第2試合 ミドル級戦 5分2ラウンド
アザード・アスガロフ
(アリエフ・コンバット・チーム)
vs ターボ・フェアテックス
(フェアテックス・ジム)
2R 5:00、判定/1-0
判定:小菅賢次(20-18)梅木良則(20-20)廣戸聡一(20-20)
■ アザード・アスガロフ(80.9kg)
■ ターボ・フェアテックス(78.9kg)
レフェリー:岡本浩稔

組み技 対 立ち技の様相でしたが、どちらが主導権を握り、どんな展開なのか楽しみな試合でした。打撃の距離感にどう対応し、どの状況でスタンドの攻防からどう組技に行くのかがアスガロフ選手の見所です。フェアテックス選手はムエタイの強いローキックというものが武器になりますが、逆に言うと、それ自体が隙を作り易く、カウンターの顔面へのパンチであったり、ローキックに合わせてタックルを決められる可能性等を含めると、どのタイミングで強い打撃を出して行きながら、首相撲から膝という自分の持ち味を出せるのか凄く注目しました。
意外や意外、アスガロフ選手のパンチ、打撃に対する対応が素晴らしかった事、フェアテックス選手は逆にスタンドレスリングの攻防に関して、先に先に守り、首相撲や、勝負所で離れ際のショートアッパーなどを駆使し凌いで行きました。それぞれ自分の弱点の印象を長所に変える位練習をして来ているのは両選手の水準の高さを凄く感じました。特にフェアテックス選手に関しては、打撃の印象が強い選手だったので、良い意味で裏切られました。1、2ラウンド、アスガロフ選手の顔面へのコンビネーションでの攻撃が多かったのですが、ターボ選手はこれをきちんとガードしながら離れ際にフック、やショートフックという様な形で、アザード選手の顔面へ多くヒットしました。

アスガロフ選手がワンツーのコンビ等で4連打した後に、フェアテックス選手は左フック等の返しを入れます。アスガロフ選手は見た目優勢ですが、実質のダメージはフェアテックス選手の方が与えている展開を色々な所で見られました。攻めさせてどうするという部分で、見た目以上にフェアテックス選手が主導権を握っていたと思います。そしてアスガロフ選手の左足を1発で内出血をさせていた、ローキックはやはり強かったです。1ラウンド、2発強いのが入りましたが、最初は足首辺りの浅いところで大腿部を蹴ったので、フェアテックス選手の方がダメージがあるのではないかと思える位の浅い当たりでしたが、それでも内出血を起こさせていましたから、さすがに強く打てる選手は怖いなと思いました。それに因り、アスガロフ選手が中へ入れなくなりましたが、それでも自分から仕掛けて行き、何とかテイクダウンを取って行こうとし、両選手、凄く持ち味が出ていました。試合を通して、グラウンドの攻防もあり、激しい打ち合いの印象もあり、凄く面白かったです。
この強力なミドル級の二人を、日本人選手の誰が止めて見せるかというところでは、とても興味深い海外の選手がパンクラスのリングに登場しましたし、同級の台風の目になるのではと、楽しみにしています。

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