10月12日(火)後楽園ホール大会のセミファイナルで、SKアブソリュートの長谷川秀彦選手との対戦が決定している大石選手。そこで、今回のVS長谷川戦に関してお聞きしていきたいと思いますが、その前に、8/22梅田ステラホール大会の前に負ってしまったケガに関して、ちょっとだけうかがいたいと思います。8/22梅田大会で、男!徳岡選手(WATER)との対戦が決定していましたが、練習中のケガにより、出場を断念せざるを得ませんでした。あれから2ヶ月ほどしか経っていませんが、現在のケガの状況はいかがですか?
大石幸史:まぁ、完璧ではないんですけど、もう(試合も)出来るかなって状態ですね。

ケガの状態が酷い時は、もちろん練習も思うように出来なかったと思いますが、今の練習に関してはいかがですか?
大石幸史:今はもう普通に、ケガする前の練習と同じぐらいの練習をしてますね。ただまぁ、まだちょっと痛いかなってぐらいで。だから練習の内容自体は大丈夫ですね。

練習中、まだちょっと痛むということですが、その辺で試合に向けての不安はないですか?
大石幸史:いや、それは別にないですね。

わかりました。では、前回の試合となる、6/22後楽園ホール大会でのVS倉持昌和(フリー)戦についてうかがいたいと思います。試合自体は、2ラウンドの4分過ぎに大石選手がグラウンドでのパンチでTKO勝利という結果でしたが、その前、4月・後楽園ホール大会でのVS星野勇二(和術慧舟會GODS))や、更にその前の2月・後楽園ホール大会でのVSヒース・シムズ(チーム・クエスト)戦の時とは明からに違う構えで相手に対峙していました。VS星野戦やVSシムズ戦の時は、両手で顎をガードするようなボクシングに近い感じのものでしたが、VS倉持戦の時は、オープンカードと言うか、両手を前に突き出すような感じで構えてました。そこにはどのような意図があったのでしょうか?
大石幸史:ん〜、ただ姿勢を良くしてるだけなんですよね。それだけです。手が出やすいとか、リラックスとか、別にそういうことには意識はなく、ただ姿勢を良くしてるだけですね。そうしたらああいう感じになっちゃったんですよ(苦笑)。で、またちょっと変わったっていうか、特別そんなには変わらないですけど、以前の、普通の構えにまた近づいてきましたね。

姿勢を良くすることで、その先に何か狙っていたものがあったのでしょうか?
大石幸史:ん〜、とにかく姿勢ですね(笑)。先ずそこからやらない始まらないって感じで。闘う前に先ずは姿勢を正さないと、闘いにならないって。そこからスタートしてるだけで。そこから何を出したいとか、そういうのは別にあの構えにはないですね。逆に、姿勢を正さないとパンチも蹴りも出ないってことです。

あの構え、あの姿勢で闘ってみて、ご自分的にはいかがでした? 思ってたような動きは出来ました?
大石幸史:ん〜、どうなんですかね? あんまりわかんないですけど・・・まぁ、相手の選手も必要以上に警戒してくれた感じがあったので、試合自体は上手くいっちゃったんですけど。上手くいったとか、ダメだったとかは関係なしに、自分としては姿勢を良く、先ずはそこから入ろうということだったので、まぁまぁだと思いますね。

以前の構えにまた近づいてきてるとのことですが?
大石幸史:構えと言うか、姿勢は良くしてるんですけど、完全に力を抜こうということで手が下がっちゃってたんですが、その手がまた上の方に戻ってきた感じで。それも、あの流れからそこにきたってだけであって。だから、VS倉持戦の前にとってた構えとは全然違うものですよね。似てますけど。

パッと見はVS倉持戦以前の構えに似てるかも知れないけど、その意味合いは違うと。
大石幸史:そうですね。

大石選手が理想とするスタイル、勝ち方っていうのは、現時点ではどのような感じですか?
大石幸史:ん〜、何ですかね? そりゃ一番良いのは、一発出してそれで相手が倒れれば、それが一番良いですけどね。まぁ、最高はアレでしょね。刀で斬るかのような・・・こう、ババッてやって(※刀を振り下ろす仕草で)、バタンって(※倒れる仕草で)いうのが良いですよね。

