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第3試合 ウェルター級戦 5分2ラウンド
本田朝樹
(パンクラスP's LAB横浜)
本田朝樹 vs 坂口征夫 坂口征夫×
(TEAM坂口道場)
1R 0:52、ギブアップ/ヒールホールド
■ 本田朝樹(74.8kg) セコンド:
■ 坂口征夫(74.5kg) セコンド:松田恵理也、窪田幸生
レフェリー:梅木良則
勝利おめでとうございます。
本田朝樹:勝ったのかなあ…倒れたから、喧嘩するって言って、喧嘩じゃ負けッスよね、アレ。向こうの勝ちですよね。喧嘩だったら。たまたま目の前に足があったから取れましたけど。初めて、練習も含めて初めて、フラッシュダウンってしました。今までああいうダウンって一回もしたことなかったんですけど。やっぱり喧嘩強いですね。あの人。荒鷲の魂を感じました。プロレスラーの遺伝子を。

一瞬こう…。
本田朝樹:いや、なんか目の前が真っ暗っていうか、テレビのチャンネルを変えたみたいに、気づいたら征夫さんが目の前にいて、足があったんですよ。アレはパンクラスで養ったものでしょうね。足関節を取りにいくっていうのは、考えて行動していなかったですね。

自然に?
本田朝樹:自然に。目の前に足があったんで捻ってやろうって。血も出てた…自分でよくわかんなかったんですけど、血もついていたから、血も出ているから止められちゃうかなとかっていう心配もあったので、早めに勝負を決めないと…。短い間でしたけど、なんて言うのかな…充実していたような…。

時間が引き延ばされたような?
本田朝樹:引き延ばされたっていう感じっていうよりは、夢の中でやっていたような。今日はたくさん応援も来てくれて、変な言い方ですけど100枚くらいチケットを売ったりして、今回凄い皆観に来てくれて、応援してくれて。それでもう…感無量ですね、今日は。まして、坂口さんはスターじゃないですか。マスコミの扱いが、ですよ。本人はその気がなくて、一からやろうとする、そんな人がわざわざ…別に僕じゃなくて色々なところからオファーがあるのに指名をしてくれて、こうやって戦ってくれて、真正面から来てくれて…ああいう人っているんだなぁって…嬉しかったです。ああいう人間に出会えたことが嬉しかったですね。

それは戦う前からそういう気持ち?
本田朝樹:もちろん押し殺していましたけどね。そんなのは。もうリングに上がったら、パンクラスのマットはそういう感情は関係ない、あそこのマットはやるか、やられるかなんですよ。あそこに上がったら関係ない、リングの中に入ったらそういうの一切なかったし。思いっきり睨まれてはっきり言ってムカつきましたから。だから今日は、ホントだったらもっとローキックからとか色々考えていたんですよ。全然ビデオとかも観てて、そうすればいけるんじゃないかって思っていたんですけど、向こうの土俵で勝負したくなっちゃって、突っ込んでいっちゃいました。どうせ向こうはヒザで来るんだろう、って。じゃ、こっちがそれで対抗してやるよって思ったら、やられちゃいましたね。そこの部分では。

敢えて向こうの土俵でいった?
本田朝樹:はい。向こうももう真正面から喧嘩っていうか、仕掛けてきたので、そんなのに駆け引きはいらないと思ったので。本来だったら、最後の足も…ホントだったら最後の足もしばきあって倒れたら負け。だから喧嘩だったら僕の負けですよね。倒れているから。だけど、レフェリーがまだあの時点では止めていなかったので、目の前に足があったので、パンクラスでやってきたっていう自負も込めてヒールホールドで足をブチ壊してやろうと思って。取りにいきました。

気持ちの面はお互い、坂口選手も感じていた?
本田朝樹:と思います。目が怖かったです。あんな、坂口選手の目は初めて見ましたね。っていうか、今までやってきた選手よりも目つきがちょっと違いますよね。なんか、人生の重さを感じました。あの目の中に。坂口選手はやっぱり色んな選手を見てきているわけじゃないですか。新日本プロレスの選手とか。戦いっていう部分をよくわかっている目っていうか。僕なりにですが、そういう解釈をしました。

今後はそういう気持ちのできる相手と巡り合っていきたい?
本田朝樹:そうですね。ただ、そうだからって言って相手の土俵に乗って全部やっちゃったら今日みたいに倒れちゃいますからね。だから、ちゃんとルールに則ってそれなりのやりかたでやっていかなと。今日もたまたま勝ったとしか思っていないので。ちゃんと、気持ち以上に練習したことを出せるように体に覚え込ませたいですよ。今日は気持ちだけでいっちゃったんで。今日もね、周りの声がわーわーね、「征夫、ブチ殺せ!」とかあったじゃないですか(笑)。そういう声に乗せられちゃったっていうか。今日は観客に作られちゃいました。

今後の目標は?
本田朝樹:まあ、一戦一戦やっていくだけですよ。一戦一勝ですね。観に来てくれたお客さんのためっていうか、僕は今日みたいに満員になってくれると凄い嬉しいので。最近後楽園とかガラガラとかあるじゃないですか。だから、こうやって満員になってくれると凄いやる気が出るし。満員にして、皆でワッと一体感でやっていくのがパンクラスのマットだと思いますので。だから、今日はそういう意味では凄いいっぱい満員になってくれたし、そうやってぶつかり合えたし、今日は生きててよかったですね。産んでくれた母に感謝します。

何か、言い残したことは?
本田朝樹:こないだ、梁選手と試合をした3日後に母が亡くなっちゃって。戦うね、気力が…何て言うんですかね…気持ちとかがね、無くなってしまっていたんで。そこで征夫さんがこうやってね、やりたいって言ってきてくれたんで。それでまた火が点く事ができました。だから、本当にあの人がいてくれてよかったなって。

変な言い方ですが、いい報告ができそうですね。
本田朝樹:そうですね、はい。やっぱり、個人的なことをリングのマイクで言いたくはなかったんですけど、言わずにはちょっといられなかったんで。今日来てくれた皆と、征夫さんに本当に感謝したいです。ありがとうございました。