いよいよ目前に迫ってきました11/7(日)東京ベイNKホール大会ですが、今大会で野地選手は、古くはパンクラス旗揚げメンバーであり、そして最近では新日本プロレス・魔界倶楽部の一員として活躍していた柳澤龍志選手(フリー)との対戦が決定しています。そこで今回のvs柳澤戦に関してお話をうかがう前に、先ずは前回の試合、7/25後楽園ホール大会【DAY TIME】でのvsコブス・ハイサマン(スティーブズ・ジム)戦についていくつかご質問したいと思います。野地選手の初の総合の試合、そしてパンクラス・デビュー戦ということで、非常に注目度の高い中で行われた試合でしたが、リングに上がった時の心境はいかがでした?
野地竜太:まぁ、「いよいよだな」って感じだったんですけど、特に緊張してガチガチって感じでもなかったので、あまり(過去の)キックの試合の時と変わらない感じでしたね。

総合用のオープンフィンガーグローブをつけて、スパッツを穿いてという、初めての格好でリングに上がりましたけど、それで以前の闘いとは気持ち的に何か変化はありました?
野地竜太:ん〜、オープンフィンガーグローブで思いっ切り人を殴るということはなかったので、まぁ、スパーリングとは違うだろうなっていうのは元から思ってましたね。「どんな感じかな?」って、やってみるまではわからなかったので、それでやってみたらあんな感じになっちゃったっていう(苦笑)。

では、試合開始を告げるゴングが鳴って、時間的には本当に短い試合でしたが、その間は何を考えていました?
野地竜太:特に考えてはなかったんですけどね。相手がああ来るのもわかってたし、それを迎え撃つっていうのも作戦だったし。相手のパンチに右を合わせてっていうのも最初から決めてたので。だからそこで別にミスはなかったんですよね。それで組み付いて何回か膝蹴りのやり合いがあって。で、ビデオで見ると、その膝の後に右の打ち合いになってるんですよね。そこで明らかに問題があったんですけど(苦笑)。まぁ、ホントに隙の隙というか、穴の中の穴を見事に突かれたっていう・・・。本当に難しいところなんですけどね。左手で相手の首を持ってるから、(自分に)ガードがないのはしょうがないことだし。頭を上げないで下げてれば良かったかなっていう、そんな感じですね。でも、そういう一瞬一瞬をなくしていかないとはじまらないと思うので。

あの試合の後に高森(啓吾)選手にお話を聞いたら、「ボクシンググローブの面積と、オープンフィンガーグローブの面積の違いというのがあったんじゃないか?」みたいにおっしゃってましたけど、その点に関してはいかがですか?
野地竜太:まぁ、でも、キックボクシングでもああいう状況にはなるはずなので・・・。首相撲からパンチを出す、離れ際のパンチとか。僕がガードをしてて相手のパンチが入ったのなら、それはグローブの大きさの違いなんでしょうけど、結局はガードをしてないところなので。(パンチの)効き方の違いは明らかにありましたけどね。ボクシンググローブでどんなに殴られても、あんなに効いたことはなかったんですけど・・・。本当に硬いものでゴンッ!て殴られたという感覚・・・こめかみがボコッと腫れてたので。やっぱりボクシングではそういうふうにはならなかったので、威力の差というか。もちろん彼にパンチ力があるんですけど・・・。あのグローブはホントに、骨と骨がガンッ!てぶつかる感じですね。そうじゃないと、あんなふうに意識が飛ぶっていうことは今までなかったから。だからすごく良い経験にはなりましたけどね(苦笑)。

では、今「すごく良い経験になった」とおっしゃいましたが、振り返ってみて、あの総合デビュー戦は野地選手にとってどのような意味を持つ一戦になったのでしょうか?
野地竜太:応援してくれる人もたくさんいたので、やっぱり勝てなかったからすごく残念でしたけど、でも僕自身、ホントに一からのスタートっていう気持ちだったので。過去のことは何も考えないで、もちろん総合初心者ですから、絶対勝たなきゃいけないっていう気持ちもなかったですし。もちろん勝ちたいって気持ちはありましたけど、勝たなきゃいけないっていう、変なプレッシャーとかはなかったので。やっぱりあれが今の総合での実力だったと思うし。だから悪いところもハッキリわかったので、そこを直してまた次に試合してっていう感じです。そこでまた良いところと悪いところを見つけてっていうのを繰り返していけば、だんだん悪いところは減っていくと思うので、その1つに過ぎないって言うとアレですけど・・・。まぁ、一番最初に悪いところがいっぱい出ちゃったなと。

