当初予定されていた、5/23『PRIDE 武士道 其の参』でのVSヴァンダレイ・シウバ(シュート・ボクセ・アカデミー)戦が、シウバ選手のケガにより延期になったことで決まった6/22(火)後楽園ホール大会への出場ですが、今回のVSシャノン“ザ・キャノン”リッチ(チーム・キャノン)戦のお話の前に、先ずは前回の試合、3/29後楽園ホール大会でのVSスティーブ・ヒース(シーザー・グレイシー・アカデミー)戦について少しうかがいたいと思います。試合自体は近藤選手の完勝と言って良いほどの内容で、1ラウンド終盤に近藤選手のチョークスリーパーでヒース選手がタップしました。そこで近藤選手の関節技・絞め技での一本勝ちを調べたところ、2002年12月(ディファ有明)のVS栗原 強戦以来、約1年4ヶ月ぶりでしたが、相手からギブアップ、もしくはタップを奪っての勝利と、打撃でのKOやTKOでの勝利とでは、近藤選手の中で勝利の実感に違いはあったりしますか?
近藤有己:いや、一緒ですね。

タップさせた、「参った」を言わせた方が、自分が勝ったという実感は強くないですか?
近藤有己:ん〜、そうですね・・・「勝った」っていう、その感情で満足したくないなって。そんな気がします。より(技を)正確にというか、シャープに極めたい。完成度の高い技を・・・例えばそれが技であったり、フットワークの一つだったり。そういうのを追い求めてますね。その結果、この間の試合はバックからのチョークスリーパーで勝ったっていうだけであって。

近藤選手が追い求めている、技なりの正確さ、シャープさという点で見た場合、最後に極めたチョークスリーパーの入り方、極め方などの満足度的にはいかがでした?
近藤有己:あの時点で言えば、まぁまぁ良かったのではないかなと思いますけど、その記憶、自分の体の中のデータを元に、次はよりクリアな技術を出したいなと。次にチョークスリーパーを仕掛ける時は、もっとシャープにしたいなと。そう思ったのに加えて、それが出来るという確信を持ったって感じですかね。

今のお話とかぶるかも知れませんが、近藤選手の中で、VSスティーブ・ヒース戦での収穫っていうのはどんなことだったのでしょうか?
近藤有己:そうですね・・・意外と、ちょっとまだまだディフェンス部分が甘いかなと。そんな気がしましたね。まぁ、他にもいろいろたくさんありますけど、一つ挙げるとすればそれです。

わかりました。では、延期になったVSヴァンダレイ・シウバ戦に関して。一度延期になってしまったことを、現在の近藤選手はどのように捉えていますか?
近藤有己:まぁ、その試合に向けての準備期間がより増えるっていう・・・。そんなシンプルな感じで思ってますね。5月に対戦した場合以上の内容を見せたいなと思ってます。

延期になったことは良かったですか?
近藤有己:そうですね。良かったですね。やっぱりその分準備期間が延びるので、勝てる可能性も間違いなく上がってきてると思います。自分の中の完成度もドンドン上がってきてますよね。

ドリーム・ステージさんから【近藤VSシウバ】戦の延期が発表された後に、近藤選手は「今、シウバ選手の試合映像を昔のものから振り返って見ている途中」というようなことをコメントしていましたが、現在はどの辺までご覧になりました?
近藤有己:ん〜、2、3試合増えたぐらいですね(苦笑)。まだまだです(苦笑)。

もう『U.F.C.』での試合に入りました?(笑)。
近藤有己:『U.F.C.』に手が届いたか届かないかぐらいですね(笑)。

その増えた2、3試合で、コメントを出したあの時点よりシウバ選手に対しての発見はありました?
近藤有己:いや、別に・・・映像を見たから何かが見えるってわけでもないですね。ん〜、ホントに何とナシに見るって程度なので。自分が対戦相手の映像を見る時は。例えば、特に右からの攻撃が得意だとか、ここが弱点だとか、そういった分析が自分の中では全くないので。ただ見たまま感じるがままに、ちょっと感じようとするだけなので、あんまり変わらないですね。

