パンクラスの前大会、6月5日(日)のゴールドジム・サウス東京アネックス大会で、9ヶ月ぶりの復帰戦に臨み、見事なTKO勝利を飾ったWINDY選手。初のパンクラスマット、そして初の【パンクラス アテナ】になった一戦でしたが、そのvsバッカス羽鳥(Bbdoll)戦を振り返って、今はどのような感想をお持ちですか?
WINDY智美:ん〜、やっぱり私は打撃で倒したいって思ってたので、その部分は観てもらえたかなっていうのはありますけど・・・まぁ、欲を言えば1ラウンドで倒せてたので、反省点もすごくいっぱいあった試合なんですよね。だから・・・嬉しかったり、反省点があったり、色んな事があった一戦だったと思います。復帰出来た事は本当に嬉しいし、でもやっぱり嬉しいだけじゃなく、今は遅れを取り戻している状態なので、「それどころじゃないよ」っていうのもあるし。1ラウンドで倒せたのに、2ラウンドまで持ち込んじゃってっていう反省点もあったりとか。ホント徐々にですね。最初は嬉しいっていう気持ちの方が大きくて、そこは素直になっても良いかなっていうのがあったんですよね。復帰出来て本当に嬉しかったし、周りのみんなも待っててくれたと思いますので。

復帰戦という事での緊張はありました?
WINDY智美:緊張しました(笑)。何かみんな話しかけられなかったみたいですね。でも、多分、私より周りの方がもっと緊張したと思います。セコンドに付いてもらった伊藤(崇文)さんとか、中島先生(※中島貴志氏:AJジム・チーフトレーナー)とかの方がもっと緊張してたんじゃないかなって思いますね(笑)。

その緊張が試合に影響した部分ってありますか?
WINDY智美:良い意味で影響しましたね。何かもう、ひたすら前に出て行くだけだった・・・素人みたいなんですけど(苦笑)、でも大事な事でもあると思うんですよ。やっぱり技術だけじゃなく、倒すって事が全面に出ていく試合っていうのは。だから結構影響しましたね。本当に集中してたんですよね。倒す事に。もう、目の前のものを本当に倒すというか。それが緊張から結構きてたんだと思いますけど。ああいうのはホント久し振りでした。自分の中で。

満足度で言うと、どれくらいでしょうか?
WINDY智美:50ですね。満足したいけどしちゃいけないっていうので半々ですよね。ここで満足してたらやっぱり ダメなので。もっと上をドンドン見ていかなきゃいけないので。だから50ですね(苦笑)。多いかな 〜? 50でも多いかも知れない(笑)。

『格闘技通信』さんでも、あの大会の中では一番大きく取り上げられた試合だったんですけど、試合後の周りの皆さんの反応はいかがでした?
WINDY智美:やっぱり「凄かった」って言われましたね。男の人の試合の中だったんですけど、その中の一つとして観てもらえたと思いました。みんなもそう言ってくれたので。女子の試合って事じゃなくて、男性、女性関係なく、一つの流れの中で。「良い試合だった」、「盛り上がった」ってみんなから言ってもらえましたけど。『格通』も見て嬉しかったですね。あんなに大きく自分が載せてもらえて、まさかこんなに?みたいな(笑)。「女だから」っていうのが自分の中に少しあって、やっぱり男の人の試合の中だと、どうしても下の方でやらなきゃいけないかなって。順序的に日本ではまだそうなってるっていうか・・・。だから嬉しかったですね。そういう見方で観てもらえた事が。

対戦相手のバッカス選手が鼻から大出血するほどの本当に壮絶な打撃戦でしたが、WINDY選手ご自身のダメージはいかがですか?
WINDY智美:無いですね。全く。無傷ですね。

すごい数のパンチを当ててましたけど、拳の方は?
WINDY智美:全然ですね。あの〜、テーピングも巻かなかったし、拳が強いんですよ、私。拳は一度もケガをした事がないし、空手をやっていたので結構手首も鍛えてるんですね。だから全然ダメージはないです。脛も大丈夫でしたね。脛、硬いんですよ(笑)。相手のパンチはジャブ程度のものしか(自分に)当たってないので、本当に何も無かったです。練習の方がキツイですね(笑)。

勝利の美酒に酔う機会はあったのでしょうか?(笑)。
WINDY智美:え〜(笑)、うちのAJジムは、試合後1週間は飲んじゃいけないので(笑)、1週間はひかえました。決まりですから。

それを過ぎた後は?
WINDY智美:行きましたよ〜、ガンガン(笑)。それまでちょっと待ってもらったので、その後のスケジュールは・・・(笑)。




わかりました(笑)。では、次の試合が7月10日(日)の横浜文化体育館大会に決まりました。中一月という、本当に短い期間での試合になりますが、調整期間が短いという事で、出場にあたって迷いはありませんでした?
WINDY智美:いや、全然迷わないですね。「迷う必要がないでしょ」って感じですけどね。先ずそういう理由がないですから。

それはやっぱり「試合をしたい」っていう気持ちが強かった?
WINDY智美:ん〜、プロとしていつでも試合が出来るっていうのは当然かなって思うんですよね。そういうのって、私は結構やり始めた頃からあったんですよね。元々女子の試合ってそうそうなかったので、いつでも試合が出来る練習とかをしておかなきゃいけないって言われて、それでずっとやってきてて。だからそういうのは全然大丈夫ですね。一月二月練習や調整に時間がないとダメっていう選手とは私は違うので。自信があるっていうのもあるとは思いますけど。自分に。

