PANCRASE

レポート

update:7.10
株式会社ワールドパンクラスクリエイト
高橋義生独立記者会見
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■ 日時:7月9日(月) 14:00〜
■ 場所:P's LAB東京
■ 参加者:
 高橋義生(パンクラス)
 尾崎允実(株式会社ワールドパンクラスクリエイト代表取締役)
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尾崎社長:今日の記者会見は、高橋義生選手の独立について発表したいと思います。ここにいます高橋義生、元ヘビー級キング・オブ・パンクラシストです。今回、独立をすることになりまして、その発表をいたします。今回の独立に関しては、パンクラスの代表尾崎から見て、非常に大切な選手であり、なおかつ個人尾崎にとっても大切な友人なんですが、その独立に関してはすごく寂しい気持ちもありますが、今回は発展的独立ということで、寂しい中にも高橋義生という選手がもっと大きくなるいいチャンスだと思うのと、同時にパンクラスも仲間でもあることには、特に高橋義生選手の性格、非常に魅力的な選手である高橋義生がどんどん大きくなることは非常に嬉しいことだと思っています。パンクラスとしても今度も全面的にバックアップしていきたいと思います。また、明日から「bodogFIGHT」にも高橋は行くんですが、これに関してもパンクラスは今後も全面的にバックアップしていきたいと思っています。皆さんにも、ファンの方々にも、今後とも高橋義生を応援していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

高橋義生:どういうふうに話したらいいかちょっとよく分からないのですが、今年からパンクラスを退団して、高橋個人としてフリーで格闘家をやっていくことになりました。それでですね、今回のbodogからなんですが、名前を高橋義生から高橋和生という本名に戻して頑張っていきたいと思っています。高橋義生という名前、「人喰い義生」という名前がずいぶん皆さんには親しまれていたんですが、ちょっとお別れするのも寂しいんですけど、今回「人喰い義生」は今回の発表で最後ということで、もうこの世からいなくなるということになります。これからは高橋和生で頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

今回、退団にいたった理由は?
高橋義生:個人的な理由もありますが、社長とのもつれもあります(笑)。いや、それは冗談ですけど(笑)、前々から雑誌などのインタビューでは言っていたんですが、パンクラスのヘビー級チャンピオンという肩書きも僕はあんまり好きではなかったし、今回いい齢になってきましたので、「パンクラスの高橋」という形ではなく、高橋和生個人として戦っていきたいという、そういういろんな肩書きを必要とせず、自分の名前だけで勝負したいっていう気持ちがだんだん、年々強くなってきたので、今回、こういうふうに独立させていただくことになりました。

独立を考えるようになったきっかけは?
高橋義生:これといってはっきりと、というのは無いんですけど、少しずつ自分の中で溜まっていったものが、今回一番大きくなったので…年齢も38歳になりましたから、いろいろと僕の中で考えることが多かったので、今回退団させていただいて、名前も本名に戻して、本当に自分の名前だけで勝負するっていうことをしていきたいということですね。

今後、パンクラスへの参戦の意思は?
高橋義生:まあ、お金次第で上がると思います(笑)。対戦相手が魅力的であれば、全然僕はパンクラスに出たいと思っていますし、例えば解説とかで呼んでいただけるのであれば、お金次第ですけど(笑)全然問題なく解説させていただきます。後輩とかも結構皆頑張ってやってますから、応援しに会場にも行きたいと思っていますし、全然別にパンクラスにはもう顔を出さないとか、パンクラスのリングには上がらないという問題ではないので。
尾崎社長:実は高橋は2年近くパンクラスのリングで試合していないんですけど、これを気にパンクラスからオファーを出そうと思っています(笑)。今、本人からありましたように、これからも仲間であることは変わりませんし、一切揉め事の無い独立でして、ここ(P's lab 東京)で練習することもあるかもしれないし、試合会場にも来るでしょうし、どこかで試合することであれば僕らも応援に行くと思います。

アライ選手と同じチームで練習されていましたが、それについては?
高橋義生:アライともすっぱり縁を切って(笑)…というわけではないですが、あまり連絡を取らなくなってしまったので。アライもまだまだこれからの選手ですから、頑張ってやって欲しいと思いますし、それに僕は今回こういう形で退団することになったんですが、アライはパンクラスのほうでまだやれることもあるだろうし、やらなきゃいけないこともあると思うので、頑張って欲しいと思いますね。
尾崎社長:アライケンジに関しては今後、パンクラスism所属ということになります。

独立してやってみたいことは?
高橋義生:自分の名前だけで勝負したいということが一番大きい理由ですね。あとは、上がれるリングにはどんどん出て行きたいと思いますし、違う形でパンクラスのリングで試合するのも面白いと思いますし。まだ退団したばかりですし、明日からbodogでアメリカに行かなければいけないので、具体的に何をしたいコレをしたいというのははっきりと見えてはいないんですけど、とにかくフリーになったということで、今まで考えていなかったような、人任せにしていたことを全部自分でやらなければいけなくなったので、そういったところをきちっと落ち着かせてからいろんな野望を描いていきたいと思います。

