志田幹:今日は何を話せばいいですか。大会当日のパンフインタビューでもしゃべったんで、あんまりしゃべる事がないんですよね(笑)。あっ、いいネタが一個あるんですよ!今度(前田)吉朗が対戦する相手いるじゃないですか、コリン・マンサー。吉朗って小倉優子が好きなんですけど、その小倉優子が今回こりん星からコリン・マンサーという刺客を差しむけたんですよ。これは、かなりの強敵だと思いますよ、ムフフフフ。

・・・。というわけで、インタビューを始めさせて頂いてよろしいでしょうか(笑)。今回の試合は、昨年12月後楽園ホールでのvs山本篤戦(ヒザ蹴りによるKO勝ち)以来の復帰戦となるわけですが、 結構時間はたちましたが前回の試合を振り返っていただけますか。パンクラスフェザー級戦線において、志田選手と山本選手の試合は、前田吉朗の首を狙う二人によるフェザー級No.2決定戦という図式の試合でした。
志田幹:まあ格闘技の世界は結果を残した者勝ちなんで、実力はどうあれ僕が勝ちましたんで、僕がNo.2ってことになっちゃいましたね(笑)。

実際対戦してみての印象はいかがでしたか。内容的には志田強しという印象を与えた試合だったと思うのですが。
志田幹:いやいやいや、結構僕の中では接戦でしたし、最後のヒザ蹴りが当たったのも、まあ打撃で打ち合っていたら当たることもありますし、その当たったのがたまたま強いのだっただけですね。山本選手のいいパンチも結構もらいましたし、本当に強い選手だと思いますね。次対戦したら、どうなるかわからないですよ。基本的に誰と対戦しても、絶対に勝てるという自信はないんですけど、山本選手は全然強いと思いますね。

その実力者の山本選手にきっちりと勝てたというのは、志田選手にとって獲るものが大きかったんじゃないですか。
志田幹:まあこの世界結果がすべてなんで、大きかったですね。

今回の試合は、練習中のケガ(眼窩底骨折)があって、前回の試合からかなり時間が空いてしまったんですが、その期間に何か格闘家として考えられたこと、感じられたことはありましたか。
志田幹:う〜ん・・・、「世の中はままならないな、思う通りにはいかないな・・・」と思いましたね。うまくいかないっすね、本当に。だから、1試合1試合、ひとつひとつ心をこめて、誠心誠意をこめながら試合をこなしていかないと、何が起こるかわからないと痛感しましたね。去年の7月に仕事辞めてからも、1試合1試合大切にやってきたんですけど、さらにケガをしてほんとに1試合1試合が大切だなって感じましたね。試合ができるっていうのは、本当にチャンスなんだなって思いますね。

試合のあるなしによって、練習の力の入り具合が変わってきたりするものですか。
志田幹:それは変わんないですね。僕は格闘技のプロとして練習しているんで、試合のあるなしによって練習の質が変わるっていうのはないですね。

では、今回対戦相手となるイヴァン・メンジヴァー選手についてお聞きしたいのですが、今回初めて外国人選手との対戦となります。初外国人選手ということで、何か気になる点はありますか。
志田幹:外国人だからっていうのは、あんまり関係ないですね、多分。リングに上がってみて、「おぉ〜!」って思うかもしれないですけど(笑)。まあ今は、特にないですね。

メンジヴァー選手にはどのような印象をお持ちですか。ムエタイ、レスリング、柔術の格闘技キャリアがあり、マット・セラやビトー“シャオリン”ヒベイロという強豪との対戦経験をもつ選手ですが。
志田幹:試合の映像がないんで、何とも言えないんですけど、戦績だけ見たら僕より全然闘ってるし、戦績も非常にいい選手なんで、印象としては相当強いのであろう・・・という感じですね。

志田選手は、映像があれば対戦相手の試合を観て研究をされるんですか。
志田幹:あったら、もうそれしか観ないですね。今も30秒のダイジェストの映像はあるんで、ずっと繰り返し観てますね。相手の癖とかどんな技使うのかとか知っておきたいですし。

今回は復帰戦という意味合いを持つ試合となりますが、志田選手の中で今回の試合に臨むにあたってのテーマは何かありますか。
志田幹:半年ぶりっちゃ半年ぶりなんで、半年前の試合勘を忘れてなければいいなっていうのはありますよね。試合勘がどうかなっていうのは、ちょっと不安があるのはあります。でもまあ、前の試合のようにできるだろうなとは思ってるんですけど、やってみたら「あれっ?」みたいなね(笑)。半年も空いちゃってるんで、その心理状態に切り替わらなかったら、どうなのかなっていうのはあります。でもリングに上がったら、スイッチが切り替わるんじゃないかと思うんですけどね。まあ練習の中では、厳しい練習をしてきたんで、心配ないとは思うんですけど・・・でも試合とは感覚が違うっちゃ違いますからね。