実際に総合の試合を経験して、それ以前とは何か変わってきたことってありますか? 例えば意識であったり、練習メニューであったり。
野地竜太:まぁ、寝技に関して言えば、まだ寝技になってないので・・・。試合でのパウンドだったり何なりっていうのは、まだ試合で体験してないからわからないですけど、やっぱり立ち技での練習でちょっと意識が変わったというか。ホントにあのグローブは殺傷能力が高いなっていうのは、実際に試合してみないとわからなかったので。それまでは当たりやすいとか、硬いんだろうなっていうのは漠然とわかってたんですけど、いざ試合をやってみると、当たりやすくなるのはもちろんですが、本当に殺傷能力が高いっていうのがあるので、そこで自分も気を付けなきゃいけないし、逆に言ったらホントにボクシングのテクニックだけじゃなくて、一発当てた方が、特にヘビー級なんかは一発当てた方が勝っちゃうんじゃないかなって思いますね。かと言って雑になっても良いってわけでもなくて、その一発をどうやって当てるかっていう練習をしたり、その一発をもらわないようにする、それは離れ際だったりと、そういうのを考えて練習をやってきましたね。



わかりました。では、前回の総合デビュー戦で感じた悪かったところを、少しずつだとは思いますが、修正しつつ練習してきた中で迎える今回のvs柳澤戦ですが、パンクラスの旗揚げメンバーであり、少し前まで魔界倶楽部として新日本プロレスさんのリングで活躍していた柳澤選手との対戦が決まった時の心境はいかがでした?
野地竜太:ん〜、まぁ、プロレスラーとしてっていうのはあまり知らなかったので。今、新日本さんに上がってるっていうのはちょっと聞いたんですけど。別に試合を見たこともなかったし。ただそれよりもイメージが強いのは、パンクラスを昔からやっててすごくキャリアもあるし、『K-1 JAPAN』にも大体同じ頃に出てて、やっぱりそれを見てましたから、その2つですね。だからもちろん寝技も出来るだろうし、打撃にも自信があるから『K-1』とかに出て来るんだろうし。まぁ、手強いぞというイメージがありましたね。あと、大きいっていうのもすごくイメージの中にあったので。僕よりも大きい人っていうのは、打撃の日本人選手の中ではあまりいなかったので、そういう点でも手強いんじゃないかなって思ってました。でも、だから逆にやりがいもあるかなと。

今回の対戦が決まった時、野地選手のお気持ちはプラスの方向に行きました? それともちょっとマイナスの方向に行きました?
野地竜太:マイナスってこともないですけど、逆にプラスって言うと、「やったぜ、おいしい」なんて思えないので、どっちでもないって感じなんですけどね。

自然に受け入れられたという感じですか?
野地竜太:そうですね。結局またやってみないとわからないので。そこでまた悪いところがいっぱい出ちゃうと負けちゃうし。でも、そこで負けても終わりじゃないと思うので。だから結構その辺はなるようになるって考えてますから。もちろん練習してきたことを出せれば勝てると思ってるし。だから相手が誰でも、今は逆にやれることが少ないので。この人は寝技だからとか、逆に立ち技だからとかって言っても、今の状態だと僕の作戦は変えられない。誰が来ても、打撃の人が来ても打撃だし、寝技の人が来てもなるべく寝技にはいかないで打撃でいくっていう。だからやることは一緒なんですよね。

先日の記者会見で柳澤選手と顔を合わせて、柳澤選手のお隣には新日本プロレスの星野総裁までいらっしゃいましたが、その会見の中で結構辛辣な発言が柳澤選手からありました。でもあの会見では、野地選手のお隣にいたIRO関選手(パンクラスMEGATON)が柳澤選手に向かって行きましたけど、柳澤選手の発言に対しての、今の野地選手のお気持ちはいかがですか?
野地竜太:ん〜、言葉自体は失礼な言葉だと思いますけどね。MEGATON全体に対して。ただ、そうやって自分にハッパかけてるところもあるかも知れないし。もちろん言われたことに対しては、僕が試合の中できちんと訂正出来れば良いと思いますけど。「やっぱり間違ってたな。こいつら強いな」って向こう が思ってくれれば、それで良いと思うし。逆にそうしなきゃ、こっちも言われっぱなしだと格好悪いので。だから別に言われたことに対して、そんな「頭に来るな〜」とかっていうのはないですけどね。まぁ、言われっぱなしじゃイヤだから、やりますよって感じですね。

