セミファイナルの試合はなぜドクターストップになったのですか?
廣戸聡一審判部長:あの試合はですね、複線がありまして、1ラウンドの半ば、クリンチから距離を取ろうとしたときに、ちょっと左目に指が入っちゃったんですね。故意じゃなくて。松井君もゴメンという形、大介も大丈夫だ、ということがあって。で、眼球って、奥で収縮するんですよ。眼球の神経って脳に直結してるようなものなんで、後々眼球が動かなくなってくるんですね。そんなところに2ラウンドでもろに眼球にナックルが入っちゃって。これは反則ではないですよ、これはクリーンなパンチで。それで眼球打撲っていう診断だそうです。一時的に眼球が圧縮されて、たぶん眼球がまったく動かない状態になってしまってのドクターストップだと聞いています。眼窩低骨折の疑いもあるため、渡辺選手は病院に行っています。

サミングは故意ではないということで続行になった?
廣戸聡一審判部長:アクシデントですよね。離れ際で触れてしまった程度なんで。金的にかすっただとか、バッティングで軽く頭が当たってしまっただとか、そういった範囲の裁量という形です。それがあったかどうかは別として、眼球にモロにパンチを受けたわけですから、それはもう勝った松井選手の文句なしの勝利だと思います。

尾崎社長:先に10月2日の(近藤選手の)カードに関しては、大変申し訳ありませんが、もうちょっと待ってください。

松井選手も候補には入りましたか?
尾崎社長:松井選手、今日逆転勝ちという試合だったと思うんですが、やっぱり松井選手が歴戦のつわものとPRIDEさんのリングで戦ってきたという底力っていうのを最後見せてくれたなっていう、そんな気がしました。候補かどうかはもうちょっと待ってください。あと、大石選手に関してはアルティメット以来の試合だったんで、ちょっと心配はしてたんですけど、80%ぐらいまで上がってきたかなと。この2試合、すごくいい経験になったと思うんですよ。今回、メインイベントだったんですけど、メインイベンターとして、もう一歩したらお客さんを沸かせられるような選手になるなあと、そういう実感はあります。

ネオブラッドに関しては?
尾崎社長:今回、11年目に入るんですが、前はここで昼・夜と1DAYでトーナメントをやっていたんですけど、ああいう形、もう一回考えてみたいなっていう気が実はしました。相当難しいんですけど、階級別になってるんで。彼らが1回戦からずっと勝ちあがってきた姿っていうのは、今日のお客さんに本当は観てもらいたいなっていうのがあって。実は今日彼らが戦ったのは今日の決勝だけじゃないっていうのは、何かの形でお客さんに同時進行で見せられたらなあっていう気はしました。技術的には上がってきてると思うんですけど、前の2試合はネオブラッドの決勝ということでちょっと上がっちゃったのかもしれないですけど、もうちょっと本来の彼らの試合、もっといい試合を、お客さんにアピールできるような試合をしてもらいたかったなっていうのが正直な感想ですね。ウェルター級はいい試合だったと思います。小路選手も良かったですし、本田選手も足怪我してたのは見て分かったんですけど、それでもあんだけの試合できたっていうのは、ネオブラッドを締めてくれたなっていう気がしますね。