11月7日(日)東京ベイNKホール大会で、今年4月(後楽園ホール)のvsキース・ロッケル(チーム・エリート)戦以来、約7ヶ月ぶりの試合に臨む菊田選手ですが、今回のvsアイスマン(猪木道場U.S.A.)戦のお話をうかがう前に、先ずは前回の試合、vsロッケル戦を少し振り返っていただきたいと思います。試合自体は、特に菊田選手がピンチに陥る場面も見受けられず、グラウンドで常に有利なポジションをキープし続けての判定勝利(2-0)でした。しかし、ご本人としてはその内容に全く納得出来ずに、試合後には休養宣言まで飛び出しましたが・・・。
菊田早苗:まぁ、自分としては、自分本来の姿に戻ろうと思って臨んだ試合だったんですけど、やっぱり何も変わることが出来なかったのかなって。今思えば。本当の意味で変わったと言えば、最近の自分がそうだと思いますから。やっぱり昨年12月から今年4月までの短い期間では、変わることは出来なかったみたいですね。自分では変わっていたつもりだったんですけど、変われてなくて。そのかわり、4月の試合後に休養宣言をして、納得したら(試合に)出ようって気持ちを変えてやってきたので。それで、今、逆に納得出来たから出ようと。そういう感じですね。今回は。

この7ヶ月で、菊田選手の中で何が一番変わったのでしょうか?
菊田早苗:そうですね・・・まぁ、どんなに何年も格闘技をやってきてベテランになっても、やっぱり細かい基本が一番大事って、歳を重ねる毎にもっともっと基本が大事になってくるっていうのを学びました。そこじゃないですかね。あの〜、ベテランになってくると、結構若い人とは違う意味での練習を上手くやるっていうパターンもあるんですけど・・・。まぁ、それはそれで有りとして、基本に忠実なところも大部分で大事だなって感じです。

その意識の変化に合わせて、実際の練習の内容も変わってきました?
菊田早苗:そうですね。やっぱり総合格闘技なので、まぁ、寝技でいきたいけれども、寝技だけの力っていうのは・・・相手に読まれてたら限界もありますし。それを引き出すためには、そこにいくまでの中でいろんな攻防があってのことなので、その辺を無視は出来ないっていうか・・・。やっぱり最後に得意なモノを出すためには、そこまでへのより良い持っていき方っていうのが一番大事なところだと。

この7ヶ月間は長かったですか?
菊田早苗:ん〜、最近にしたら長かったですね。そう思います。

この7ヶ月間の、菊田選手を除くGRABAKAの選手たちの闘いぶりを、菊田選手はどのようにご覧になってました?
菊田早苗:もちろん後輩の活躍は刺激になるし、練習にしても、いつも負けられないと思ってやってますから。練習自体は楽しくやろうと思ってても、常にプレッシャーを感じながら自分を追い込んでる部分もあるので、結構うかうかしてられないなって感じでやってましたね。まぁ、でも、みんなが良い感じで活躍すればするほど、全体的にグッと上がるところもあるので、ホント良い感じで見てました。練習では「俺は負けないぞ」って気持ちで緊張感の中でやってましたけど、別にそれは焦りとかではなくて、自分がまた(試合に)出ればそれ以上のものを出してやろうっていう、良い刺激として見てましたね。

先ほど、ご自分的に納得出来たから出るとおっしゃってましたが、今回「試合に出よう」と思った一番の理由って何でしょうか?
菊田早苗:やっぱり調子が良いので。ん〜、調子が良いっていうのは、ただ単に調子が良いってことではなくて、技術的にも、気持ち、自信という意味でも、これだったらみんなに良いパフォーマンスを見せることが出来るんじゃないかと。練習で上手くいきはじめると、今度はリングで出したいな、お客さんの前でやりたいなって、そうなってくるんですよね。試合っていうのは技術もそうなんですけど、精神的な部分でも、まぁ、いろんな意味で全てが整わないと。力、スタミナ、精神的な部分、そこが大きいんですけど、そういういろんなものがあって、あとその先にまた運とかあって、どうしてもバロメーター的なものがあるんですよね。そのバロメーターが下がってる時に、自分でもこんがらがってる時とか、そういう時に「試合がきたからやろう」っていうのがそもそも間違ってるなって思ったので。絶対みんな波ってあるじゃないですか。だからそういった意味では、自分が調子が良いって思った時に出るっていうのが本来の自然な形だなって思うので、それが一番の、ただそれだけですね。だからたまたま7ヶ月空きましたけど、この調子のままいければ、その先もまた1ヵ月後に出来るかも知れないし。そういう感じですね。



