今年最後の“BRAVE TOUR”、12月21日(火)後楽園ホール大会までいよいよ1週間を切りましたが、今大会のメインイベントで、パンクラス初参戦のケステゥシャス・アルボーシャス選手(ラトビア士道館)を迎え撃つことが決定している渡辺選手。先ずはそのvsアルボーシャス戦のお話をうかがう前に、10月2日、韓国で行われた『NEO FIGHT〜ヘビー級トーナメント〜』準決勝&決勝についていくつかご質問したいと思います。昨年12月にこのトーナメントの1回戦&2回戦が行われ、そこで勝ち上がっての10月の準決勝&決勝でしたが、準決勝を判定勝ち、そして決勝では10kg以上重いブランドン・ヒンクル選手を相手に奮闘しながらも、惜しくも判定負けで準優勝という結果に終わりました。準決勝&決勝での試合内容や結果、そしてトーナメント全体に対して、今、どのような感想をお持ちですか?
渡辺大介:準優勝という結果に関しては、別に嬉しくなかったですね。ちっとも。体重差があることはわかって参戦してますから、それをわかった上での闘い方が出来なかったので・・・。しょうがないですね。でもまぁ、良い経験にはなりました。すごく。あれだけデカくて力の強い相手(ブランドン・ヒンクル選手)と闘って。簡単に持ち上げられて、叩きつけられましたからね(苦笑)。自分はまだまだだなって思いました。

昨年12月に1回戦&2回戦が行われて、準決勝&決勝はズレにズレてようやく10月に行われたという感じでしたので、このトーナメントへのモチベーションを持続するのは大変だったんじゃないですか?
渡辺大介:いろんな所で影響はありましたよね(苦笑)。でももう、それは過ぎたことなので、どうでも良いかなって感じですよね。だけど当時はムカついてましたよ(苦笑)。最初は3月にあるって聞いてて、その間パンクラスでの試合を休んでまでトーナメントに向けて調整してたのに、直前になくなって。で、最初は4月になるって聞いたんですけど、それもなくなって今度は6月になるって。でも、それまで2回も延期になってるから、6月もどうなるかわかんないってことで、4月に百瀬(善規/禅道会)選手と試合したんですよね。vs百瀬戦はやっといて良かったです。その百瀬戦で良い勝ち方が出来て、さぁ6月だって思ってたら、1ヵ月前ぐらいにまた延期になるって聞いて。それで7月のパンクラス・韓国大会で、(ニルソン・デ・)カストロとの試合が決まったんですけど、今度はその大会もなくなって。別に韓国人に対してムカつくとかそういうのはないんですけど、あの当時は本当に韓国が嫌いになりましたね(苦笑)。

そこまで予定外のことが起こると、精神的にキツいですよね。
渡辺大介:それもあるし、生活という意味でもキツかったですよね(苦笑)。

そういう厳しい状況が続いて、ようやく迎えた10月の準決勝&決勝でしたけど、このトーナメントを通して、渡辺選手が一番得たものって何でしょうか?
渡辺大介:海外で試合をするっていうのは、慣れない場所で言葉もわからなくて、周りも知らない人たちばっかりだから、結構不安になったりするんですよね。ん〜、ここ2年ぐらい、結構もう試合の雰囲気に慣れたりして、緊張はするんですけど、その緊張を楽しみながら試合に臨めるようになってたんですが、さすがに韓国では硬くなりましたね。動きが。昨年12月の1回戦&2回戦の時も、1回戦はメチャクチャ硬かったし。2回戦の方は少し楽になったんですけどね。で、10月の準決勝&決勝も、準決勝はダメでしたね。まぁ、決勝もキツかったですけど(苦笑)。だから、海外での試合って難しいものだなって思いました。




では、そういう海外での体験を経て臨む、今回のvsアルボーシャス戦になりますけど、パンクラス初参戦ということで資料的なものも少ない、そういう未知の選手との対戦が決まった時の心境っていかがでした?
渡辺大介:ん〜、まぁ、「わかりました」って。「良いですよ」って感じでしたね。外国人選手とも試合したかったし。総合の世界ではまだまだ知名度は低いも知れないですけど、士道館の世界大会は優勝してるんですよね(2000年『士道館 全世界オープン選手権』75kg王者)。強いだろうなって、強豪そうだなっていうのは感じました。でも、そういう選手に勝っていかないことには強くはなれないので。

アルボーシャス選手の試合映像ってご覧になりました?
渡辺大介:見ました。7月の『新・格闘技の祭典2004』での試合ですね(※ワールド士道館ルールで、神谷友和選手に腕ひしぎ十字固めで勝利)。

印象はいかがですか?
渡辺大介:打撃がやっぱり強いですね。それと腰が重そうな感じで。僕が見た試合は腕十字で勝ってますけど、パンチも蹴りも上手かったですね。さすが士道館の世界チャンピオンになっただけはあるなって思いました。

