第2試合 フェザー級/5分2ラウンド
○砂辺光久(2R 1分17秒、レフェリーストップ/フロントチョークスリーパー)渡邊将広×

砂辺選手は、先程話していた、沖縄の武∞限の中心選手です。アマチュアの試合でも大きなタイトルを持っている選手です。そういう肩書きからすると、渡邊選手はどのように闘うのかなというのが関心事でした。蓋を開けてみたら私は渡邊選手の印象が強いです。フリーという肩書きで、流石に出てくるだけあるな、と、私はすごく印象に残った選手です。バランスが良いです。何といっても心が強いというのが、格闘選手としてはすごく良かったような気がします。ですから1Rは終始、私は渡邊選手がイニシアチブを持っていたと思います。実質、砂辺選手というのは状況に応じて、リスク等は考えないで、色々なポジションで攻撃を仕掛けようとするので、たまに技が完成しないで、自分の不利なポジションになってしまいます。が、そういう事を含めても渡邊選手は良いポジションを取っていったと思います。

ただ、私はこの勝利は、レフェリーからも注意があり、ルールでは反則ですが、試合の途中でサードロープに足を掛けてコーナーからのジャンピングパンチを砂辺選手は放ちました。要するに、咄嗟に反応して自分を有利な所に持って行こうとする、そのような本能。意図的に勝負を避ける為にロープを掴むのとは意味が違って、私は面白く見ていました。いつぞや美濃輪選手が、コーナーポストに相手を叩きつけたりしました。コーナーに相手を押し込んで動きを封じて相手を殴って行く、もしくはもうロープ際でテークダウンを取られていたら、コーナーポストの下に自分の顔を持って行き、なるべくパンチを打ちにくい位置にして、自分の反撃のタイミングを狙って行く、というような事では、唯一、ロープを利用しているけれども、直接自分の意志で掴んだりしていない、という事の中での最小限の部分ですよね。そういう中から勝機を得ようとする、そういう本能みたいなもの、勝とうという心が砂辺選手の一種逆転のフロントチョークスリーパーに繋がったのではないかと思います。若い選手はこのような恵まれない環境、中央で練習していると地方の選手のある意味、色々な形の恵まれてないものを跳ね返すだけの強い心というのを失って来るので、実はそれもメンタルなトレーニングになっているんだよ、という事です。恵まれ過ぎるismの選手は心が弱くなります。その筆頭が先程出た中台、私は心だと思います。今後この2人、砂辺、渡邊、フェザー級の両選手は注目です。


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