尾崎社長:まず最初にご報告差し上げたいのは、パンクラスは、韓国の『KBSスカイ』と、テレビ放送権に関しまして、独占放映権を結びました。放送は、来月・11月上旬からになります。現在、KBSスカイは、新聞や雑誌などで大々的にパンクラスの放送を告知してくれており、韓国国内での格闘技ファンは待ちわびていると現地から報告を受けています。KBSスカイは、皆さんご存知のように、KBSは韓国の3大ネットワークの1つで非常に大きな放送局ですが、そのチャンネルの1つ、KBSスカイで放送することになりました。KBSスカイはスポーツからドラマにいたるまでマルチチャンネルとして、エンターテインメント放送に特化しているチャンネルであると聞いています。
パンクラスでは、KBSスカイで放送されることを光栄であるとともに、これを機に、急激に格闘技熱が高まってきた韓国での総合格闘技の発展に貢献できればと思っております。放送の内容に関しましては、パンクラス旗揚げ、1993年度の試合から放送するということで、120本ぐらい、ちょっと大量ですけど、それを随時放送していくことになります。
続きまして、韓国でのパンクラスの活動に関してですが、パンクラスでは、7年前から韓国の選手を探し回ったり、韓国で何とか総合格闘技が普及しないかなと思ってやってまいりましたけれども、今年に入って、韓国は急激な発展を総合格闘技に関してなされております。そこで現在、有効にお話させていただいている韓国の関係者と、今後いい関係を持ちながら、韓国興行への日本人選手の参戦、韓国人選手の日本への参戦、道場設立、先々は、パンクラスの韓国での興行も見据えながら、積極的に韓国との交流を進めていきたいなと思っております。

そこで、ハー・スン・ジン選手ですが、韓国・ネオファイトのソウ社長との関係から、初めての交流として、韓国のプロ選手であるハー選手のパンクラス参戦が決定いたしました。
ハー選手は、180cm、93kgと大型ファイターで、韓国国内で将来を嘱望されている選手であります。なお、ハー選手はこの試合(10/31後楽園ホール)後、パンクラスに長期留学という形でパンクラスに残り、パンクラスismの選手といっしょに練習に励むことになります。大型ファイターのハー・スン・ジン選手に、皆様是非ご期待いただきたいと思います。

ハー・スン・ジン:ハジメマシテ、コンニチハ(日本語で)。今回日本に来ることができて、とても嬉しく思います。また、パンクラスで技術を学べることを大変光栄に思っています。よろしくお願いいたします。

ハー選手に質問です。総合格闘技の練習はいつからはじめられたのですか?
ハー・スン・ジン:1997年度からはじめました。

パンクラスの練習の感想を聞かせください。
ハー・スン・ジン:3日前に来たばかりですが、パンクラスの技術には非常に感心しています。

長期的とはどのくらいを考えていますか?
ハー・スン・ジン:正確にはわかりませんが、約1年はこちらで練習させてもらう予定です。

総合格闘技で目標の選手はいますか?
ハー・スン・ジン:今のところは、まだ誰かを目標にしているということに関しては、ちょっと漠然としています。ただ言えることは、自分の最善を尽くして、頑張っていこうと思っています。

格闘技歴で「氣道」とありますが、これは具体的にどんな格闘技ですか?
ハー・スン・ジン:「氣道」というのは韓国の合気道で、その大会に出て優勝しました。(日本の合気道と違って)韓国の合気道は、投げ、打撃、関節技が総合的にある格闘技です。

所属の「ネオファイト」に関して教えてください。
ユーン・クー氏(ハー選手のマネジャー):「ネオファイト」とは、KBSスカイが立ち上げた韓国で最大の総合格闘技団体です。
尾崎社長:補足説明しますと、韓国には、今いくつかのプロモーターがおりまして、ネオファイトは、韓国のプロ選手を一番多くかかえている団体であると聞いています。パンクラスに非常に近い団体で、どういった点が近いかと申しますと、パンクラスという団体は(興行の)プロモートをしていますが、選手も抱えていると。イベントだけではなく、選手も育て、所属しております。ネオファイトという団体も大会をプロモートしながら、選手も所属して、そして育てるということを主体的にやっていらっしゃるということです。ですから、韓国のプロモーターさんの中で、ネオファイトさんが一番パンクラスに近いと思っていただいていいと思います。そのネオファイトに所属してるのが、ハー・スン・ジン選手であるということです。

ネオファイトの所属選手は何名ですか?
ユーン・クー氏:今、正式には4名が所属選手としております。ただ、一概にその人数で確定ではなく、これから増えていくと考えていただければと思います。

戦績の2勝1敗の内容を教えてください。
ハー・スン・ジン:韓国で開催された『スピリットMCトーナメント』という大会での成績です。

トーナメントでの順位は?
尾崎社長:私の方から説明いたします。16名のトーナメントで2勝ですので、ベスト4ですね。16名のトーナメントというのはその日だけの試合ですので、予選が確かあったと思います。予選はプロの戦績としては残っていませんが、決勝トーナメントでベスト4までいったということです。
補足ですが、『スピリットMC』という大会は、韓国で初めて大々的に総合格闘技の試合が行われて、私も実は行ってまいりました。6,000人ぐらいの会場で、超満員札止め、韓国の総合格闘技熱に火をつけた大会でした。現在のネオファイトのソウ社長が、その時の『スピリットMC』の社長でありまして、そのソウ社長が『スピリットMC』を離れて創ったのがネオファイトというプロモーションです。

パンクラスの印象はいかがでしょうか?
ハー・スン・ジン:パンクラスの試合、選手に関してはすごく立派な選手がいるという印象です。パンクラスの技術を韓国で広めていきたいと思っています。

パンクラスはネオファイトという団体と提携ということでしょうか?
尾崎社長:そうですね。提携と交流と・・・。これから、さらに深い付き合いになると思います。単純に選手を派遣しあったりということだけじゃなくて、今回のハー選手のように留学を受け入れるだとか、逆に韓国の方に選手を派遣して、ネオファイトの底辺の選手を指導したりだとか、もしかしたら興行の方でももっと深い付き合いになっていくかもしれません。

得意技は「打撃」とありますが、具体的には?
ハー・スン・ジン:特に足技が得意ですね。

1997年から総合格闘技に取り組んでいらっしゃるということですが、韓国では総合格闘技一本でやっていけるのでしょうか?
ハー・スン・ジン:これまでは、他に仕事を兼務しながらやってきました。しかし、今後は格闘技だけでどうにかやっていきたいと思っています。

言葉の問題はどうしますか?
ハー・スン・ジン:日本語を一生懸命勉強するつもりです。

パンクラスで好きな選手は?
ハー・スン・ジン:まだちょっと期間が短いのでわかりませんが、特にグラウンドを主体とする選手から学びたいと思っています。

尾崎社長interview「keynote」“韓国について”