いよいよ目前に迫った12月21日(火)後楽園ホール大会の第1試合で、今年の『ネオブラッド・トーナメント〜フェザー級〜』優勝者である山本 篤選手(KILLER BEE)との対戦が決定している志田選手ですが、そのvs山本戦のお話をうかがう前に、先ずは前回、10月・後楽園ホール大会でのvs出見世雅之(和術慧舟會 GODS)戦のお話を少しお聞きしたいと思います。今回同様、前回も第1試合、その大会のオープニングマッチでしたが、志田選手の非常にアグレッシブな攻めにいきなり会場がヒートアップした素晴らしい展開と、そして素晴らしい勝利(2R0分43秒/フロントチョークで一本勝ち)の試合となりました。あの試合の展開、そして結果に関して、今、ご自分ではどのようにお考えですか?
志田幹:ん〜、ど〜なんだろうな・・・(苦笑)。あの〜、8月の段階で仕事を辞めて、10月の前に一度試合はしてるんですけど、パンクラスでの試合は仕事を辞めてからは初めてだったので、結構気合が入ってましたね。その結果がああいう形で、僕の知り合いもたくさん来てくれてて、そういう中で勝つことが出来たので、いや〜(笑)、嬉しかったなって感じですね。はい。

試合展開や、ご自分が出した技術に関してはいかがですか?
志田幹:技術という点では、普段練習しているものを出しただけなので・・・。まぁ、技術よりも気持ちが良く前に出て、倒しに良くいったなって感じですね。技術じゃないんじゃないですか。(1ラウンドの)残り2分で倒しにいったあの姿勢が、ああいう結果と面白い展開になったんじゃないかなっていう。

ご自分的には、試合展開には満足していらっしゃる?
志田幹:そうですね。出来れば1ラウンドで倒してしまいたかったんですけど。2ラウンドまでいったのはちょっと残念でしたね。でも、あれだけ追い込めたのは良かったと思いますね。出し切った、あともうちょっとで倒せたってところだったので。

これまでの志田選手のファイトスタイルっていうと、私が拝見してる限りでは、どちらかと言えば受けのスタイル、相手が攻めてきたところにカウンターを合わせるというようなイメージが強かったのですが、前回の試合では非常にアグレッシブな攻撃を繰り出したということで、やはりお仕事をお辞めになって、格闘技一本に絞ったということが気持ちの部分に影響しているのでしょうか?
志田幹:そうですね。それがデカいですね。自分を守ろうって思うと、やっぱりディフェンシブになり過ぎちゃうきらいがあるので。まぁ、倒されても良いから倒しにいこうっていう、気持ちの変化が結構大きいのかなっていう(苦笑)。前回も倒しにいって結構何発か返されて、それなりのダメージを負ったので、やっぱりそういうリスクが絶対出てくるじゃないですか。そういうリスクをおかせるかおかせないかっていうところでの違いかなと思いますね。

「翌日出勤することを考えなくて良い」というような発言が雑誌にも出ていましたけど、リスクっていうのはそこに繋がりますか?
志田幹:そうですね。はい(笑)。僕の中で、社会人をやってる、そこの中での生活が一つ重要なファクターだったので、それもあってっていうのは足かせではありましたね。確かに。

8月にそれまで勤めていた会社をお辞めになって、もう4ヶ月近くが経とうとしていますが、格闘技一本の生活っていうのはいかがですか?
志田幹:自己管理がやっぱり難しいっていうか。甘えようと思えば、いくらでも甘えることが出来るので。でも、練習をやり過ぎちゃってもやっぱり壊れちゃうので、その辺を上手くやっていくのがちょっと難しいのかなって最初は思いましたけど、でもだんだんペースは取れてきたのかなとは思ってますね。試行錯誤を繰り返しながらって感じです。ただ、ずっとこういう生活ではなくて、一度仕事を辞めてこういう生活に入ったっていうのがあるので、自己管理は結構厳しくやってるつもりですね。

逆にお辞めになって楽になった部分っていうのはいかがですか?
志田幹:それはやっぱり・・・仕事がない分だけストレスが全くないですね。あとは時間の拘束が全然ないので、練習スケジュールはありますけど、休むことも出来るのでそれが良いですね。仕事は休めないじゃないですか。それは結構良いですね。ただまぁ、仕事をしてる時は、格闘技以外のことを考えるっていう時間が結構あって、それが気分転換になると思うんですけど、これしかやってないとこれしか考えないので、逆にノイローゼっぽくなるんじゃないかなって(苦笑)、ちょっと思ったりもしますね。壁にぶち当たった時に辛いのかなって思う時もあります。

今の気分転換の方法って何ですか?
志田幹:僕は趣味が格闘技みたいな感じだったので、気分転換って言えばDVDを観たりとか、犬と遊んだりとかって、そんな感じになっちゃいますけどね(笑)。

では、お仕事をお辞めになった後、先ずは8月の『DEMOLITION』で一本勝ちして、そして10月のパンクラスでも一本勝ちという、2試合連続一本勝ちの状況に今いらっしゃいますが、この状況についてはどうお考えですか?
志田幹:あの〜、まぁ、ホント危ない橋を渡ってるんですが・・・結果的には良かったですけど、一歩間違えれば負けるような試合展開にもなっていた可能性がどっちの試合にもあったので、まぁ、ラッキーって感じですね。次も続いてくれれば良いなって感じです。やっぱりどうしても倒しにいくと倒されることも絶対あるので、これまでの2戦は本当にラッキーだったなって。




わかりました。では、ラッキーが続くと良いなとおっしゃった次の試合、今回のvs山本 篤戦ですが、先ずは山本選手との対戦が決まったということをお聞きになった時の心境を教えて下さい。
志田幹:ん〜、まぁ、でも、いずれ対戦しなきゃいけないなって思ってたので。パンクラスだと、(前田)吉朗君以外だと山本君ぐらいしかいないなって。強い選手が。だから決まった時は、正直嬉しいなって感じでしたね。

