7月25日(日)後楽園ホール大会【DAY TIME】で行われる『パンクラスvsチーム・グレイシー3vs3 対抗戦』で、パンクラス初参戦となるカート・ペリグリーノ選手(ヘンゾ・グレイシー柔術アカデミー)との対戦が決定している北岡選手ですが、そのVSペリグリーノ戦のお話をうかがう前に、先ずは前回の試合、5/28日・後楽園ホール大会でのvs平山貴一(和術慧舟會 千葉支部)戦に関してお聞きしたいと思います。あの一戦は、北岡選手自らが望んでの第1試合ということでしたが、それはどういう心境からだったのでしょうか?
北岡悟:ん〜、あまりそれにはもう拘ってないんですけど(苦笑)、結果的にそうして良かったでしょっていうのはありますね。最近、ここ2年ぐらいは、外の選手同士の第1試合っていうのが多かったと思いますけど、それだとどこの興行がよくわからないっていうのがあるので。出来ればパンクラスの選手やパンクラス・ネットワークの選手、P'sLABとかですけど、そういう選手が第1試合をやった方が良いと僕は思ってましたから。だからそういうことですね。

第1試合、その興行のオープニングマッチになりますけど、そこでのお客さんへのインパクトっていうことは考えました?
北岡悟:多少は考えましたね。だから早めに走って入場しました(笑)。

試合自体は見事な一本勝ちでしたが、終わってみて第1試合に登場したことは良かったと思いますか?
北岡悟:良かったと思いますよ。でも、もう一回やりたいとか、そういうことではないですね。試合後のインタビューでも言ったんですけど、敢えて振り出しに戻して、ちゃんと歩を進めて行こうと思っただけのことで。あの〜、その前の試合で石川(英司)に負けたので・・・ん〜2試合目っていうのが嫌だったんですよね。2試合目なら、1試合目でやりたいなっていう感じだったので(笑)。まぁ、試合内容とかが良かったとは思わないですね。結果、一本を取ったから何とかセーフだったかなっていう(苦笑)。

そういう試合の中で、何か掴んだことや、良かったことなどはありますか?
北岡悟:相手を掴まえるということを自分なりのテーマに持ってたので。ちゃんと自分からキャッチしていく、相手を捕らえるという。それは出来たんですけど、もっと早い段階でしっかりかっちり、丁寧にやりたかったし、仕留めていくという意味では、もっともっときびきびというか、細やかに勝つ。もっと綺麗に出来たと思うし。近藤(有己)さんから言われたのは、「もっとグラウンドでしっかり殴ることが出来れば、もっと早く仕留めることが出来たと思うよ」ってことだったので、その通りだとすごい思うし。1ラウンド目に取れなかったことに関して、関係者の方から厳しいお言葉ももらいまして(苦笑)、まぁ、おっしゃる通りなんですけど。結局、あの試合と同じことを、次であったり、これから先対戦していくよりレベルの高い相手にやっていっては間違いなく通用しないので、そう考えると手放しで喜べる試合内容では全然なかったですね。

試合後のインタビューでも「これからもっと強い相手とやっていく上で足りないものを補っていく」という発言がありましたけど、北岡選手ご自身が認識しているその足りないものに関して、少しだけお話ししていただくことは出来ますか?
北岡悟:いや、もう、それに関してはいっぱいあり過ぎて・・・もう、弱点だらけだと思うので、逆に言えますね(苦笑)。例えば打撃に関しては、僕は一発で相手をKO出来るものを持ってないので、それを見つけなきゃいけないですよね。強いパンチなり蹴りなりを見つけなきゃいけない。で、レスリングに関しては、誰であろうとテイクダウンが取れるという武器があるわけでもないので。逆もそうで、誰のタックルだろうときれるという絶対的なディフェンス力があるわけでもないし。寝技に関してだって、僕より寝技が上手い人は世の中にざらにいるし。そう考えると穴だらけってことになりますよね(苦笑)。でも、それぞれが満遍なく上がってきてるとは思うんですよね。それでその3つの中では寝技が得意ってことになると思うんですけど、その寝技に関してもちゃんと力は上がってきてると思います。前よりかは一本を取るという力は上がってきてると思います。