最後の試合までご覧になろうとは思ってます?
近藤有己:そうですね。




わかりました。それでは今回のVSシャノン“ザ・キャノン”リッチ戦に関してお話をうかがいます。前回のVSスティーブ・ヒース戦同様、今回も「次はVSシウバ戦が濃厚」と言われている状況の中で迎える試合ですから、やはりお客さんの期待も相当大きいと思います。そういう意味でのプレッシャーはいかがですか?
近藤有己:プレッシャーはないですね。ドンドン薄らいできてますよね。

それは近藤選手にとって良いことですか?
近藤有己:ん〜、どうなるかわかんないですね。気が抜けてるのか、逆にすごい自然体になってるのか。その辺はまだわからないです。

前回の時と比べてどうでしょう?
近藤有己:3月の時よりもゆとりを持ってますね。それが良いのか悪いのかわからないですけど、心にゆとりをもってますね。

対戦相手のリッチ選手に関してですが、こういう点を気を付けたいというのはありますか?
近藤有己:やっぱり全局面じゃないですかね。あとは、自分自身のバランスを崩すことによって受けてしまう攻撃だと思います。

では、先週木曜日(6/10)に行った記者会見の中で、少しだけ話題が出た新技に関してですが、「その技が決まったら発表しようかな」とおっしゃってましたけど、近藤選手の中でその新技の完成度っていうのは現時点でどの程度なんでしょうか?
近藤有己:そうですね・・・50%ぐらいじゃないですかね。

その新技は過去に繰り出したことはあります?
近藤有己:ないですね。

出すとしたら今回が初?
近藤有己:そうですね。

それは狙っていきますか? それとも流れの中で自然に出れば良いかなという感じですか?
近藤有己:そういうのは自然に練習の中でドンドン増えていくものなので。まぁ、練習でも狙うものではないし。自然に出ると思いますね。

ほんの少しだけヒントを教えていただけますか?
近藤有己:そうですね・・・“ブルート”が表だとすれば、それはまるで裏のような(笑)・・・。ブルートの裏にあたりますね(微笑)。

その新技自体には、まだ名前が決まっていないとのことでしたが?
近藤有己:ん〜、だから今は“裏ブルート”かっこ仮名ですよね。( )。仮の名と書いて(微笑)

名前を付けようって気持ちはあります?(笑)。
近藤有己:テキト〜に(微笑)。

・・・わかりました(苦笑)。では今回の試合で、近藤選手が一番意識して闘いに臨むことって何でしょうか?
近藤有己:そうですね・・・“快楽”ですね(微笑)。

・・・深いですね。何を以てその“快楽”となるのでしょう?
近藤有己:それは問い掛けで良いんじゃないですか(微笑)。

この近藤選手のインタビューをご覧になっている皆さんで考えて下さいと?
近藤有己:はい。

では、その“快楽”を得た時、ご自分はどうなると予想しますか?
近藤有己:ん〜、サイヤ人がスーパーサイヤ人に変わる時は、精神状態として少し苛付いた感じがあるんですよね。苛付いてる状態らしいんですよ。その逆ですね。すごくこう、癒されている。そういう感じになると思います。

わかりました。では、またVSヴァンダレイ・シウバ戦にお話は戻りますが、8月が濃厚という感じで報道されたりもしていますけど、VSシウバ戦に関して今思うことをお願いします。
近藤有己:まぁ、8月とかって言われてますけど、いつ決まっても焦らないようにしようと思ってますし、今そうしてます。

VSシウバ戦の先に見えているものは何かありますか?
近藤有己:そうですね・・・まぁ、具体的な対戦相手というところでは、やっぱりジョシュ・バーネット(現・無差別級王者)にもう一回挑戦したいなと思いますね。具体的でないところでは・・・まぁ、その時になればいろんなテーマが見えてくると思うので、それを自分の中でちゃんと見極めていきたいなと思います。

わかりました。では、これで最後です。本当にもう、たくさんの皆さんが近藤選手の試合を楽しみにしています。そういう皆さんへ、また、近藤選手のファンの皆さんへメッセージをお願いします。
近藤有己:VSヴァンダレイ・シウバ戦が噂されてますけど、先ずは今回のVSシャノン“ザ・キャノン”リッチ戦を堪能して下さい。

近藤有己選手database