山本選手の印象っていかがですか?
志田幹:ん〜、試合映像は良く見てるんですけど・・・まぁ、良くわかんないですけど、まだ力を出し切ってないんじゃないかなとは映像を見て思いましたね。あれが底なんじゃないかって言う人もいますけど、あれは底じゃないんじゃないかっていう。今までの山本君の試合では、本当に究極に追い込まれた時の力をまだ出してないような感じがするので、それを出さないまま僕が勝てれば今回の試合は良いかなって感じですね。逆にその、底の力を出し合うような試合にはなるべくしたくないなって思ってますね。

パンクラスで8戦6勝1敗1分けの戦績を残している志田選手ですが、その唯一の黒星がvs前田吉朗戦で、山本選手は今年の『ネオブラッド・トーナメント』で優勝して、その前田選手との対戦権を現在有している選手ですが、その点に関してはいかがですか?
志田幹:ちょっと可哀想だなっていうのがありますね。今回(前田)吉朗君も出場するので、吉朗君とすんなり対戦出来た方が多分良かったんじゃないか(苦笑)っていう気もするので。僕との試合を挟んで、ここでもし負けちゃったら、吉朗君との対戦の意味がなくなっちゃうような気もするので、そう言った意味ではちょっと可哀想だなって気がしますね。

前田選手が今回の志田選手の試合を生でご覧になるかどうかはわからないですけど、そういう状況で試合をするということに関してはいかがですか?
志田幹:まぁ〜ね〜、一言言わせてもらえれば、お前(ケガが)治ってるんだったら、早く山本君と対戦してやれよって感じですけどね(笑)。そんな感じです(笑)。

その前田選手の今回の相手は、志田選手と同じパンクラスP'sLAB東京の築城(実)選手ですが、その点に関してはいかがですか?
志田幹:ん〜、それはノーコメントにさせていただいて良いですかね(苦笑)。何とも言いようがないですね(苦笑)。築城君とは一緒に練習もしてるので、彼には勝って欲しいですけど、勝たれちゃっても困るなっていうのがちょっとあったりとか(苦笑)もするんですよね。

前田選手と築城選手の試合はご覧になりますか?
志田幹:そうですね。出来れば勝って見たいですね。

パンクラス・フェザー級で、現在断トツの戦績で突っ走っているのが前田選手で、その後を追いかけているのが志田選手と山本選手のお二人なんですが、今回の一騎打ちでどちらが前田選手に続くNo.2かという見方をファンの皆さんもすると思いますけど、その点に関してはいかがですか?
志田幹:ん〜、2位決定戦っていうのは正直しゃくなんですけど、とりあえずそういう見方で良いのかなって。でも、僕もそろそろ吉朗君と対戦したいので、是非今回山本君に勝って、次に繋げたいなって思ってます。

前田選手との再戦ですが、いつ頃に出来たらベストとかっていうのはありますか?
志田幹:いや、僕的には全然いつでもOKですね。今回僕が勝って、対戦要求が出来れば良いなって思ってます。

では、今回のvs山本戦での、志田選手の中のテーマって何でしょうか?
志田幹:ん〜、やっぱり倒すことですね。KOか一本を取りたいので、倒しにいく姿勢を全面に出して。あの〜、基本的に僕は自分からガンガン攻めていくタイプじゃないんですけど、前回みたいに流れがこっちにきたら一気に攻めて倒すと。そういう形を作っていきたいですね。あと、全力を出したいですね。今回、グラウンドで上になられてゴチョゴチョやって試合が終わるっていうのが一番嫌なので。そうじゃなくて、僕が今持ってる最高のパフォーマンスを山本君にぶつけていくことがテーマになるんじゃないですかね。それが出来たら良い結果が付いてくると思いますし、お客さんにも喜ばれるような試合が出来ると思いますので。だから全力の僕をぶつけるってことですね。




わかりました。では、ちょっと話題を変えて。今考えていらっしゃる来年の展望のようなものがあれば教えて下さい。
志田幹:ん〜、こういう選手と闘いたいなっていうより、僕のファイトスタイルをよりキッチリ固めて、もっとレベルの高い選手たちと闘えるような自分を創っていきたいので、寝技も打撃もレスリングも、全てにおいてもっともっとレベルを上げていきたいなって思ってますね。それが出来ればもっと楽しい試合が出来るんじゃないかって思います。

展望の中に前田選手との再戦は入ってますよね?
志田幹:吉朗君は一番初めに倒したいですね。はい(笑)。

フェザー級のベルトっていうことに関してはいかがですか?
志田幹:ベルトが出来るのであれば、是非それは獲りたいですね。ベルトを獲って、パンクラス・フェザー級のトップだよっていうのを持って、他のところの選手と闘っていければ最高かなって思います。

ある意味パンクラスを背負って闘うことになりますけど。
志田幹:そうですね。背負って闘えたら良いなって思いますね。

初代王者っていうのにはやっぱり拘ります?
志田幹:ん〜、時間があればそんなに初代には拘らないですけど、あんまり時間がないので(苦笑)、結果的に初代を獲らざるを得ないのかなって気はしてますね。初代を獲らないと逆にチャンスがないかも知れないので、初代を獲れるように頑張りたいと思います。

わかりました。では、これで最後です。今回の志田選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そして志田選手を応援していらっしゃるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
志田幹:あの〜、またちょっと、大変残念なことに第1試合なんですけど、第1試合から観に来て良かったって思えるような試合をしますので、必ず倒す試合をやります。是非応援して下さい。よろしくお願いします。

志田幹選手database