第1試合 ウェルター級戦 5分2ラウンド

石毛大蔵
(SKアブソリュート)

長岡弘樹
(総合格闘技道場DOBUITA)
2R 5分00秒、判定/3-0
判定:岡本浩稔(20-18)梅木良則(20-19)廣戸聡一(20-19)
■石毛大蔵(74.1kg) セコンド:松本天心
■長岡弘樹(74.7kg)
レフェリー:大藪吉郁

 気付けば長岡選手もパンクラスマットでのキャリアは長く、パンクラスのウェルター級を代表する選手だと思います。対して勢い付いている石毛選手。この両選手の試合でした。1ラウンド序盤はお互い見合っての展開でしたが、具体的な動きが出て来たのは石毛選手の強い打撃が長岡選手を捕らえ始めた頃からでした。そこから2ラウンドの最後まで、石毛選手の打撃で終始した印象でした。石毛選手はスタンドレスリングにしても、関節技にしても自信があるようで、ファイトスタイルの調和が取れていて良い選手だなと思います。未だ色々な意味で恐怖感等、自分の中に持ち得ていないですから、そういう意味では思い切りの良い試合をします。一方の長岡選手の良いところは、ガツガツと前へ出て行くところです。しかも以前の映像を良く見ていただければわかりますが、1歩で入って行ってはいけない選手です。細かく繋ぎながら、相手を追いかけて闘わなくてはいけない選手で、小刻みに動くタイプの選手です。それがここ数試合、大股で大きく1歩で入って行こうとする試合になっています。細かく中に入ってこそ長岡選手らしいテクニカルな動きになるのですが、今はシンプル過ぎて、構え自体も変わってきていて、パンチを見切る為に本来の自分の形を崩してる様な気がします。結果、大きく踏み込みながら自分が出て行きますが、自分のパンチが届き難く、打ち終わった後に自分の正面が相手の正面に残ってしまうところに、打ち合いでリスクを背負ってしまうのが、ここ数試合、長岡選手に見て取れるイメージです。ですからもう一度、スタンドレスリングで自分の形を思い浮かべて、以前の形に戻してくれると良いと思います。スタンドレスリングが一番安定する体重配分、構えのイメージが、長岡選手のスタンドの打撃のベースになる構えになると思います。まずそこの部分と、小さく小さく足を繋いで動いて行く、その2点を急いで直して欲しいと思います。打たれ強い長岡選手も、さすがに今回の様に打たれると、いつかダメージが出てしまいます。石毛選手は中盤危ないところもありましたが、持ち前の強いハートで跳ね返しての判定勝ちで、負けは無しとなりました。そうすると次のチャンスがやって来ると思いますから、次の大きなチャンスに石毛大蔵ここにありという、そんな試合を期待しています。石毛大蔵。凄く楽しみな選手です。

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