尾崎社長:今回、またもやパンクラスMEGATONの入団記者会見となります。パンクラスに新しい強力な助っ人が入ることになりました。もう皆さんご存知だと思います。大相撲、元関脇の若翔洋関です。パンクラスMEGATONができまして、どんどんどんどんいろいろな選手が入団してきましたが、また今回、大相撲で素晴らしい実績を持つ若翔洋関に、パンクラスとしても相当期待している次第であります。

若翔洋:今度、パンクラスMEGATONに入団することになりました若翔洋です。よろしくお願いします。

パンクラスMEGATONに入団することになったきっかけと動機を教えて下さい。
若翔洋:動機としては、小さい頃からプロレスや格闘技に興味がありましたので、今回、やってみたいなと思いました。

これまで、総合格闘技的な練習をしてきたのでしょうか?
若翔洋:それなりにしてきたつもりではいるんですが、今回パンクラスのリングに上がるために、いろいろと一から勉強しようとやっているところです。

パンクラスを選んだ理由は?
若翔洋:総合の世界でも草分け的な存在であるということで、パンクラスを選びました。

現在は、どのような練習をしていますか?
若翔洋:今は週3回ぐらい総合の練習をMEGATONのメンバーと一緒に、大きい選手が多いのでやっています。これから徐々にいろんなところに顔を出して、小さい人とでも寝技とか関節技とかいろいろやっていきたいと思います。

先年末から曙選手や玉海力選手など、角界で活躍していた選手が総合格闘技に転向してきていますが、そういった選手に触発されたということはありますか?
若翔洋:それも全然ないとは言えないんですが、もともと格闘技が好きだったので。

尾崎社長に質問です。若翔洋関に関しては、誰かからの紹介があったのでしょうか?
尾崎社長:パンクラスMEGATONのスカウト部が優秀でですね(笑)、いろんなところから見つけてくるって言ったら若翔洋関に失礼なんですけれども、いろいろ繋がりがあって。どうやって誘ってくるかは企業秘密なんですが、とにかくスカウト部が優秀ですね(笑)。

スカウト部から報告があったのはいつ頃なんですか?
尾崎社長:実は相当前ですね。半年以上前なのかな。前からお話があって、若翔洋関の準備を待っていたということですね。若翔洋関がきっかけを出すのを待っていて、それで今日になりました。

デビュー戦はいつ頃を予定していますか?
若翔洋:デビュー戦に関しては尾崎社長と相談して決めます。お楽しみにということで(笑)。

総合の練習を始めて、どのくらいになりますか?
若翔洋:約半年になります。

プロのリングで闘ってみたい相手は?
若翔洋:そうですね。最近、ウチのMEGATONの高森君とやったロン・ウォーターマンと対戦したいですね。

総合格闘技の練習を初めて、手応えはありますか?
若翔洋:手応えというか、面白いなと思います。今まで相撲しかやってこなかったので、いろいろなことが(楽しい)。また1vs1で闘えるというのもありますし。

理想とする闘い方は?
若翔洋:理想は・・・そうですね、秒殺。というか、これから実際リングに上がってみないとわからないですけど、名の残るような選手になりたいです。

目標とする選手はいますか?
若翔洋:他の人より自分が1番になることが・・・それだけです。

リングネームは?
若翔洋:そのまま『若翔洋』を使っていきます。

角界から総合に転向した人たちがあまり良い成績を残せていませんが、それに関してはどうお考えですか?
若翔洋:みんなそれぞれ、いろんな練習をして頑張っていると思うんですけど・・・。あんまり自分は気にしていません。1vs1の闘いなんで、自分のことだけで。

38歳ということで、総合のデビューとしては遅い年齢になりますが?
若翔洋:それは全然気にしてないです。自分より上の人もいれば、同じ年代の人もいるので、年のことは気にしてないです。