かつて渡辺選手は“門番”と呼ばれていて、パンクラス・ライトヘビー級に初参戦してくる選手を最初に迎え撃つことが多かったんですが、ここ最近はそういうこともなくなってきてて、今回久し振りに未知の強豪のパンクラス初戦の相手に選ばれました。久々のこの状況に関してはいかがですか?
渡辺大介:ん〜、別に何とも思わないですね。初参戦だろうが、2度目3度目だろうが、別に一緒です。同じように燃えますよ(笑)。どんな相手でも燃えますよ。やっぱり。でもまぁ、初参戦の選手はなかなかイメージ出来ないので、そういう部分での不安はありますよね。だけどそれは今に始まったことではないし、それが当たり前なので。

11月の後楽園ホール大会では、渡辺選手と一緒に湘南の方でP'sLAB(パンクラスGOLD'S GYM湘南)を指導している山宮(恵一郎/GRABAKA)選手が、同じ様にメインでパンクラス初参戦のグスタボ・シム選手(グレイシー・バッハ・コンバット・チーム)を迎え撃って、残念ながら敗れてしまいましたけど、同じ会員さんを指導している先生として、山宮選手の結果を踏まえた上で何か今回の試合に向けて思うことはありますか?
渡辺大介:そうですね・・・湘南の会員の方でも観に来てくれる人がいると思うので、ここはビシッとカッコ良いところを見せたいなって思いますよね。これをしっかり終えて、みんなで忘年会に行くぞって感じですね。GOLD'S GYM湘南の会員の皆さんと忘年会をやる上で、ここは盛り上げるためにも僕がしっかり勝って、美味い酒を飲みたいなと。

では、久々のメインで、メインでの赤コーナーというのはおそらく初ではないかと思いますが、そういうことでのプレッシャーとかはいかがですか?
渡辺大介:今年最後の興行ですからね。最初に聞いた時、「俺で良いのかな?」って思いましたけど(笑)。ん〜、言われますよ。みんなから(苦笑)。いや、もう、きっちりと盛り上げて終わらせますよ。僕が勝って。やる気満々ですからね。

11月の東京ベイNKホール大会で、近藤(有己/パンクラスism)選手の“勝つパンクラス”発言がありましたけど、その後の後楽園ホール大会では、パンクラスと名の付く選手の結果が良くありませんでした。その点に関してはいかがですか?
渡辺大介:意識してますよ。“勝つパンクラス”っていうのは、僕もその通りだと思いますからね。パンクラスって名の付く選手が、パンクラスのリングで負けてたら面白くないですからね。まぁ、盛り上げて勝つつもりではいますけど、どんな手を使っても勝ちたいですね。勝ちにいきますよ。この試合は。倒しにいきます。

では、今回のvsアルボーシャス戦に、渡辺選手はご自分の中でどのようなテーマを持って臨むのでしょうか?
渡辺大介:“勝つパンクラス”ですね。“絶対勝つ”ですね。もしかしたら、もうドロドロの試合になるかも知れないですけど、そうなるかも知れないけど勝ちます。絶対、勝ちが最低条件ですね。ホントに。まぁ、毎回そうなんですけど、今回は特にメインですからね。ちょっと意味が変わってきちゃいますから。その辺は自分でも自覚していかなきゃいけない立場だと思ってますから。そういうプレッシャーを受け止めながら闘いたいですね。




わかりました。では、ちょっと話題を変えます。今回のvsアルボーシャス戦のその先、来年に何か見据えているものってありますか?
渡辺大介:ん〜、ランキングをどうこうとか、チャンピオンベルトをどうこうとかっていうのは全くないんですけど・・・今年何よりカストロに負けた(8月・梅田ステラホール)のが悔しかったので、どうにかその悔しさを打ち消せるだけの試合をしたいなと。まぁ、彼と再戦して勝つのが一番手っ取り早いんですけど、向こうがKOで勝ってるので、なかなか再戦してくれないと思うんですよね。だから向こうに「やってやるよ」って言わせるぐらいまで僕が勝ち続けて価値を高めるか、彼と同じぐらいのレベルの選手と対戦して、僕がキッチリと勝つか。グスタボ・シムのように、総合でブイブイ言わせてる選手がパンクラスにも参戦してくるじゃないですか。そういう選手たちにも勝てるように、勝つためにやっていかなきゃなってずっと思ってたんですけど、今年はそれがなかなか出来なかったので。だから先ずは今回の試合でキッチリ勝って、来年に繋げたいですよね。あとは・・・3月(6日)の横浜大会に出たいですね。最近、文体で試合してないので。今回大きなケガさえしなければ、試合に向けた調整も十分出来ますし。文体で試合して、またガツ〜ンといきたいなって思ってます。

わかりました。では、これで最後です。今回の渡辺選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そして渡辺選手を応援していらっしゃるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
渡辺大介:パンクラスの今年最後の興行の、メインの赤コーナーということで、プレッシャーとかも普段に比べると大きいんですけど、そのプレッシャーが大きければ大きいほど、勝った時の喜びも大きくなるので、今はやる気満々です。相当激しい試合になると思うので、僕の試合を楽しみに待ってて下さい。期待して下さい。勝ちます! “勝つパンクラス”なんで、勝ちに徹して闘います。

渡辺大介選手database