昨年5月の前田吉朗戦以来久々のパンクラスマット登場となります。その前田戦が砂辺選手にとってパンクラスでの初黒星だったわけですが、いまあらためてその試合を振り返っていただけますか。
砂辺光久:そのままじゃないですか。圧力に押されて負けたっていう。判定がおかしいというわけでもなく、負けたという結果がそのまま全てですね。

正直その試合に関して、あまり振り返りたくないというか話しづらいかったりするのですか。。
砂辺光久:そういうわけではないですけど、反省して次につなげればいいだけなんで。悔やんでも過去は戻ってこないじゃないですか。凄く悔しい気持ちは確かにあるんですけど、それを糧にしてして次につなげるだけですね。

その後前田選手は「ネオブラッド・トーナメント」フェザー級優勝&MVP、そして両国国技館で、強豪バレット・ヨシダ選手にK0勝ちと目覚しい活躍をみせてますが、その様子をどんな気持ちでご覧になってましたか。
砂辺光久:また強くなってるとは思いますね。前田選手の試合をみて勉強する部分は多いです。ただ前田選手にこだわってるわけではないんで、今は次の志田選手との試合のことしか考えてないですし、もう一日一日が精一杯なんで先のことまで考えられないですし、組まれた試合に向けて一歩ずつやるしかないですね。前田選手とは勝っていけば絶対に交わることがあると思いますし、一歩ずつやっていくしかないですね。前田選手と対戦した時は、その先に梅木(繁之)選手をみてたんですよね。その前にうちの田上選手が負けたんで、敵をとらないとっていうのがあったんですけど、やっぱり先をみるとろくなことないんで、ひとつずつクリアしていかないと駄目ですね。いつか前田選手とは交われるように生き続けます。彼も生命力強いですし(笑)ずっと勝ち続けていれば必ず試合が組まれるはずだと思いますんで。

梅木選手に対する砂辺選手のように、武∞限が負けたら武∞限が敵をとるという仲間意識を凄く感じるのですが、例えばREIJI選手も砂辺選手の敵をとりたいというコメントを出してます。砂辺選手個人として自分の借りはやはり自分で返したいっていうのはあるんじゃないですか。
砂辺光久:もしREIJI選手が前田選手と対戦することになれば、全力でサポートしますし、もちろん勝ってもらいたいですけど、個人的には複雑ですね。個人としては自分が闘って倒したいっていう気持ちがありますね。

前田戦の試合前のインタビューでは、「試合を通してお客さんへ伝えたいものがある」とコメントをされてました。その伝えたいものっていうのは何だったのか、教えていただくことはできますか。
砂辺光久:自分は噺家(はなしか)じゃないんで、リングの上で示すだけですね。プロのリングですから、プロとしてリングの上で示していきたいですね。

私がその試合を観て、砂辺選手が伝えたかったものっていうのは、“一生懸命さ”だったり“あきらめない心”なのかなと思ってたんですけど。
砂辺光久:そう感じてもらえたなら、それは間違ってはないです。人それぞれ感じ方、捉え方が違うわけですし。そういう風に前向きに感じてもらえた人もいれば、後ろ向きな印象をもったする人もいるでしょうし、何も感じなかったっていう人もいると思うんですよね・・・例えば前田選手と渡辺智史選手の試合(2003.10.4グランキューブ大阪大会)は、100人いたら100人とも感じるものがあったと思うんですよ。みんなが何か熱いものを感じるような試合だったと思うんですよね。自分もリングの上が表現する場所なんで、観てる人みんなが何かを感じる試合をしていきたいですね。

では、2月6日後楽園ホール大会で対戦する志田幹選手(P'sLAB東京)ですが、どのような印象をお持ちですか。
砂辺光久:強くてかたいっていう印象ですね。

その「かたい」っていうのは、具体的にどういう部分がでしょうか。
砂辺光久:手堅いですね。なんていうですかね、負けない闘い方をする選手ですね。穴がないですね。あと体が頑丈で、体の強さと心の強さを持った選手だと思います。

その穴のない志田選手との一戦はどういう闘いになりますか。
砂辺光久:かたいんで、自分をぶつけて壊すという感じですね。打撃なのかタックルなのか寝技なのかは別として、闘いはぶつかりあいなんで、自分をぶつけるだけです。前田選手との試合は自分をぶつけて負けましたけど、毎回それは変わらないですね。

今回2月の2大会には、6日後楽園ホールに砂辺選手とREIJI選手、15日梅田ステラホール大会には田上洋平選手、城間貴文選手(パンクラスゲート出場)と4選手が出場しますが、砂辺選手から他の選手がどんな選手かを紹介していただけますか。
砂辺光久:REIJI選手は、ハートが強くてイケイケなファイターですね。プロレスラーで例えると小島聡(全日本プロレス)選手というイメージですね(笑)田上選手はクールでたんたんと試合をこなす仕事人タイプですね。でもキャリアはまだそんなにないんで西村修(新日本プロレス)選手です。それで城間選手が同じ職人肌なんですけど、空手と武∞限のキャリアを合わせると11年ぐらいのベテランになるんで木戸修(新日本プロレス・引退)選手タイプですね。こんな紹介でうまく伝わるんでしょうか(笑)

私は非常によくわかります(笑)では、プロレスラーに例えるなら砂辺選手ご自身は誰に当てはまりますか。「格闘技通信」の今年の選手名鑑では今年の抱負が「リアルプロレスラー」となってましたが。
砂辺光久:当てはまるっていうのはないんですけど、目指すのは鈴木(みのる)さんですね。格闘技を始める10年以上も前ですが、憧れたのが鈴木さんですし、どこにいても目立つじゃないですか?どの場所にいても個性があるというか光のある選手ですんで、願望をこめて鈴木みのる選手としててください。僕が目指すのは自分から光を出す、強くてかっこいいリアルなプロレスラーなんで。

では、最後に当日試合をご覧になるファンの方へのメッセージをお願いします。
砂辺光久:東京はアウェイじゃないですか。でもお客さんもいい試合をすれば面白いと認めてくれると思うんですよね。なのでアウェイの中でも面白いなって認めてもらえるような試合を、志田選手を応援してても「敵ながら天晴れ」って思ってもらえるような試合をします。

砂辺光久選手database