では、菊田選手的に良い状態の中で迎える今回のvsアイスマン戦ですが、アイスマン選手のプロフィールをご覧になって、何か気になる点ってあります?
菊田早苗:ん〜、特にそういう点はないんですが・・・まぁ、これまで何度も言ってるんですけど、今回はやっぱり自分との闘いなんですよね。だから、今回は相手が誰であろうと、自分の力を出し切れると思うし、出し切った時には誰が相手であろうと良い結果になってると思うので。だからあまり今回は相手のことは気にならないですね。

所属が猪木道場U.S.A.ということに関してはいかがですか?
菊田早苗:やっぱりそれなりに認められてるから(そこに)いるんだろうなって思いますけどね。

何か特別なお気持ちはない?
菊田早苗:まぁ、ないですね(苦笑)。僕個人としては、vs新日本プロレスとかっていう気持ちは特にはないですけど・・・。

では、先ほどお話ししていただいたことと被ってしまうかも知れませんが、今回のvsアイスマン戦で菊田選手が最も大切にしたいと思っていることはどんなことでしょう?
菊田早苗:ん〜、これも何度も言ってるんですが・・・やっぱりどの試合を見ても、これは最近の自分を含めてですけど、高い(技術の)寝技の、それこそ分かり難い動きの中でも、素人が見て「これは凄いな」って印象に残るような、そういうのが最近中々ないので。打撃で決着がつくことも多いですし。だから・・・すごく綺麗な、止まらない寝技っていうのをホントに見せたいですね。自分ならではっていうのを。自分がそれをやらなきゃいけないってずっと思ってたし。そういう意味ではパフォーマンスって言っても・・・まぁ、いろんな選手がいて、「勝っても負けてもインパクトのある試合をしましょう」とかっていうのじゃなくて、技術的なパフォーマンスを見せていきたいなって。技術的なっていうか、素人にも「凄いな」って言わせるそういうパフォーマンスをして、最後は勝つ。やっぱり勝たないと意味がないので。そんな感じで思ってます。

わかりました。では、今回のvsアイスマン戦から話題を変えて、その先のことについてお聞きします。もう何度もホイス・グレイシー選手の名前は出ていますが、最近ではヴァンダレイ・シウバ選手の名前も今後対戦したい相手の中に挙げていらっしゃいます。その辺のことも含めて、菊田選手は今後どういった闘いに出ていきたいと考えていますか?
菊田早苗:やっぱり1つ1つをクリアしていって、例えば、ただ単に年末のイベントに出るとかっていうのじゃなくて、次に繋がる相手と必ず対戦して、そういうのを地道にこなしていって、最後にホイスとかシウバを引き摺り込みたいなって。そういう意識があります。だから、僕ももう1つ上を目指して頑張っていきたいなと思ってます。



では、今度は菊田選手ご自身のことからちょっと離れて、同じくNKホール大会に出場するGRABAKAの郷野聡寛選手、三崎和雄選手のお二人に、菊田選手からそれぞれ応援メッセージをお願いします。先ずは、菊田選手より先にリングに登場する郷野選手へ。
菊田早苗:ん〜、最近は安定してると思うので、いつもの闘い方をすれば絶対勝てると思いますね。これからの勝負どころを考えると、ここで止まってるわけには絶対いかないと思うので、今回勝って、更に活躍して欲しいです。

では、今回初のタイトルマッチに臨む三崎選手へ。
菊田早苗:自分もちょうど30歳ぐらいでタイトルを獲りましたけど、やっぱり一回逃すと、中々回ってこないものがあるんですよね。不思議なもので。だから、タイトルマッチはいろいろ独特な雰囲気がありますけど、獲れる時に獲って欲しいって思いますね。こちらも同じようにここで止まってるわけにはいかない選手だと思ってるので、是非勝って欲しいです。まぁ、ネイサン(・マーコート)は強敵なので苦しい試合になると思いますけど、最後は根性の闘いで。タイトルマッチっていうのは特にそうなんですよね。頑張って欲しいです。

では、これで最後です。今回の菊田選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そして菊田選手を応援していらっしゃるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
菊田早苗:久し振りのリングになってしまったんですけど、今、心身ともに調子が良いので、今回とにかく相手は関係なく、今までと違うNEW菊田を見せることが出来ると思います。是非楽しみにしてて下さい。

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