第8回『Monthly interview』にご登場いただくのは、GRABAKAの“ヒットマン"こと三崎和雄選手。昨年はパンクラス10周年記念興行第1弾(8月)、第2弾(11月)と二度の両国国技館大会に出場し、世界の強豪と称される選手たちと死闘を展開。そして今年2月の後楽園ホール大会では、パンクラスismの現道場長であり、第2代ミドル級王者の國奥麒樹真選手を見事TKOで破るなど、その活躍が目ざましい三崎選手に、プロデビューから現在に至るまでを熱く語ってもらいました。


三崎選手は、その風貌、リング上でのオーラなどから、既にかなりのキャリアを持った選手のように見えてしまいますが、実はプロデビューが2001年7月の『NEO BLOOD TOURNAMENT』ですから、実はキャリアはまだ2年7ヶ月の選手なんですよね(笑)。
三崎和雄:そうですね(笑)。ん〜、まだ3年経ってないですね。

そこで先ずはプロデビューを果たした2001年から、2002年、2003年と、各年ごとの印象に残った試合とその理由、それとその年を三崎選手ご自身にまとめていただこうと思います。
三崎和雄:はい。

では、先ずはプロデビューした2001年。プロデビューということでは、この年の7月・後楽園ホールで行われた『NEO BLOOD TOURNAMENT』一回戦(VS佐藤光留戦)がそれにあたりますけど、パンクラスのリングに上がったのはその2ヶ月前に行われ『NEO BLOOD TOURNAMENT』予選(5月・大田区体育館 VS芹澤健市戦)になります。この予選での1試合を含めて、2001年は6戦して5勝1敗という素晴らしい戦績を残していて、更に『NEO BLOOD TOURNAMENT』優勝も果たしました。プロ格闘家・三崎和雄が誕生したこの年、ご本人の中で最も印象に残っている試合って何ですか?
三崎和雄:ん〜、印象深かったのはやっぱりこの一番最初の試合ですかね。大田区体育館。芹澤選手ですね。判定で勝利したにも関わらず、顔は完全に負けた顔をしてましたので(※激しい打撃戦の末に顔が腫れ上がった)。やっぱり初めての顔面打撃ありのルールですか? グラウンドでもパンチがあってっていうのをやって・・・。


このVS芹澤戦が総合デビュー?
三崎和雄:そうですね。あ〜、いや、アマチュアでの試合、まぁ、プロアマオープンみたいな試合はあったんですけど、それはもちろんグラウンドでのパンチはなかったですし。まぁ、スタンドでの打撃はありでしたけど。そういうものだったので・・・ん〜、何て言うんですかね? 本当の公式戦っていうのももちろん初めてですし。ん〜、だからそれが印象深いですかね。

芹澤選手との試合はすごい殴り合いだったんですよね。私も強烈に印象に残ってます。
三崎和雄:そうですか。やっぱりこの試合も意地ですよね。こう、田舎で練習してて、田舎のみんなも応援してくれてるし、自分自身もここで勝たなきゃこの世界では生きていけないなっていう意地があったので、もうどんなことがあっても倒れない、ギブアップしないっていう気持ちがあって。前に出るっていうことしか頭になかったんで、だからおそらく殴り合いになったんですよね。はい。

この年って、今お話しいただいた『ネオ・ブラ』予選の試合があって、その後『ネオ・ブラ』本戦で優勝して、年末には初のVS外国人選手、VSクリス・ライトル戦(12月・横浜文化体育館)というのも経験してますけど、そういういろいろな試合を経験した中でも、やっぱり一番印象深いのはこのVS芹澤戦ですか?
三崎和雄:そうですね・・・。ん〜、これが一番ですね。もう、この本戦、『ネオ・ブラッド』は、勝って当たり前っていうのがありましたし、あと自分の中で、もちろん田舎では練習してましたけど、この頃はもう菊田(早苗)さんのGRABAKAでも練習してて、菊田さんをはじめとする強い人と練習してて、もう相当な自信も付いて、勝って当たり前っていう覚悟でいましたね。だからこれは楽しんでできましたね。その中でも1回戦が一番自分にはプレッシャーがあったと思いますね。GRABAKA VSパンクラスみたいな、対抗意識って言うか、元々柔道とかで団体戦とかをずっとやってたんで、負けられないっていう意識がありましたね。だからVS芹澤戦に続き、どんなことをしても、この1回戦で力を出し尽くしてもっていう思いで潰しにかかりましたね。

あの〜、初っ端からGRBAKAという名前、所属だったじゃないですか。GRABAKAっていう名前のプレッシャーはなかったですか?
三崎和雄:それが一番大きかったですね。やっぱり背負うものが大きいって言うか。ん〜、GRABAKAっていう名前と、あと菊田さんっていうのがすごい大きかったですね。何だろうな? この人の下で修行をして、試合に出て、負けることは許されないって言うか・・・。恥をかかすわけにはいかないっていうんじゃないですけど、そういったのがあって。それでこの1回戦のVS佐藤戦は「絶対負けられないな」っていうのがすごいあったんですよ。で、1回戦はグラウンドでいこうってもちろん決めてて、そのグラウンドできっちり勝てて。もう2回戦と決勝は、郷野さんも「楽しんでやれ」ってリラックスさせてくれたので、すごい楽しんで。はい。楽しかったですね。

では、この年、2001年ですけど、プロデビューという大きな出来事があった年でしたが、三崎選手にとってはどのような一年だったのでしょう?
三崎和雄:そうですね〜。ん〜、新たな自分に生まれ変わった年ですかね。柔道をずっと続けてきて、社会人になって、何かこう心残りというか心苦しい部分があって、どこにもぶつけるものがなく、ただ漠然と走ったりトレーニングを始めたわけですけど・・・ホント何にもあてもなくただ漠然とトレーニングをしてたんですけど・・・遂にこの2001年に生まれかわたっと言うか、新しく再スタートを切った年ですね。はい。