11月7日(日)の東京ベイNKホール大会で、当初対戦が決定していたデビッド・テレル選手(シーザー・グレイシー・アカデミー)の負傷欠場により、テレル選手と同門のティム・マッケンジー選手と対戦することが急遽決定した郷野選手ですが、今回のvsマッケンジー戦のお話をうかがう前に、先ずは前回の試合、6/22後楽園ホール大会でのvs栗原 強(team ROKEN)戦を少しだけ振り返っていただきたいと思います。試合自体は、郷野選手のボクシング・テクニックが存分に発揮され、相手にほとんど何もさせることなく、最後は見事過ぎるくらいのKO勝利でしたが、今年2月の『PRIDE武士道』vsマウリシオ・ショーグン戦からの再起戦という点で試合を振り返っていただいた場合、vs栗原戦でのご自身の動きや試合内容等をどのように採点しますか?
郷野聡寛:まぁ、良かったんじゃない。あの相手だったけど、(自分の)動きも悪くなかったし、ちゃんと最後は倒したし。良かったと思いますよ。合格点を点けられたんじゃないかな。あの日は。

2月のvsショーグン戦を経て、ご自分の中でも見直す点などがあったことと思いますが、そこで変えてきた部分を、vs栗原戦では出すことが出来たのでしょうか?
郷野聡寛:そんな昔のことは忘れちゃったな〜。もう今から4ヶ月以上も前のことでしょ? そんな昔のことは忘れちゃいましたね。

では、vs栗原戦を通して、またご自分の中で気付いた点などがあったと思いますが、vs栗原戦以降のこの4ヶ月近くの中で、何か修正等を行ってきた部分ってあるのでしょうか?
郷野聡寛:別にないね。修正とかじゃなくて、もうホントに俺のやることを、俺のスタイルを高めるだけだったから。修正とかじゃなくて、更なる向上を目指して練習してただけだから。だから修正とかはないね。

この間に、向上させるべく練習の中で一番重点を置いてきたことってどんなことでしょうか? お話し出来る範囲で教えて下さい。
郷野聡寛:ん〜、そ〜だな〜。まぁ、全体的なんだけどね〜。全部だよね、やっぱ。ただ、2月のvsショーグン戦で痛い目にあった首相撲を、練習の中でも重点的に取り入れるようになって。首相撲って言うか、組み際での上手さは大分増したと思うんだよね。だから一番目立つ点はその辺かな。



わかりました。では、今回のvsティム・マッケンジー戦についてお話を聞かせていただきますが、その前に、当初はデビッド・テレル選手との対戦が決定していました。今回は残念ながらテレル選手の練習中の負傷ということで郷野選手との対戦はなくなってしまいましたが、最初にvsテレル戦が決まった時の心境っていかがでした?
郷野聡寛:まぁ、パンクラスのリングで、NKホールでやるんだったら、もうテレルしかいないだろうなって前から思ってたから、別に「あぁ、そうですか」って、「やっぱりきたか」ってぐらいだよね。それ以外何もなかったけど。

では、逆に、テレル選手がケガで欠場ということをお聞きになった時がいかがでした?
郷野聡寛:ん〜、正直ね、テレルをクリアしたら、次はタイトルを賭けたvs近藤(有己)戦っていうのが見えてくるのかなって思ってたから。勝った先に何かある試合であるはずが、それがなくなったから。ん〜、だから俺の中では1消化試合に成り下がっちゃったね。

では、今回のvsマッケンジー戦に関してですが、ティム・マッケンジー選手は今回がパンクラス初参戦ということで、資料となるものもまだ少ないのですが、発表されているプロフィール等をご覧になっての印象っていかがでしょうか?
郷野聡寛:まぁ、タフでワイルドな若い兄ちゃんじゃない?(苦笑)。そんな感じだよね。そんな感じかな〜。だってもう、それしかイメージ出来ないもん! 顔写真と戦績だけじゃぁ。強いか弱いかもわかんないから。サウスポーかオーソドックスかもわかんないし。もう、やる気も無し男君、情報も無し男君だよ、ホントに(苦笑)。

・・・(苦笑)。あの〜、プロフィールによると、デビューから9連勝、そしてまだ若干22歳ながら既に2つのタイトルを獲得していて、それでテレル選手と同じくジーザー・グレイシー・アカデミー所属ということなんですが、何か気になる点とかあります?
郷野聡寛:ん〜、気になるって言ったら全部気になるからね。何がどれだけ出来るかっていうのが、ホントに全くないから。まぁ、ただ、弱くねぇ〜だろうなって思うだけだよね。気にし始めたらキリがないくらい気になるからね。まぁ、でも・・・何だろうな〜。そんな感じかな。