大相撲を引退してからかなり間が空いてますが、迷いがあったのでしょうか?
若翔洋:その時の流れもあったし、たまたま今になってしまったってだけで。

きっかけさえあれば挑戦しようと思っていました?
若翔洋:そうでうすね。きっかけがあれば。

お店の方は続けられるのでしょうか?
若翔洋:続けます。楽しみが2つ出来たということで。

転向する上で、角界の知り合いに相談したことはありますか?
若翔洋:今の貴乃花親方には筋だと思いまして、一言話はしています。前々から少し話はしていたのですが、この記者会見が決まる3日前ぐらいですかね。「記者会見をします」ということを伝えて、本人も応援してくれるということで。

二子山親方などに、しこ名をリングネームにすることについての了承は取ったのでしょうか?
若翔洋:いや、しこ名に関しては個人のものなので、全然平気ですね。

貴乃花親方はどのようにおっしゃってました?
若翔洋:特別には・・・。『自分ができる限り応援します』とは言ってくれてるので、もしかして相撲の稽古も取り入れて(いくかも知れない)。人間と人間がぶつかる圧力っていうのがやっぱり違うので、それも自分の中では必要かなと思いまして、親方に話したところ『よろしければ是非』と言われたので。やっぱり相撲をやっていたので、やらなきゃいけないものなのかなと思います。自分の中では。

総合に転向した力士の方々は『相撲の強さを証明する』というようなことをおっしゃっていますが、そういうお気持ちはありますか?
若翔洋:確かに相撲は強いと自分も思います。でも相撲出身の人が負けているのも確かなんですけど・・・・・・・・・。すいません、ちょっと真っ白になっちゃいました(苦笑)。

他の相撲出身の選手の試合を観て、自分だったらこうするのになと思うことはありますか?
若翔洋:自分の中ではあります。相撲を取ってる人の中には、四つ相撲の人もいれば、押し相撲の人も突っ張っていく人もいるので、自分の今までの取り口は自分でもわかっているつもりなので、それを上手く活かせれば良いと思っています。

いずれは『PRIDE』なども出場したいとお考えですか?
若翔洋:そうですね。でもパンクラスがはじまりなので。


若翔洋
■本名:馬場口 洋一
■生年月日:1966年3月8日
■身長/体重:180cm/140kg
■出身地:東京都中野区
■所属:パンクラスMEGATON
■格闘技歴:柔道、大相撲
■幕内戦歴:通算23場所 144勝185敗16休 敢闘賞2回
・1981年 5月 初土俵
・1991年 5月 新十枚目
・1991年 9月 新入幕
・1997年11月 最終土俵
・最高位:関脇

中学校時代に柔道を始めたが、体格に恵まれていたことから知人に相撲への入門を勧められ、また相撲好きの親にも強く説得されて、地元にある先代・若乃花のニ子山部屋に入門。
1981年の初土俵からトントン拍子に昇進するも、十両を目前にして腰のケガで三段目まで降格。その後治療に専念し、3ヶ月間のリハビリでケガを克服。復帰後は勝ち越しを続け幕内へ昇格。最終的に関脇まで昇進し、大関への期待もかかるが、1997年の九州場所を最後に引退。その後2年半は相撲協会に残った。
巨躯を生かして寄る思い切りの良い取り口で、若貴フィーバーに沸いた90年代、黄金時代を築いた二子山部屋で活躍した力士である。現役時代には、現在『K-1』のリングで活躍中の元横綱・曙から金星を奪ったこともある。
幼い頃からプロレスや格闘技が好きで、引退した当初はスポーツ紙上で“プロレス転向"の見出しも踊った。あれから約7年の歳月を経て、諦めなかった格闘家への夢を遂に実現すべく、2004年6月1日、パンクラスMEGATONへ正式入団!
「ここ2〜3年が最後のチャンスだと思っている。パンクラスで良い成績を残して、いずれは『PRIDE』などにも出場したい」と語る若翔洋。丸い土俵から四角のリングへ、新たな戦場に挑み始めたパンクラス最重量ファイターの今後の生き様に是非注目してほしい。
※現在は上目黒にて無国籍料理店「トゥールド・パオン」を経営。