第1試合 ミドル級戦 5分2ラウンド
ランキング8位
三浦広光
(パンクラスMEGATON-TOKIN)

クァク・ユン・ソブ
(ネオファイト)
1R 0分54秒、TKO(レフェリーストップ)/マウントパンチ
■三浦広光(81.8kg) セコンド:高森啓吾
■クァク・ユン・ソブ(80.2kg) セコンド:梁正基
レフェリー:松宮智生

三浦選手に期待するのは、バックボーンが柔道という、しっかりしたモノがあっての身体能力とその強さ。そういうモノをもっともっと見たいです。そしてネオファイトのクァク選手ですが、基本的に韓国の選手というのは、立ち合い早々に思いっきり打って来ます。ガンガン前に出て来ながらのスタンドファイトが、韓国の選手の代名詞という印象が私にはあります。そのぶつかり合いがオープニングマッチとして楽しみなカードでしたが、やはり時の勢い、バックボーンの厚さがちょっと違った様な気がしました。開始のゴングと同時に三浦選手は前に出て行き、プレッシャーをかけつつ、あっと言う間にグラウンドでポジションを取り、特に何をすべくということも無く、マウントパンチの雨霰になりました。

一つの象徴として、以前も話したかもしれませんが、“間合い”。これは2人の間の距離ではありません。きちっと充実した構えの中で相手にプレッシャーをかけて行くのと、構えの備え自体が若干乏しく、後ろに下がってしまう様な展開になってしまう構えの選手は、そのままの形態で組み合うと、絶対にプレッシャーをかけている方が、その構えを変えなければ、組み合いも強いです。正にそういう形だったと思います。三浦選手の強さというのは、立った時の構えの形が、彼のベースに合っている形にそのままあるという事だと思います。ですから、総合の選手で陥り易い一つのポイントとして、レスリング、柔道、相撲等、何でも良いのですが、せっかく自分の強い組み合いの形があるにも関わらず、ボクシング、キックボクシングを習い過ぎたお陰で、本来の自分の体の強い形を失ってしまい、素人のボクサーが闘ってしまう様な展開になると、自分の持ち味さえ消してしまう事があります。三浦選手は、それに陥る事無く、きちんと出来ているところが、私は凄く好印象として残っています。

クァク選手はまだ闘えたと思いますが、あまりにもプレッシャーが強かったのでしょう。心を折られてしまいました。三浦選手は、そういう点では相手の光をも消して、一歩前に出れるという、強い星を持った選手なので、今後ビッグタイトルにどんどん挑戦出来る様に、大きな怪我を練習中にしない様にしながら、勝ち上がっていただきたいなと思います。

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