感想をお願いします。
高阪剛:まず、とにかく嬉しいです、勝つ事が出来て。

ウォータマン選手はいかがでした?
高阪剛:強かったです。思った以上のプレッシャーがありましたし、心が強い、気持ちが強い選手だなぁと、本当に感じました。

それはどういうところでですか?
高阪剛:パンチを狙って、何発かフックで倒しにいったんですが、それを真正面からもらいながらもテークダウンを取りにくるので、そういうところは強いなと思いましたね。

技術的な事はいかがでした?
高阪剛:試合の中身自体は、とにかく一本を取れなかったので、内容の事を考えると、反省する部分はあるんですが、今回タイトルを獲るという事に関しては、自分を追い込んで、気持ちを緊張させる様にして、今回仕上げてきましたから、そういう部分で最後まで気持ちが途切れなかったのが良かったかなと思います。リングの上で自分がだらしない姿を曝け出したりとか、相手に背中を見せるような事をするようじゃ上がる意味が無いので、それだけは絶対にしないようにと思いました。どんな事があっても真正面から喰らい付いてやろうと、そればかりでした。

上にならられても返す場面がありました。
高阪剛:重かったです(苦笑)。重かったけど、そんな事言ってられないです。世界のヘビー級のトップクラスと闘う為には、そんな事は言ってられないです。そういう事に打ち勝ってこそチャンピオンだと思うし、もっともっと上を目指してやらないといけないなと思いました。

チャンピオンになって、ベルトの巻き心地はいかがですか?
高阪剛:小学生の時に仮面ライダーのベルト、それ以来なんですけど(笑)、何万倍も違いますね。

今後の目標はいかがでしょうか?
高阪剛:プロの選手として、今年で11年目に入りましたが、どんどん(ベルトを)狙いに来て欲しいなと思います。もっともっとこの業界がどんどん掻き回されて、活性化すれば、自分がやって来れた励みにもなるし、これからの選手の為には、もっともっと壊しては作って、壊しては作ってと、やっていけたらなと思います。その為には若い選手がドンドン、「(高阪は)たいした事ないやんけ〜」と挑戦しに来てくれた方が良いと思うし、そういうのを期待してます。

その為に、逆に高い壁になる覚悟もあるという事でしょうか?
高阪剛:高い壁と言うよりも、自分が壁だと思うなら、乗り越えるのではなく壊せば良いし、自分が今までやって来た事を、自分の中でも無駄にしたくありません。そういう思いがあります。

防衛戦はパンクラス以外でもあり得ますか?
高阪剛:それは、そういう事になればあるかも知れませんが、ロン・ウォーターマンというのはパンクラスで実力を上げた選手だから、どうしてもパンクラスのリングで闘いたかった訳ですから、もしやるなら、このリングが良いんじゃないかなと思います。

指名したい選手はいますか?
高阪剛:今はちょっとわからないですね。MEGATONで頑張ってる、これからどんどん強くなっていってもらいたい選手、もちろん今でも強いわけですが、挑戦状を叩き付けて欲しいと思います。

パンクラスのリングに上がる事に拘りはありました?
高阪剛:パンクラスに上がるからと言う訳ではありませんが、どうしてもそういう見方、自分はリングスで育った選手だし、政治的な事はわかりませんが、一選手としてリングに上がったわけですけど、そういう風に観ていらっしゃる方も、リングの上で何かを感じてもらえればなと。今回そういう課題もあって、上がる事に決めたんです。だから絶対に投げ出す訳にはいかなかったし、とにかく向かって行く気持ちをリングの上で出したかったです。でも、実際闘っているのはロン・ウォーターマンと自分という、たった2人の人間だし、世界的な事で考えると、格闘技の世界は物凄くちっぽけなモノだと思います。でも、その中でも何かを感じて、1人でも何か、ワクワクドキドキしたりとか、明日の励みとかになったりとか、そういう風になれば、自分もやり甲斐があるし、プロの選手として、お金を払って観に来て下さる方には支えていただいているので、そういうのも含めて、やらなければいけないと思いました。

試合に向けて、支えてくれた方に何か言葉があれば。
高阪剛:人間、本当に支え合ってやってるんだなという事を思ったし、自分のジムに練習しに来てくれるみんなも、本当に無償で手伝ってくれて、高橋さんもそうです、藤田にしても本当に助けてくれたので、その協力が無かったら絶対に勝てなかったです。本当に心からお礼が言いたいです。(高橋選手や吉田選手は)とにかく気持ちの支えでした、高橋さんから“行け!”って言われればそれだけで心強いし、本当に、ありがとうしかないです。正直、ブーイングとか、応援してくれる方がいないんじゃないかなという思いと、(応援してくれる)期待もちょっとは自分の中にあったんですが、皆さんから本当にあれだけ声援を贈ってもらったし、頑張れというその一言が自分達にとって本当に何よりの栄養剤です。本当に嬉しかったです、ありがとうございました。