今回具体的にこういう試合をしたい、こういう点をアピールしたいというのはありますか。
志田幹:なんて言うんですかね・・・相手がひるんだ時とか、隙をみせた時にすぐにこちらからバチン!としとめるみたいな。躊躇しないっていうんですかね、試合をしててよくあるのが、攻撃をためらったりしちゃうこととかもあるんですよ。自分の防御っていうのも非常に重要なんで。守りたい意識が強すぎて、相手が隙をみせているのに、攻撃できなかったりとか。そういうのを逃さないで、緊迫感のあるビシバシした試合をしたいですね。

今回志田選手の試合はセミファイナルで組まれていますが、それについて意識されることはございますか。仕事を辞められて格闘技一本に絞った成果というか、そのプロ格闘家志田幹が評価されての結果だと思いますが。
志田幹:う〜ん、そうですね・・・今回ポスターに載ってる僕と吉朗と矢野(卓見)さんの3人の中で、僕が一番最初に試合するかなって思ってたんですよ。その中でセミに試合が組まれたっていうのは、「評価が上がったんだな」ってしみじみと思いましたね。ただ確かに世間の評価が上がるっていうのは、凄くプロとして大事なんですけど、僕たち競技者的には目の前の1試合1試合が凄く大事なんで、試合順が上がって評価が上がったっていうのは、凄く嬉しいんですけど・・・確かに目標には近づいてるんですけど、試合を盛り上げないといけない点では、第1試合だろうがセミだろうがいい試合をしないといけないことに変わりないんで。結局何試合目だろうが、そういう意味ではプレッシャーは変わらないですね(笑)。

今大会は前田吉朗選手がメインイベントで登場しますが、それについて何か意識されることはございますか。
志田幹:やっぱこりん星の使者がねぇ、やってきますからねぇ、ムフフフフ。

・・・。う〜ん(苦笑)。
志田幹:すいません(笑)。まあやっぱり、ポスターに出てる3人がみんな勝てればいいと正直思ってますね。今回興行的に吉朗と僕と矢野さんを全面的に出してもらってるんで、その3人がきっちり勝ったらいいなと思いますね。ただ、こりん星の使者はかなり強敵だと思うんですけど、ムフフフフ。

・・・。その前田選手についてですが、昨年12月の後楽園ホールで志田選手がマイクで対戦をせまったわけですが、その気持ちは今も変わりはないですよね。
志田幹:僕はもういつでもOKです。

以前お話をお聞きした時は、前田選手と次対戦すれば勝つ自信があるとおっしゃってましたが。
志田幹:当然じゃないですか。勝てる自信はあります!って、まあ決まってないから言いますけど(笑)。でも負けるつもりはないですよ。やっぱり一回負けてるのは悔しいので、きっちり借りは返したいですね。

前田吉朗にこだわるのは、どういうところですか。前田選手は、現在パンクラスマットで12戦無敗と軽量級不動のエースで、『PRIDE 武士道』にも参戦し、ネームバリューもどんどん上がってきてます。今パンクラスフェザー級の中で、一番強い選手と対戦したいのか、それとも前田選手に負けてるから借りを返したいのかというと。
志田幹:負けてるからやりたいんです、単純に。やっぱりプロで負けた奴にはきっちり借りを返さないといけないですから。別に名前が売れてるからとかそういう話ではないですね。僕がどれだけ有名になろうが、彼がどれだけ有名になろうが、闘いたいですね。で、リベンジをして終わりにしましょう(笑)。でも2連敗しちゃったらキツイですね(苦笑)。

では最後に、7月31日後楽園ホールvsイヴァン・メンジヴァー戦にむけての意気込みをお願いします。
志田幹:そうですね・・・。いつもは試合会場の暖め役として機能してたんですけど、今回はセミファイナルということで熱中症の人がですぎないように・・・僕の試合が熱くなりすぎて、熱中症の人が出てしまうかもしれませんので、水をたくさん持ってきて下さい(笑)。でもさっきも言いましたけど、ポスターの3人がみんな勝ちたいっていうのと、でもやっぱり一番面白いのは、俺の試合みたいなね。吉朗なんか早い試合しそうじゃないですか。「あっ」って言ってたら終わっちゃってそうじゃないですか。矢野さんもよくわかんない感じで、急に(関節技を)極めて終わっちゃったりするわけですよ。で、僕は一番ドロドロした感じで(笑)。一番削り合いの試合になるわけですよ。で、お客さんが満足できる濃い熱い試合をするので、是非水はたくさん持ってきて下さい(笑)。

志田幹選手database