今まで通りかも知れないし(笑)。

わかりました(笑)。では、昨年10月(後楽園ホール)のパンクラスデビューから、今回、僅か4戦目でメインイベントへの出場ということになりますが、そのメインイベントということに関してはいかがでしょうか?
高森啓吾:まぁ、メインだけど、今回は青コーナーなんで。赤でメインをはれるようになりたいなとは思いますけど、特別そんなメインだからっていうのを意識せずに、いつも通りの試合をやりたいなと。メインということに意識がいかないようにしたいなと思いますね。

4戦目でのメイン出場ということに関してはいかがですか? 早いなと思います? それとも何も感じません?
高森啓吾:特別・・・はないのかなぁ〜。周りの友達からは「スゲぇ、スゲぇ」って言われるんですけど、それよりも何よりもウォーターマン選手と試合できることが嬉しいし。それは第1試合であろうが、第2試合だろうが。ウォーターマン選手とこんなに早く対戦できるとは思ってもなかったし。メインよりもそっちの方がやっぱり大きいですね。

では、そのVSウォーターマン戦の先のお話になってしまいますが、現在、スーパーヘビー級のランキング2位に付けているウォーターマン選手に勝つことで、スーパーヘビー級のタイトルにより近づくことになりますけど、それと同時に、ウォーターマン選手は『PRIDE GP 2004』のリザーバーに名を連ねていますので、『PRIDE』さんへの出場というのも見えてくると思いますが、今回の試合に勝利した後、高森選手の中では何が最優先の目標になるのでしょうか?
高森啓吾:やっぱりスーパーヘビー級のベルトが欲しいですね。先ずそこから狙っていきたいです。それ以外のことはあまり考えずに、とにかくパンクラスで1番になりたいですね。

スーパーヘビー級のランキング1位、セーム・シュルト選手(ゴールデン・グローリー)との対戦が決まったらどうしましょう?
高森啓吾:いや、どうしましょうね、ホント。今まで以上に気合が入るんじゃないですかね。やっぱり。ベルトは喉から手が出るほど欲しいですし。

4/25『PRIDE GP 2004』開幕戦でのシュルト選手の試合はご覧になりました?
高森啓吾:観ました。

どのような印象をお持ちになりました?
高森啓吾:やっぱり上手いですよね。あんなに身体は大きいですけど、細かな技もできますし。打撃、膝蹴りも凄いし。懐が深くて入りにくい選手だと思いますけどね。対戦が決まったら、また対策を考えなきゃいけないでしょうね。

では、今年、年内の目標はスーパーヘビー級のベルト奪取っていう感じでしょうか?
高森啓吾:そうですね。まだ早いかも知れないですけど、善は急げで(微笑)。

わかりました。では、これで最後です。高森選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、高森選手を応援していらっしゃるファンの皆さんへメッセージをお願いします。
高森啓吾:まぁ、どういう試合になるかまだわかりませんが、「観に来て良かった」って皆さんが思うような試合を絶対したいなと思います。パンクラス代表、日本人代表として頑張りますので、応援よろしくお願いします。

高森啓吾選手database