まずは、今年2月12日に行なわれました『DEEP 18th IMPACT』での今成正和戦(結果はドロー)についてお聞きしたいのですが、あの試合はかみ合ってないようでかみ合っていたというか、何か不思議な試合だった気もするのですが。
前田吉朗:かみ合ってたんじゃないですかね。お客さんが観たかった試合やったかなって思いますけど。打撃で倒したい僕と、寝技で極めたい今成っていう展開は。今思えばもっとムチャしてもよかったなって思いますけどね。途中から(今成選手に関節技で)極められることはないと思ったんで、もっと踏みこんでもよかったなって思いますね。相手の実力以上に相手のことを評価してたというか、ちょっと警戒しすぎちゃいましたね。

この一戦で、『DEEP』での戦績も含めてのデビュー以来の連勝は12戦でストップとなりましたが、それに関してはいかがですか。前々から連勝に関しては、全く意識していないとおっしゃっていましたが。
前田吉朗:どうなんすかね。勝つにこしたことないなっていうのは、ありますけど・・・でも引き分けて悔しいのはやっぱり悔しいですよ。もったいないことをしたっていうか、やり方によっては勝ててたんちゃうかなって思いますし、もっと踏み込んでたらよかったっていうのはありますね。まあそれをさせないのが、今成の強さなんでしょうけど。

パンクラスの試合自体は、昨年12月後楽園ホール大会のvs築城実戦以来となりますが、あの試合後の志田幹選手とのマイク合戦は、非常に前田選手らしかったですね。
前田吉朗:まあマイクに関しては、どうでもいいですけど。僕からしたら志田戦っていうのは、どうしてもやりたいっていうものではないんですよ。一回僕が勝ってますし、次にやっても当然僕が勝つし、みんなが思ってる通りの結果になりますよ。「やっぱり前田が強かった」って。まあ一回勝ってるからそう思うのかもしれないっすけど、その時と状況が違うのはわかってても、なんていうか精神的に全く負ける気がしないですね。喧嘩でもそうじゃないですか?勢いのある奴の方が、絶対に勝つって思ってる奴の方が、強いでしょ。志田に関していえば「どうせ、俺が勝つ」っていう気持ちでリングに上がりますね。

では、今回メインイベントにて対戦する村田卓実選手に関してですが、試合はご覧になったことはありますか。前田選手も来場されてました2月27日のゴールドジム大会にも出場してましたが。
前田吉朗:その時は、試合は観てないですね。去年のゴールドジム(2004年5月vs藤原大地戦)で観て、その時印象だと大地にシバかれた奴っていう感じですね。ただもし僕と対戦するのが「おいしい」とか思って出てくるとしたら、非常にムカツキますね。メインに出て前田吉朗と対戦できるのが「おいしい」と思ってるとしたら、非常にムカツキます。まあ今回は対戦相手がどうこうっていうよりも、今年初の大阪大会をやりきるっていう気持ちの方が強いですね。

今回の村田戦に関しても、先程おっしゃったように「絶対勝つ」っていう気持ちでリングに上がられるのでしょうか。
前田吉朗:そうですね。「いつも通り俺が勝つだろう」って思ってます。でも練習後に「絶対俺が勝つ。寝技でもいけるんちゃうか。」みたいな事を言ってたら、稲垣さんに「絶対ってことはないから、勝負に絶対はないから。」って注意されましたね。それはその通りだと思うんですよ。僕も「絶対勝つ」って言ってても、なめた気持ちは一切ないですから、だから余計に村田選手には「君は本当に危ないよ」って言いたいですね。勝負なんで、僕は相手が失神してもレフェリーが止めない限り殴り続けますし。結局、それはやらなきゃやられる世界ですから。

話しは変わりますが、最近前田選手の言動を聞いているとプロの選手としての自覚が凄く出てきたなと感じるのですが、試合やインタビューなどを経験していくうちに自然と身についたものなんですか。
前田吉朗:そうですね。やっぱり初めてメインに出て勝った時(2004年2月梅田ステラホールvsアレッシャンドリ・ソッカ戦)の経験が大きいですね。その時って凄く会場に一体感があったんですよね。その時に「これがプロの興行だ」って感じましたね。プロの試合でもお客さんから観てて、結構もどかしい試合とかもあると思うんですけど・・・その時の試合で、何か感じるものがありましたね。

その時に体感した事を、後々頭で「プロとしてこうあるべきだ」って考えられたりしますか。
前田吉朗:う〜ん、考えたりもしますけど、考えたとこでできないですけどね(苦笑)真剣勝負ですから、やっぱり難しいですよ。でも、お客さんが何を観に来るかっていうと、そのできないことをする姿が観たいわけじゃないですか。普通のことをしてるのを観にわざわざお金払ってこないでしょ。そういう意味でも、4月の大会はきっちり締めたいですね。で、来てくれたお客さんを次の大阪大会にも呼ぶと。それが最低ラインですね、プロとして。それが出来ないと先がないじゃないですか。今来てるお客さんを満足させれないとどうしようもないでしょ。

では最後に、今回の前田選手の試合を楽しみにしてらっしゃるファンの方へメッセージをお願い致します。
前田吉朗:まあ、これだけ偉そうな事を言って、会場に観に来たお客さんに、「チケット代帰せっ」て言われないようにしないとダメっすから(苦笑)それなりに期待してもらっていいです(笑)まあ今回は特にメインの僕がビシッと締めないといかんというのと、「勝って当然」やって思われてるプレッシャーも多少あるんですけど、まあ今はそのプレッシャーを通りこして「絶対に勝つんや」っていう気持ちですね。最後は、派手に決めます。え〜、大阪にダイナマイト150tの爆発を起しちゃる!っていう締めでどうでしょう(笑)

前田吉朗選手database