そうなると、やはりスタンドの打撃ってことですか?
大石幸史:まぁ、スタンドになっちゃいますけどね。もちろん。でも、それは別に何でも良いですね。パンチでなくても蹴りでも良いし。構えただけで相手が「参った」って言ってくれれば、それで良いですしね。



わかりました。では、今回のVS長谷川戦に関してですが、長谷川選手は現在ミドル級のランキング8位の選手で、ずっとミドル級で試合をしてきた選手なんですけど、先ずはその長谷川選手の印象を教えて下さい。
大石幸史:ん〜、あんまり試合は観てないんですけど、腕十字が得意なのかなって。腕十字って書いてあるTシャツを着てたりしてるので。まぁ、やっぱりサンボをやってるってことで、グラウンドの得意な選手なんでしょうね。

9月・後楽園ホール大会での井上克也選手(RJW/CENTRAL)もそうでしたが、ミドル級から1つ階級を落としてウェルター級の試合に臨む選手ということで、何か意識する部分はありますか?
大石幸史:何もないですね。別に。

ミドル級で活躍してきた選手が体を絞ってくるということで、「身体の力が強いだろうな」とか、そういうことは意識しませんか?
大石幸史:まぁ、強かったら強かったで、僕が負けちゃうんでしょうね。っていう感じですね(苦笑)。まぁ、とにかく弱かったら負けますし、その時に強い方が勝つので。だから何も気にしてはないですね。

長谷川選手はサンボの全日本選手権で優勝していらっしゃる方ですから、やはりグラウンドでの関節技とかもサンボ流なのかなと思いますけど、そのサンボっていう競技に対してはどんなイメージをお持ちですか?
大石幸史:ん〜、イメージがあまり沸かないんですけど・・・。まぁ、何でも得意技を持ってる選手っていうのは嫌ですけどね。とられたら、もう何をとられてもしょうがないんで。でもまぁ、常に何がきても大丈夫だって状態にはしたいですね。

では、今回の試合で、大石選手がご自分の中で大切にしたいと思ってることはどういうことでしょうか? 大石幸史:そうですね〜、先ずはさっきの話になりますけど、やっぱり構えから始まって、そして感覚を研ぎ澄ましてやるってことですね。試合中、一度も気が途切れないと言うか、そういう感じでやりたいですね。

わかりました。では、ちょっと今回の試合から話題を変えます。ずっとウェルター級のランキング1位につけてきた大石選手ですが、初代王者の國奥麒樹真選手のベルト返上によって、その王座は空位という状況に現在なっています。もちろん大石選手が、その王座獲得の最有力選手と言って間違いないのですが、大石選手ご自身の中で、ベルト獲りに向けての気持ちの盛り上がりというのはいかがですか?
大石幸史:あんまり盛り上がってこないですね。別に・・・まぁ、強ければ、その王座が空位だろうが何であろうが、いつかはやっぱり・・・強い人がベルトは獲るんじゃないですか。

現在ウェルター級のランキング4位で、同じismの北岡(悟)選手が、大石選手とは対照的にベルト獲りをアピールしてますけど?
大石幸史:そうですね。でもまぁ、もしベルトがあればもっと強い人と闘えるとか、そういう機会に恵まれるのであれば、これはまぁ、しょうがない話なんですけど、そういうのがないとダメなんであれば、別に僕もまくこと自体は何てこともないので、別にあってもそれは迷惑でもないので、良いかなと思いますけど。そのベルトをまくことが僕の中での本質ではないと言うか・・・。

