第5試合 ミドル級戦 5分2ラウンド
佐藤光留
(パンクラスism)
vs ランキング7位
花澤大介13×
(総合格闘技道場コブラ会)
2R 2:01、ギブアップ/アンクルホールド
■ 佐藤光留(81.9kg) セコンド:渡辺大介、川村亮
■ 花澤大介13(81.2kg) セコンド:三島☆ド根性ノ助
レフェリー:小菅賢次

もう一つの、今大会楽しみにしていた試合です。ひとつには花澤選手のファインティングスタイルを気に入っている事と、もうひとつには、佐藤選手が無差別級を経験し続けて来て、ここで本来のクラスに戻して来て、ある種、武者修行がどの様にだすのだろうというのが佐藤選手に対する楽しみな部分でした。
そして佐藤選手は裸足で入場したのを見て、ははあと思いました。キック等の足技なんかの事もあるのでしょうけれども、これは一本取れに行く為にそうしたんだなと感じました。頭の中のレスラーから、現実のリアルプロレスラーに一歩近づいたのだと思います。何かを捨てられた、または変えた、新鮮にした、それで武者修行の価値があります。無差別級で自分の体重より大分思い選手と試合をするのはかなり大変な事です。
今迄佐藤選手は、パンチにしてもキックにしても、触られたくない、当てられたくないという、たいへん無駄な動きが多かったです。それが、大きな選手と試合をする事で、逃げ切れないという事がわかり、きちんと構え、守り、当てられる分には、こんなに重量のある人達のパンチでも何とかなるんだなという事を感じたのだと思います。一発くらっても、一太刀、二太刀返すんだというところでの、よりアグレッシブな状態に衣変え出来た事が、無差別級で試合をして来た一つの成果だと思います。
花澤選手もクラスを変え、本来試合をし易い体重だと思うのですがミドル級に移り、益々フィジカルな部分を伸ばせました。コブラ会の選手達は、本当に見る度に体がより良くなっていますが、それだけやはり練習をしているんだなと思いますし、コブラ会の選手は大好きです。コブラ会、稲垣組というのはリーダーの姿勢がそのままきちんと出ていて大変好感がありますし、大阪の試合は楽しみです。純粋で、こざかしいものがありません。
花澤選手はどんどん前に出て、直ぐにテイクダウンを取り、足のフックの仕方、立合いも、どんどん上手くなっています。足のフックの位置、手の位置も、理にかなっていて、凄く上手くなっています。良い体勢でテイクダウンを奪うので、そのまま有利な展開のグラウンドに入り、理想的だったと思います。

但し、この試合で今迄と一つだけ違う佐藤光留がいました。それはスタンドレスリングで、変に拘らなかった事で、無理矢理立とうとしたり切りに行かないで、相手の攻撃に身を任せつつ、微妙に動きながら、下から取り返していきました。これは重い選手が上になっているときに、下からの展開を練習し続けて来た結果です。ですから、同重量の選手であれば、細かいポジショニングで調節して、一本をどこからでも取りに行こうという姿勢が強くなると思いますし、実際佐藤選手はたいへん上手く動けていたと思います。花澤選手はパウンドをしているのですが、映像を見ていただければお分かりいただけますが、佐藤選手は微妙に当てさせています。しかも直ぐに腕を、足を取り、執拗に一本を決めに行きました。最終的に花澤選手はそれで自分の展開は取りつつも、一本まで持ち込めなかった要因だと思います。1ラウンドの終盤程から、佐藤選手が執拗にアンクルを狙いだしました。それも、花澤選手のポジションから、佐藤選手のポジションに移行しつつ、アンクルを取りに行きました。そこのところでも裸足の自分に、はっきりピントが合ったのだと思います。
2ラウンド、1ラウンドで佐藤選手は何が違ったかと言えば、両足のフックをきちんと取り、コントロールしつつ一本取りました。きつい形で決まったと思いますから、花澤選手の足首のダメージが気になるところです。
それにしても両選手良く動き、お互い終始一本狙っていたプロらしい試合だったし、期待通りの展開を見せてくれました。たいへん楽しめた一戦です。

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