では、今回の試合、7/25後楽園ホール大会【DAY TIME】でのvsカート・ペリグリーノ戦に関してお話をうかがっていきますが、初の外国人選手との対戦、しかも世界を相手に闘ってきた外国人選手との対戦です。レスリングをベースに、ヘンゾ・グレイシー選手やヒカルド・アルメイダ選手の下で柔術を学び、総合では現在6戦負けナシの戦績を残しています。更に2002年の『グラップラーズ・クエスト』の決勝では、『ZST GP』の優勝者であり、柔術の大会でホイラー・グレイシー選手にも勝利しているマーカス・アウレリロ選手を破っている強豪中の強豪です。そういう選手との対戦が決まった時の心境っていかがでした?
北岡悟:いや、まぁ、初めての外国人選手との対戦ってことで考えると、ホント強い相手ですよね。でも、嬉しいって気持ちの方が先にきましたけどね。光栄というか。石川との試合前にも言ったんですけど、「外国人選手と対戦出来るところまでやっと来たか、俺!」みたいな(笑)。そういう嬉しさは素直にありますけどね。それが先ですね。「ありがとうございます。是非やらせていただきます」って感じですね。

対戦相手の試合映像って見たことあります?
北岡悟:ないんですよ。今回、どっちの構えかっていうのもわからないんですよね。

では、雑誌であるとか、プロフィールをご覧になっての印象になってしまうと思いますが、どういう印象をお持ちですか?
北岡悟:ん〜、イメージが沸かないので難しいんですけど・・・。とりあえず、今、携帯の待ち受けはカート・ペリグリーノ選手ですね(笑)。

どこから取ったんですか?(笑)。
北岡悟:格闘技雑誌からです(笑)。まぁ、アルメイダ選手のような選手なのかなってイメージはありますけどね。愛弟子ってことなので。で、レスリングを16年やってたとのことなので、レスリングベースなんですよね。それで柔術が紫帯で。だからきっとテイクダウンが強いだろうと。テイクダウンして、上からの攻めが強いであろうと。プロフィールから見ると、柔術に関しても確かな実力がある。それとマーカス・アウレリロ選手に勝っている。多分、裸でのグラップリング大会でだと思いますけど、マーカス・アウレリロ選手っていうのは黒帯で、黒帯も黒帯、トップ中のトップなので、しかも『ZST』のチャンピオンになっている選手ですから、その選手に勝ってるってことは、つまり相当強いと(笑)。聞くところによると足関節でアウレリオ選手を攻めたということなので、柔術系の選手は足関節が穴っていうところがあるんですけど、それもないと。更に打撃が上手いって話も聞いたので、どこに穴があるのかな〜って(笑)思うんですけど。

あの〜(笑)、北岡選手の話を聞いていると、そういう選手にどうやって勝つんだと思ってしまうんですが(苦笑)、でもそういう選手に勝つことによって、北岡選手の評価が一気に変わると思うんですね。その辺のことは考えました?
北岡悟:多分、きっと格闘技マニアからの評価は上がるでしょうね(笑)。でもそれよりも自分が嬉しいですよ(笑)。

勝つことによって得られるものって考えました?
北岡悟:いや、単純に対戦して肌を合わせることの楽しみっていうか、越えた時の嬉しさっていうか。他の人の評価っていうのは、そこまで気にならないかなって。それよりも、この選手に勝つことによって、次により強い選手や有名な選手と闘えるチャンスがくるであろうことの方が大事ですね。でも、それ以前にこの選手と対戦出来ることにワクワクしてますね。