今年2月の後楽園ホール大会で、大石選手とヒース・シムズ選手が引き分けて、そして9月の後楽園ホール大会では、北岡選手がそのシムズ選手と引き分けました。ウェルター級のタイトル争奪戦は、ランキング1位の大石選手、2位のシムズ選手、そして4位の北岡選手、この3名による三つ巴の様相を呈してきたように見えるのですが、この状況に関してはいかがですか?
大石幸史:そんな状況になってたんですか?(笑)。まぁ、別に考えないですね、そんなことは。考えたこともないですね。まぁ、実際あそこでセコンドについて(※9月・後楽園ホール大会でシムズ選手と対戦した北岡選手のセコンドについたこと)、取り乱して声を上げてましたからね(苦笑)。だから別に何とも思ってはないですけど。とにかく自分のスタイルをもっと確立することの方が、僕の中では先だなっていうのがありますね。それをしないことには、負けなくても、プロのリングに上がる選手としてはちょっとどうなのかなと。問題があると。プロというだけではなくて、僕が理想とするものにはまだ近づけないと。それで引退してしまうぐらいであったら、やっぱり自分の理想に近づいていく方に力を注ぎたい。そんな感じですね。

9月のVSヒース・シムズ戦の前に北岡選手に話を聞いたところ、「タイトルマッチであれば大石選手と対戦しても構わない」という感じのことをおっしゃってましたが、その試合で北岡選手のセコンドも努めた大石選手としては、同門の北岡選手との対戦ということに関してはいかがですか?
大石幸史:いや、それはもちろん試合するんじゃないですかね。別にタイトルマッチでなくたって、やる時はやるんだろうし。

同門ということでの闘い難さはないですか?
大石幸史:まぁ、それに向けての練習中には何かあるかも知れないですけど、リングに上がってしまえば関係ないですよね。

お二人は過去に一度だけ対戦してて(2002年3月・後楽園ホール)、その時は大石選手が判定勝ちという結果でしたが・・・
大石幸史:ドローですね。アレは。

大石選手の中ではドロー?
大石幸史:ドローですね。

では、もし今度北岡選手と対戦することになったら、前回の試合が大石選手の中でドローという認識であるとすれば、今度の対戦は北岡選手との決着戦というところがあります?
大石幸史:決着戦って言うほど、別に入れ込みはしないですけど。まぁ、試合の日には、どの選手とも決着はつけたいですよね。



わかりました。では、最後に恒例の、ファンの皆さんへのメッセージですが・・・
大石幸史:出ませんね〜(苦笑)。

はい、その辺は私も重々承知しておりますので(笑)、今回は、「PANCRASE Official Site」が独自に配信しているメールマガジン『メルぱん』の中で、先月より始まりました大石選手の連載コラム『1/2(にぶんのいち)』について、大石選手ご自身からPRしていただけばと思います。
大石幸史:え〜、まぁ、1ヵ月に1回という枠でですね・・・まぁ、有る事無い事、自由に書いてますので、軽い感じて読んでいただけば幸いかなと思います。

連載コラムを今後続けていくというところで、心境的にはいかがですか? ある意味ご自分のネタを発表していく場になると思いますけど。
大石幸史:ネタっていうよりも・・・先ずはこの話がきた時に、やっぱり普段、何かあったとしても、すぐに忘れてしまうこの世の中。昨今ですね。もしくは何かあった事も、自分では気付かずに過ごしてしまう今日この頃。そういう事を、感覚を研ぎ澄まし、何かを日常の中から感じ、そして文章に書くと。そうすることで、人間としても成長するのではないかと。そういうことから始めました。

連載ということで、書き続けていくことへのプレッシャーはないですか?
大石幸史:それはないですね。ダメならダメでギブアップします(苦笑)。だからそうならないように、毎日毎日感覚を研ぎ澄ますと言うか、気を張ってですね、一瞬の何かも見逃さないように生きていきたいなと。まぁ、書いてること自体は、あんまり気合が入ってないと言うか。信じられたら、ちょっと様子のおかしい人かなって思われてしまうので(苦笑)。あの〜、本当にもう、訳わかんないかも知れないですけど、かる〜く読んでいただければ良いかなって。



大石幸史選手database