柳澤選手の発言が、野地選手の心に火を点けたっていうのはあります? より燃える感じになったとか。
野地竜太:いや〜、特にないですね。別にそれがないからって、そこで手を抜くかって言ったら、絶対それもないので。前回あんな負け方をしてますから、誰が相手でも良いところを出して、ボコボコに殴ってのKOで、「これぐらい出来るんだよ」っていうのを見せたいですよね。やっぱり練習してきたことを出したいですから。まぁ、言われた分、「ほらね、こんなことも出来るんだよ」っていうのを見せられれば良いかなってぐらいですね。だから何かあってもなくても大丈夫です。関係ないです。

会見の中で柳澤選手と星野総裁がおっしゃってましたが、元・魔界倶楽部のメンバーが柳澤選手のセコンドで会場に来るとかって話がありました。その辺は気になったりしますか?
野地竜太:ん〜、魔界倶楽部って言っても、誰がいるのか知らないので(苦笑)。まぁ、でも、ルール上セコンドは2人しか付けないですから(笑)。試合の邪魔さえしてくれなければ別に。リングの外で何を言われても関係ないので。試合前に何かやってきたら許しませんけどね。あと乱入とかしなければ。だから別に問題ないです。

では、同じく柳澤選手の発言の中であった「インパクトを残したい」ということに関してはいかがですか?
野地竜太:まぁ、僕のインパクトのある技で、彼が倒れてくれれば一番良いんですけどね(笑)。ただまぁ、内容的に、殴って殴られて、一進一退で、それで僕が勝ってもインパクトはあるだろうし。もちろん僕が勝つのが前提で、インパクトがある試合だったら、喜んでそういう試合をしましょうって感じですね。やっぱり大きな会場ですし、それをたくさんの人に観てもらえるのであれば、つまらない試合で勝つよりは本当に派手にやって。僕も無傷で勝とうなんて思ってないので。いつもそうですけど、殴られても倒れなきゃ良いと思ってるので。だからドンドン来て下さいって感じですね。

では、今回のvs柳澤戦で、野地選手の中でのテーマっていうのはどういうことでしょうか?
野地竜太:まぁ、ホントに、前回やれなかった分、今回爆発して、いっぱい蹴っていっぱい殴ってってことしか考えてないですね。あとは向こうがどう来てくれるかで。寝技になっちゃったら、僕は大したことは出来ないかも知れないし(苦笑)。でも精一杯もがいて、立ち上がって、何とか自分のリズムの流れに持っていきたいなっていうのがありますね。だから出来れば立ち技勝負で、激しい試合をしたいなって気持ちですね。



わかりました。それでは今後のことに関して一つだけ。総合でのデビュー戦を終えて、その厳しさ・難しさというのを実感されたのではないかと思いますが、そういう状況の中で、野地選手が今後目指していくものって何でしょうか?
野地竜太:そ〜ですね・・・やっぱり練習でも、寝技をやると棘の練習なので(苦笑)。みんなに極められまくって。ホント難しいなっていうのを感じてる中で、やっぱり寝技も上手になりたいんですが、でも打撃も好きですし。自分の得意なものをドンドン出して、KOの山を築きたいなっていうのがありますね。打撃だけの試合ばかりに出るのじゃなくて、寝技のある試合でも、「彼の打撃は良いね」って言われるような選手になりたいですね。

わかりました。では、これで最後です。野地選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そして野地選手を応援していらっしゃるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
野地竜太:デビュー戦に期待して下さった方もいると思いますけど、あまり楽しい結果にはならなかったので(苦笑)、今回はその分まで爆発して、2試合分ぐらいの楽しい思いをしていただきたいと思ってます。応援よろしくお願いします。

野地竜太選手database