では、全く穴がないんじゃないかと思ってしまう、本当に強豪中の強豪選手との対戦になりますけど、今回、北岡選手はこの試合で何を最も重要視して闘うのでしょうか?
北岡悟:ん〜、相手とのせめぎ合いで負けたくないってことですね。石川英司と対戦した時に思ったのは、やっぱりせめぎ合いの部分で全然負けてたので。単純に一つの局面だけでの負けじゃなくて、やっぱり制せられてたっていうのを感じたので、それが悔しいし、やられたなって感じがすごいしたので。もっと自信を持ってあの試合には臨んだんですけど、やりたいことがほとんど出来なかったので、そういう目に会うくらいなら、もっとそうならないようにしなきゃいけないわけで。そのために準備してることがあるので、それをやりたいとは思ってますね。せめぎ合いで負けたくない、ごまかすんじゃなくて、しっかりと相手を制したい。やっつけるということが大事なことだと思いますね。

わかりました。では、今回の試合は通常のワンマッチとは違って、『パンクラスvsチーム・グレイシー』という対抗戦の中の1つの試合ということになっていますが、対抗戦ということを意識したりしますか?
北岡悟:ん〜、僕が負けて他の二人が勝ったらかっこ悪いなと思いますので、そこは意識しますね(笑)。まぁ、チームみんなで勝ったら気持ち良いだろうなと思います。

少し話は変わりますが、今年に入って北岡選手は、ご自分の意思で無差別級やミドル級での闘いに挑んで、そこでいろいろな経験を積んできたことと思いますが、そこで学んできたことが今回の試合に活きてきそうな感じはしていますか?
北岡悟:活きたら良いなって感じですね(笑)。強くはなってきてると思いますけど、でも、それでも世の中にはまだまだ強いヤツはいっぱいいるので、そういうヤツと闘っていく時に、まぁ、勝負なので勝ちたいですよね。活きてくるかどうかはやってみないとわからないですけど、活かさなきゃダメだとは思います。


では、今回の試合以降のことについて。何か明確な目標といったものはありますか?
北岡悟:ん〜、NKホール(11月)に出たい。絶対出たいですね(笑)。NKホールで試合をすることが、僕が格闘技をはじめた時の何本かの指に入る一つの夢だったので・・・出たいですよね。理想を言えば、そこで國奥(麒樹真)さんと対戦したいですけどね。あの〜、格闘技で幸せになりたいっていうのが自分の中にありまして。なので、ベルトを巻くっていうのはデカいなって常々思ってますね。まぁ、今回勝ったからと言ってランキングがどうなるかはわからないですけど、今ランキングで僕は4位で、僕より上の1、2、3位の選手はみんな一度國奥さんと対戦してますから。國奥さんと対戦するためにパンクラスに来たというところもあるので、だからこの後は國奥さんと対戦出来るような流れを作りたいとは思ってますね。で、理想はそれがNKホールで出来れば良いと。

わかりました。では、またちょっと話題を変えて、『ネオブラッド・トーナメント』に関して。今回、『ネオブラッド・トーナメント』が10年目ということなんですが、2002年の準優勝者である北岡選手から、今回の準決勝、決勝に臨む選手の皆さんに何かエールを贈っていただけますか?
北岡悟:まぁ、あんまり偉そうなことは言えないですよね。強い選手もいっぱいいるので。ただ、P'sLABの選手と、稲垣組の選手には頑張って欲しいなと思いますね。大場(裕司)さんやNUKINPO!は一緒に練習したりする仲間だし、だから単純に頑張って欲しいなと思います。あと、大場さんと対戦する山田(宗太郎)という選手は面識があるので、良い試合をして欲しいなと思いますし。あと、稲垣組の藤本(直治)はメル友なので(笑)頑張って欲しいなと。

それではこれで最後です。恒例のメッセージなんですが、北岡選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、北岡選手を応援していらっしゃるファンの皆さんへメッセージをお願いします。
北岡悟:まぁ、今回勝ったら、実は俺、結構強いんだな〜って感じじゃないですか(笑)。ん〜、わかんないですけど、でも嬉しいことですよね。パンクラスのリングでこういう強い外国人選手と試合をするってことが夢だったので、ホント嬉しいです。だからホント頑張りたいなと思いますね。何度も六本木に行かせないように(笑)。僕が一発目で止めてやりますよ(笑)。

北岡悟選手database