先ほど、「1消化試合に成り下がった」という発言がありましたけれども、そういう心境の中でも、今回の一戦で一番大切にしたいと思っていることってどんなことでしょうか?
郷野聡寛:正直、やる気が全然ないから(苦笑)。でも、やる気がないなりにやる気になっても、相手の攻撃をもらわないで自分の試合を作っていくっていう技術が、もう自分にはあると思ってるから。それを試す、今回心と体が全然ダメだから(苦笑)、技の部分を試す良い機会だよね。この試合、技だけで普通にクリアしたら、それはそれで自信になりますよ。

わかりました。では、また先ほどの郷野選手の発言に戻りますけど、vsテレル戦の先には近藤選手とのタイトルマッチを見ていたとのことですが、今回対戦相手は変わってしまいましたけど、今、これから先に見据えているものって、やはりその辺のことでしょうか?
郷野聡寛:ん〜、テレルと対戦して勝ったら、そりゃタイトルマッチも近いものに感じたかも知れないけど・・・。ねぇ、なくなったから。だからそれは、今近くには感じてないから。ん・・・キックだね。キックかな。来年の初めにはキックをやりたいから、それに弾みをつけるためにも、今回良い勝ち方をしなきゃなんないって。だから今回の試合自体に意義を見出してなくて、その先に繋ぐためのものだから。だからキックだ、キック(笑)。

近藤選手や菊田(早苗)選手は、年末のビッグイベントへの出場を希望していますが、郷野選手としてはいかがですか?
郷野聡寛:そりゃ、出れるものなら出たいよね。やっぱり大晦日に格闘技のイベントが定着してきて、歌手だったらレコード大賞とか紅白でしょ。だから格闘技の選手だったらね、一番みんなに観てもらえるし。2月にショーグンに負けた時点で、今年の俺の大晦日はないなって諦めてたから別に何とも思わないけど。出れるもんなら俺だって出たいよね。

今回良い勝ち方をして、名乗りを上げたいってお気持ちはないですか?
郷野聡寛:諦めてたから考えたこともないね(笑)。まぁ、出れるんなら出たいってぐらいしか思わないね。今は。



わかりました。では、郷野選手ご自身のことからちょっと離れて、同じくNKホール大会に出場するGRABAKAの菊田早苗選手、三崎和雄選手についてですが、郷野選手からお二人それぞれに応援メッセージをいただきたいと思います。先ずは、今回、7ヶ月ぶりの試合に臨む菊田選手から。
郷野聡寛:何も言うことないでしょ。問題ないと思うので(笑)。まぁ、一本勝ちするかしないかしか見られないのもキツイと思うけど。まぁ、一本勝ち出来るんじゃないですか。

では、初のタイトルマッチに臨む三崎選手へ。
郷野聡寛:まぁ、6月にネイサン(・マーコート)と(石川)英司が試合したのに続いて、俺としてはまた見るのが辛い試合なんだけど・・・。でもね、試合は試合として割り切って。俺たちのビジネスでもあるわけだから。俺が無傷で試合に勝つことが出来れば、それで和雄が望むんだったら俺がセコンドについて、和雄が勝利を得るために少しでも力添えしようとは思ってるから。まぁ、ネイサンにも言えることなんだけど、お互い100%の力を出し合って、良い試合が出来たら良いんじゃない。それで。

わかりました。では、これで最後です。今回の郷野選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そして郷野選手を応援していらっしゃるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
郷野聡寛:ん〜、正直、やる気無し男君なんだけど・・・。でも、ちょっと前に始球式をやって、新庄と少しだけでも触れ合うことが出来て、その中で俺も多少意識が変わって、やっぱりお客さんに喜んでもらいたいって意識が正直出てきてるから。そういう状況の中で今回やる気無し男君っていう(苦笑)、非常に相反する2つの心理状態の中で迎える試合なんだけど、やっぱりプロとしてお客さんに観に来てもらってる以上はね、良い試合をして、きっちりとした決着を見せたいっていうのが俺の中に出てきてるから。今までの俺は「lights out」するって言っても、相手の光を消すだけだったけど、もう1個の意味の、相手の息の根を止めるっていう、そっちの「lights out」も今回やりにいこうと思ってるから。ホント、昔『修斗』でやったことがあるんだけど、バックキック1発で相手を派手にKOとか、またやってみせたいって思ってるから。まぁ、一生懸命やる、やる気無し男君を観に来て下さい(笑)。

郷野聡寛選手database