では、今回の対戦相手に決まったのが禅道会に所属する瀧本美咲選手ですが、瀧本選手の試合映像はご覧になりました?
WINDY智美:ほとんど見ましたね。この頃はちゃんと研究することにしたので。

瀧本選手にはどのような印象をお持ちですか?
WINDY智美:打撃も出来るし寝技も出来るし。まぁ、強いんじゃないですかね。みんなも「強い」って言ってるので。

特にこの辺を気を付けようというのはありますか?
WINDY智美:ん〜、多分倒しに来ると思うので、その辺をちょっと気を付けたいですね。そういうところにはあまり付き合いたくないので、付き合わないようにしたいなって。組んだりとか。やっぱり打撃戦にもっていくには、組んでるとモタモタしちゃうじゃないですか。倒す倒されないっていう攻防になっちゃうので。だからなるべくそういう攻防にならないように、自分の打撃の距離で闘っていきたいなって。

今回は横浜文化体育館という大きな会場でのオープニングマッチになりますが、その辺は意識しますか?
WINDY智美:ん〜、意識してますね(笑)。

敢えて?
WINDY智美:意識してますよ。はい(笑)。いや〜、でもビックリしましたから。最初。まさかと思ったので。大体のカードがもう決まっていて、そこにまさか自分が入るとは思ってなかったですから。でも嬉しいですよ(笑)。緊張もしてますね。大きな会場なので。

それはご自分の中でエネルギーになりそうですか?
WINDY智美:なりますね。爆発すると思いますね(笑)。私は結構爆発しちゃうタイプなので、ちゃんとセコンドの言う事を聞くように(笑)、そこが注意しないといけない事かも知れない(笑)。そのうち誰も付いてくれなくなっちゃうかも知れないので(笑)。ちゃんと爆発もしますけど、ちゃんと耳を傾けて爆発しようかなって(笑)。

・・・(笑)。では、今回の試合で、WINDY選手が一番大切にしたい事ってどんな事でしょうか?
WINDY智美:ん〜、やっぱり大きな舞台なので、自分が持っている打撃というものを、本当に見せていけたらなって思うんですよね。相手の良いところを見せないみたいな。もう、一方的に。そういう闘いに今回はしたいですね。今回っていうか、ずっと。「危ない」って言われても相手の懐に入って行きたいし、「組みたくない」って言っても待ってちゃ意味がないので、自分から絶対前に、プレッシャーをかけていくつもりなので。そういうところも観てもらいたいし、私は敢えて危ないところに行くのが好きなので。はい。そうしないとやっぱり面白くないと思うんですよね。待ってたりとか、相手を捌いてとか、切ってとか。そういうのじゃなくて、私は入って行きます。相手の懐に。




わかりました。では、ちょっとWINDY選手個人の事からは話題が離れてしまいますが、昨年12月の後楽園ホール大会からスタートした【パンクラス アテナ】についてうかがいたいと思います。始まってから既に半年が経ち、これまで何戦か重ねてきましたけど、絶対的な強さ、存在感で魅せる、いわゆる“エース”的な選手がまだ現れていない状況にあると思います。そういう中で、パンクラスismに所属するWINDY選手への期待は大きいと思いますが、WINDY選手には【パンクラス アテナ】をこういったものにしていきたいというような、何か思い描いている事などはありますか?
WINDY智美:ん〜、やっぱり一人じゃ築けないかなっていうのがあるんですよね。パンクラスもみんなで築き上げてきた訳じゃないですか。みんなで歴史を創ってきてるから。だから、先ず私は背負いたいと思いますけど、付いて来てくれる人たちも欲しいかなってなるんですよね。P'sLABの人たちだったり、稲垣組にもいますよね。その娘たちが本当に付いて来て、それでみんなで歴史を創っていきたいなって思ってます。やっぱり一人だと限度があるじゃないですか。【アテナ】=WINDY智美じゃなく、【アテナ】=パンクラスみたいな。「パンクラスは強い」ってみんなが言ってくれるように。だからみんなでそれを意識して創っていきたいんですよね。でも、みんながどう思っているのかな?っていうのは正直ありますけど・・・。ただ試合に出るっていう事ではなくて、パンクラスというものをみんなが背負って出てくれたら、それは凄いものになっていくんじゃないかなって思いますよね。

女子の選手の皆さんで創っていく【パンクラス アテナ】の歴史の中で、WINDY選手は“クイーン”を目指しますか?
WINDY智美:もちろん! もちろん目指しますよ(笑)。みんなが“クイーン”を目指して闘えるならそれも面白いなって思いますけど・・・でも譲らないですけどね。やっぱり一番になりたいので。キックも総合も。それに関しては、築き上げていく中でも私は譲るつもりはないです。

わかりました。では、またちょっと話題を変えて、WINDY選手個人の話に戻りますが、今後のご自分の格闘技ロードに関してはどのように考えていますか?
WINDY智美:ん〜、キックも総合も、「世界で一番強い」と言われたいですね。それがどんな目安で言われるのかはわからないですけど、「あいつより強いヤツはこの世にいないだろう」みたいな、そういう存在になりたいです。それに向かって私は生きます。はい。

では、これで最後です。今回のWINDY選手の試合を楽しみにしている皆さん、そしてWINDY選手を応援しているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
WINDY智美:そうですね・・・私の場合は倒さないといけないって思っているので、ホントその倒すところを見逃さないで欲しいですね。しっかり目を開けて観ておいて下さい。何で倒すかはわからないですけど、私はスピードがあると思っているので、コンビネーションのスピードだったり。あとは倒す瞬間ですね。そういう打撃の凄さを観てもらいたいなって思います。

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