今回は最初に選手の契約更改についてお話を聞かせて下さい。外から来る選手って言うのは、自分のネームバリューは自分で高めていくっていう感覚が強いと思うんですね。下手な試合をやったらもう呼んでもらえないって言うか。その点、パンクラスの選手は“パンクラス”という屋根に守られていると言うか、次も試合を組んでもらえるって言う甘えがあるような気がするんです。パンクラスが10年目を迎えて、改めてその辺りの契約はどうなっていくんでしょうか?
まさにその通りでね。どんな試合をしてもウチの選手だからって言うことで次も試合は組まれていくわけですよ。それが甘えにつながっているんじゃないかって見られてもおかしくない試合をしている選手はいると思いますよ。それじゃまずいでしょと。格闘技なんだから、プロなんだから、それを見せてお金をいただいている以上、そういう闘いが出来ない選手はウチには必要ないですよって事になりますね。

各選手ごとに契約の内容は違うと思いますが、パンクラスに籍を置きつつ他の団体で闘うっていうのは問題ないんですよね?
問題ないです。僕が全方位外交って言ってるのは、こっちに来てもらうだけじゃなくて、ウチの選手に闘う意思があればどこのリングにでも上がってもらって構いませんという事です。そこに歯止めはかけませんし、かける必要もないですしね。

実績を作るのは選手次第ということですよね。
今までもそうですけど、1試合1試合の試合結果や試合内容が、今まで以上にシビアに見られていくことになるでしょうね。良い方にも悪い方にも評価されて、それがある意味露骨に(契約に)表れていくと思いますよ。

実際にパンクラスを辞める選手、または籍はあるけど主戦場はパンクラス以外でという選手は選手は出てくるんでしょうか?
いると思いますよ。契約内容はそれぞれの選手に合わせて多種多様ですから。

年間の試合数っていうのは大体決まっているわけじゃないですか。実績を出している選手っていうのは試合を組まれるチャンスも増えますよね。
そうなりますね。実績を残している選手っていうのは楽な契約ではないですけど、収入にしても試合数にしても優遇された契約になります。そうでなければおかしいですからね。

では、試合内容が充実していない選手、もしくは負けが込んでいる選手っていうのはチャンスが減りますよね。となると先細りになっていきますよね。そういう選手はどうしたらいいんでしょうか?
それは仕方がないですよね。……もう、例えば昔の契約のように、1年間これだけの給料ですよと、何試合しても一緒ですよと、そういった契約ではないわけですよ。試合数が多い選手は当然収入も多くなる契約でないといけないわけですよ。だから3年前からそういった契約内容は徐々に変えていって、今はなくなりました。ただ契約内容に関して言えば色々な雛型というかテンプレートがありますから、それを元に選手それぞれに合わせて作って、お互いの納得がいくように話し合って決めています。それでも、特に今年の契約は実績に左右された内容になっていると思います。でも、もしかしたら来年はもっと厳しいかもしれないですね。