中でも一番大きな野望とは?
高橋義生:今のところ野望というか目標なんですけど、夢として44歳までは現役でいたいというのがあるんですね。そうすると総合を20年続けたことになりますから。今の時代、特に若い選手は結構早目に辞めてしまう人が多くなってきているので、そういう時代で長く続けられることは幸せですし、誰もできないことなのかなと。一番のライバルだと思っていたTK(高阪選手)も引退してしまいましたから。そうなってくると一番チャンスがあるのは引退していない僕ということになりますから。桜庭もいますけど、そこらへんの藤田とか、吉田秀彦だったりとか、あそこらへんの連中は皆世代が一緒ですから、ああいう連中と切磋琢磨して頑張っていけたらいいなって思っていますけどね。

自分のジムを立ち上げることは考えていますか?
高橋義生:いや、それは無理ですね。自分、人に教えることがすごい苦手なので。教えるのは嫌いではないですけど、教えるとできないのがすごい悔しくなって、結局は僕が自分でやったほうが手っ取りばやいということでやってしまうので。多分、僕は人に教えるのは無理じゃないかと思います(笑)。
尾崎社長:何年か前からずっといってるんですよ。ウチの道場を1つやってみないかって。でも、おそらくは現役中は無理だと思いますよ(笑)。

高橋義生:P's Labで教えていてもかなりの違和感を感じながらやっていたので。
尾崎社長:P's Labの指導もここ1年以上やっていませんから。彼はそういう男なので。パンクラスもそれを尊重してきました。現役を引退したらおそらくウチに戻ってきて道場やってくれるんじゃないかと(笑)。

パンクラス14年間を振り返ってどういう思い出がありますか?
高橋義生:僕の人生のすべてといっても過言ではないぐらいのことだったので…。それなのに退団というのがちょっとちぐはぐな感じもするんですけど、最後に自分に勝負を賭けるという事で、人生を一回すべて捨てて…決意みたいなもんなんですけど。つらい決意でしたね。

今後戦いたい相手は?
高橋義生:いえ。対戦したい相手とかはあまり…。誰でもいいですね。今、「HERO'S」、「PRIDE」とあまりいい結果が出ずにいる中で、そういう自分がすごい嫌なこともあるんですけど、そういう自分から逃げ出したくない、逃げ出さないようにしなきゃいけないってことが一番重要だと思っているので。そういう意味では一番の敵は自分自身になっていますね。

「高橋義生」という名前についての思い出はありますか?
高橋義生:パンクラス旗揚げのときからこの名前を使うようになって、やっぱここまでずっと一緒に来てましたから、これも人生そのものというぐらいの名前でしたので。元に戻すということも随分悩みました。ただ、親がつけてくれた名前がちゃんとあるのにリングネームのほうが慕われているということもあるんですよ。それもあるんですが、やはり親がつけてくれた名前で最後はちゃんと勝負してみたいというともあったので。この「義生」という名前もすごく好きなんですけど、パンクラスを旗揚げするときにつけた名前だから、退団するときにはこの名前ははずすということで、この名前に対する筋を通したい、みたいな感じですかね。

これで旗揚げメンバーが本戦からいなくなるということですが、それについてはいかがでしょうか?
高橋義生:皆、それぞれ事情があって辞めていったり離れていったりしていく中で、僕がちょっと意固地になって頑張ってきたんですけど、随分パンクラスもリング内外含めてすべて形が変わってきて、旗揚げメンバーも僕が最後いなくなるってことでこれから新しいパンクラスが出来ていくんじゃないかなって僕は思っています。

尾崎社長:次は私の引退だなって思ってるんですけどね(笑)。総合格闘技の中で15年目、丸14年経ったわけですけど、結構長い時間だと思うんですよね。選手には長く選手生活を続けていただきたいんだけども、いかんせん総合格闘技の選手寿命の短さというのをものすごく感じます。パンクラスが出来た'93年から総合格闘技というのはめまぐるしく状況が変わって、試合内容も変わって、ルールも変わって、技術もレベルアップして…新しいスポーツが出来たときってものすごくめまぐるしく状況が変わるっていうのはよく分かるんですけども、その速さというのは、この総合格闘技に関してはものすごいあったと思うんですよ。その中で選手は大変だったと思うし、そういう状況を高橋などは最初から経験しているわけで、肉体的にも、頭の中でそれにあわせていくということもすごく必要だったと思いますので、すごく苦労しているなっていう意識と、次は僕かなとという思いと…両方ありますね。