まず7月31日後楽園ホール大会でのイヴァン・メンジヴァー戦を振り返っていただきたいのですが。非常に白熱した激闘の末、残念ながら判定負けという結果でした。
志田幹:うーん、悔しかったですね。やっぱりプロなんで、結果を残さないとダメだと思うんで・・・非常に悔しかったですね。

7月大会前のインタビューでも、「格闘技の世界は結果を残した者勝ち」とおっしゃってましたから、やはり負けという結果に関して非常に悔しいと。
志田幹:悔しいですねぇ〜。この気持ちがなくなった時が引退ですね。

パンクラス戦績で言えば、10戦7勝2敗1分けと2つの負けがあるわけですが、もう一つの黒星が今回対戦する前田吉朗選手との試合になります。その二つの負けを比べて、悔しさで言えばどちらが悔しいですか。
志田幹:う〜ん、まあどっちかって言うと吉朗に負けた方が悔しいですね。メンジヴァーの時は、試合の最後の最後でミスちゃったというか、最後の最後でコロッと転がされちゃって、ジャーマン(スープレックス)までくらっちゃったのが痛かったんですけど。でもまあ、結構自分の実力は出せましたから。吉朗の時は実力を出す前にいいのをくらっちゃって、その後リカバーできなかったんで、どちらかというと吉朗戦の方が悔しいですね。

メンジヴァー戦に戻りますが、あの試合をご覧になったお客さんは、メンジヴァー選手のパンチの破壊力やジャーマン・スープレックスという豪快な投げ技を観て「メンジヴァー強いな」という印象を受けたと思うのですが、実際闘ってみての印象はいかがでした。
志田幹:やられそうだったんで、一生懸命やりかえしたって感じですね。お客さんは当日観てビビったかもしれないですけど、僕はメンジヴァーが公開練習で凄まじいミット打ちをしてたっていう話を聞いて、大会前日からビビってましたからね(笑)。

前回のインタビューで前田吉朗選手について「一度負けた相手には、きっちり借りを返したい」とおっしゃってましたが、メンジヴァー選手に対してもやはり同じ気持ちですか。
志田幹:すぐに対戦したいって気持ちはないですね、負けちゃってるんで。僕もいろんな人と対戦して、その後またメンジヴァーと対戦することがあれば、きっちり借りを返したいですね。でもまあ、メンジヴァー戦は楽しかったですね。バチバチに打ち合いましたからね。ランナーズハイ状態になりましたね(笑)。打たれて、ガードの上から効かされちゃって、いい気持ちになりながら殴り合いをしてた感じですね(笑)。打撃をもらっても痛いって感じないというか、ほんとにいいのをアゴにもらわなと倒れないみたいな。

志田選手にとって、凄い密度の濃い試合だったんじゃないですか。
志田幹:それだけメンジヴァーが強かったってことですね。自分としては後手にまわっちゃたんで、先に攻めることができなかったのが、反省点ですね。自分はどうしてもディフェンス重視になっちゃうんで、それが今後の課題ですね。

7月31日後楽園ホール大会では、前田吉朗選手がメインイベントでコリン・マンサー選手と対戦し見事勝利をおさめましたが、その試合はご覧になりましたか。
志田幹:控室のモニターで観てましたね。吉朗とこりん星の使者との試合は、ムフフフフ。まあ予想通りの展開でしたね。こりん星の使者は、吉朗の相手にならないと思ってましたから(笑)。でもまさかサミングをするとは思わなかったですけど。

その前田選手といよいよ9月4日梅田ステラホール大会での対戦が決定しました。志田選手が待ちに待った一戦がいよいよ実現することになりました。
志田幹:前回負けた僕がやるっていうのもありますけど、対戦できるタイミングでやらないと、いつ出来るかわからないですからね。オファーがあった時は、少し迷いましたけど(メンジヴァー戦の)ダメージもなかったですし、やれる時にやらないと・・・やっぱりずっと対戦したかったので、やれる時にやっておこうと。

メンジヴァー戦のダメージは大丈夫だったんですか。
志田幹:確かにあのジャーマンは効きましたけど(苦笑)。後で気付いたんですけど、メンジヴァーの過去の戦績の決まり手に“スラム”って書いてあったんですよ。それをスラム街でのストリートファイトだと思ってたんですけど(苦笑)、投げの“スラム”だったんですね(笑)。投げるんなら言ってくれよって感じですよね(笑)。

実際待ちに待った前田戦が決定した現在のお気持ちはいかがですか。フェザー級の黄金カードといわれる一戦、そして志田選手にとってはリベンジ戦の意味合いもあります。
志田幹:楽しみですね。吉朗と対戦するのは。

前々から前田戦に関する話の時に、「次に対戦したら勝つ自信がある」とおっしゃってましたが。
志田幹:自信はありますね。全然勝つつもりですよ。

それは、前回対戦した2003年7月から比べて志田選手の成長の方が、前田選手を上回っているということですか。
志田幹:いや、ほんとに対戦したらどうかわからないですよ。どうなるかはわからないですけど、勝てるだろうなとは思ってます。真面目に勝てるだろうと思ってますよ。吉朗とはシバキ合って勝ちたいですね。前の試合みたいに、パンチでコツンと倒されないですよ、僕は(笑)。やっぱりこの間メンジヴァーと試合をして凄く楽しかったっていうのがあるんで、シバキ合いをして。なんていうですかね・・・強敵と闘うことで一種の高揚感があったんですよ。試合間隔が開くと結構恐怖感が出ちゃうというか、試合に対して怖さを気にしちゃうんですけど・・・今回試合間隔もあまりないので、恐怖感もなくいい感じで試合に臨めると思うんですよね。思い切って闘えると思うんですよね。まあ、あまり恐怖心を感じないのもよくないですけど。アクセルゆるめずそのままカーブに突っ込んじゃうみたいな(笑)。まあ黄金カードと言っていただいてるんですけど、そういうのにとらわれないで吉朗とガンガンのシバキ合いをしたいですね。だから気を引き締めるとこは、引き締めていきます。7月の試合は結構間隔が空いちゃったんですけど、いい動きは出来たので、今回も同じぐらいのパフォーマンスは出せると思います。

メンジヴァー戦で経験値が上がったというか、負けてしまったけれども、非常にいい精神状態で大阪に乗り込めると。
志田幹:そうですね、修羅場をくぐりぬけたというか・・・まあ負けちゃったんですけど(笑)。

では、今回非常に注目度の高い前田選手との試合において、志田選手が掲げるテーマは何ですか。
志田幹:テーマですか・・・まあ僕と吉朗の試合は間違いなく面白い試合になると思うんですよ。だから他の試合よりも面白い試合をするとかっていうテーマはないですね。どう転んでも面白くなると思うんで。テーマは僕がきっちりと勝つってことですね。KOで倒します。試合が本当に楽しみなので、気分的には今凄く上がってきてる感じですね。で、試合前日に気分が落ちて、試合の時に少し上がるって感じですかね(笑)。まあ大阪の試合なんで、勝って美味しいもの食べて帰りたいですね。口の中がザクザクに切れて、何も食べられないようなことがないように気をつけます(笑)。

では、最後にこの試合を楽しみにしてらっしゃるファンの皆さんのメッセージをお願いします。
志田幹:絶対に試合は面白いです(笑)。期待してもらっていいので、大阪の皆さんは是非観に来て下さい。標準語で言ってますけど(笑)。勝ってマイクも標準語でしゃべりますけど(笑)。

志田幹選手database