まず今年5月の菊田選手との試合に関してお聞きしたいのですが、対戦する前は近藤は菊田選手との対戦に関しての手ごたえ、自信というのはどの程度あったんですか。
近藤有己:あんまりわかんないですね(笑)手ごたえ、自信は・・・わかんないですね。

前回の時はわからないということなんですが、今回の再戦を前に「早い時間で打撃で倒す」という近藤選手には珍しいコメントが出てます。今回はこの菊田戦への手ごたえを感じているということですか。
近藤有己:確信はないですけど、今までで一番勝つための準備が万全だなと感じてます。

それは菊田選手と対戦することに関しての準備が万全であると。
近藤有己:そうですね。闘う準備をしたなと。

それは8月両国大会でのジョシュ・バーネット戦から得たものが自信につながっているということですか。
近藤有己:いや、準備っていうのは菊田さんのグラウンドに対する対応と自分がいかにして菊田さんを倒すための武器を磨けてるかという意味で勝てるためのことはしたなと思います。試合を経験してというよりも日々の積み重ねですね。

今まで近藤選手は具体的に「勝つ」っていう言葉を口にしなかったじゃないですか。それを今回のようにKO宣言をされているのは、何か心境の変化があったということですか。
近藤有己:そうですね。まあ余裕みたいなのがでてきたんですよね。強さの余裕ではないですけど、まあ正直「勝つ」と言ってそうならなかったことに対する怖さみたいなのがいままではあったと思います。言ったことが出来なかったことへの怖さっていうのが。そこをもう気にしないというか、やるだけやって、言ったとおりにできなくて自分が批難されるというか嘘つきだって思われても構わない。それはあんまりたいしたことではないってわかりはじめてきましたね。それに聞かれたことに対してはっきりものを言った方が、男らしくて潔い気がしますし。

前回の菊田戦の後「飛び膝がでませんでしたが」という質問に対して、近藤選手は「地に足をつけて闘いたかった」とコメントされてましたが、それは一発狙いで闘いたくなかったっていうことなんでしょうか。
近藤有己:飛び膝に対する信頼度が薄いんですよね(笑)でも今の感じだと地に足がついたまんま飛べるような感じがしますね。飛び膝を地に足がついた感覚でできる気がします。

前回の対戦の時はパンクラスを背負ったプレッシャーがあったともコメントされてました。
近藤有己:前回は意識しちゃってましたね。ism vs GRABAKAっていうのを。

今回もそういう意識はありますか。
近藤有己:ないですね。一回菊田さんと試合をしたということで、そういう意味でのケリが着いちゃったのかもしれないですね。今までは、頭の中での闘いでしかなかったんで、実際肌をあわしたというのが肝心だったのかもしれないですね。

8月両国大会でのジョシュ戦で27kgの体格差を経験されたことで、今回自分と同階級の選手と闘うにあたって、精神的・肉体的な面で楽に闘えたりするっていうのはありますか。
近藤有己:それはないですね。例えば百何キロあったとしても押さえ込みのうまさで変わると思うんですよね。体重が全然ない人でも 押さえ込まれたら全然動けない人もいるし。菊田さんはそっちの方の人だと思うし、体重だけで押さえ込んでいるじゃないという、いわえる柔道家としての押さえ込みの強い人がいるじゃないですか?やっぱりそういう強さを持ってますし。一概に体重ではかれないですね。あくまで体重は目安でしかないと思いますんで。

パンクラス10周年の記念興行で、8月に続いて今回の両国大会も近藤選手がメインイベントで登場となりました。
近藤有己:いや光栄だなというだけですね。

やはりどうしてもまわりは近藤選手のことをエースだとみてます。近藤選手の中で「俺がエースだ」という意識はありますか。
近藤有己:あまりないですね。(エースと呼ばれることに関して)嫌でもなければ嬉しくもないですね。まわりの状況でしかないと思います。

話は変わりますが、大晦日に「イノキ・ボンバイエ」でジョシュ・バーネット対セーム・シュルトの無差別級タイトルマッチが決定しました。
近藤有己:あっ、ほんとですか。へぇー、すげぇーな(笑)その勝者には、いつでも挑戦できるようにしときます。どちらが勝つにしろその二人とはもう一度ずつはベルトうんぬんじゃなくて対戦しなけりゃいけないと思ってるんで。もう一回対戦したい、しないと終われないっていうか。

それは借りを返したいということですか。
近藤有己:借りを返したいっていうよりも、一回ジョシュなんかは闘ってみてああいう結果になったんですけど、闘ったという経験が一個あるんで、それをいかして次につなげたいと。その経験をいかして、次に勝つためのものをつくって、勝ちたいというのがあるじゃないですか。終わっていい経験でしただけでは終われないですし。それはセーム・シュルトに関しても言えますね。

では少し早いですが、今年を一年振り返っていただきたいのですが、凄い中身の濃い一年だったんじゃないですか。
近藤有己:ずっと試合やってきましたし、以前よりも自分では強くなることに貪欲になってるなと感じる年だったと思います。あとまわりが凄い変わったなと思います。みんながエースとして自分をみてるんだなって感じますね。

より貪欲になったっていうのは、具体的にどういう点ですか。
近藤有己:まあ真面目になったって感じですかね(笑)簡単に言うと。より真面目に取り組むようになったって感じですかね。

それが結果としてあらわれてきてると。
近藤有己:結果としてはあらわれてないですけどね(笑)今年だってまだ1勝ですよ。(強さに対して)まあ貪欲になってきた分、ファンの人がみたいと思えるカードに対しても貪欲になりたいなと思いますね。

では、最後にこの一戦を楽しみにされてますファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
近藤有己:最高の試合をしたいと思います。期待してください。

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