11月7日(日)の東京ベイNKホール大会で、エバンゲリスタ・サイボーグ選手(シュート・ボクセ・アカデミー)選手とメインイベントでの対戦が決定している近藤選手ですが、今回のVSサイボーグ戦のお話をうかがう前に、先ずは8月15日、埼玉スーパーアリーナで行われた『PRIDE GP決勝』大会でのVSヴァンダレイ・シウバ戦についていくつかご質問したいと思います。大会は4万7千人という大観衆の中で行われ、近藤選手への声援、歓声も非常に大きかったのですが、そういう中で、試合前、リングに上がってコール受けた時の心境っていかがでした?
近藤有己:その時は正直、試合に集中しててあまり聞こえてなかったですけど、あとで映像を見てその歓声を聞いて、すごい嬉しかったですね。

第1試合の前に入場式があって、その時に会場の大観衆をご覧になっていると思いますが、その時はどんな心境でした?
近藤有己:やっぱり試合に集中してたので、お客さんの数とかも気にならなかったですね。

近藤選手が先にリングに入場して、その後、シウバ選手が入場して来ましたが、シウバ選手が花道を歩いて入場して来る時は何を考えてました?
近藤有己:いよいよだなって言うか。何か・・・ワクワクした感じですね。

では、シウバ選手がリングに上がり、両選手の名前がコールされて、その後、もう本当に試合寸前にシウバ選手と睨み合った時の心境はいかがでした?
近藤有己:やっぱり一緒ですね。いよいよだなって言うか、待ちに待った時が来たなって感じですね。

睨み合いの中で、シウバ選手がグ〜ッと顔を近づけて来ましたけど、その時はいかがでした?
近藤有己:微妙にそらしてたので(笑)、特にどうこうっていうのはないですけど。まぁ、でも何かいつもより、そんな凶暴そうな顔じゃなかったなって。それがすごい印象的ですね。全てにおいて。もっと激しいイメージがあったんですけどね。今回、自分が対峙して感じたのは、意外に紳士な顔だったなってことですね。

試合開始を告げるゴングがなって、試合自体は3分弱の試合だったんですが、その間は何を考えていたのでしょうか?
近藤有己:何ですかね・・・あまり何も考えてなかったかも知れないですね。

では、本当に感覚で手を出し足を出しって感じで?
近藤有己:そうですね。はい。

では、本当に大観衆の中での大一番となったあのvsシウバ戦を終えて、今、2ヶ月半近くが経ちましけど、vsシウバ戦という一戦は、近藤選手にとってどのような意味を持つ一戦になったのしょうか?
近藤有己:そうですね。新たなモチベーションをもらって、刺激としては良い刺激をもらって、生まれ変わるきっかけになるんじゃないかって試合だったと思いますね。

これまでのキャリアの中でも大きな意味を持つ試合になりますか?
近藤有己:そうですね。やっぱり。負け方に関しても、今までにない負け方でしたし。やっぱり大きいですね。



わかりました。では、近藤選手にとって大きな意味を持ったそのvsシウバ戦から、現在までのこの2ヵ月半近くについて今度はご質問したいと思いますが、vsシウバ戦でのダメージがある程度癒えて、実際に練習をはじめたのはいつ頃からですか?
近藤有己:まぁ、ちょっとずつはやってたんですけど、本格的なスパーリングをはじめたのは、大体1ヵ月ぐらい経ってからですね。

9月の中旬ぐらいからということですね。
近藤有己:はい。それで打撃のスパーリングが10月に入ってからですね。

現時点での体調はいかがでしょうか?
近藤有己:良いですね。

練習を再開する時に不安ってありませんでした?
近藤有己:いや、それはないですね。

では、vsシウバ戦を経験したことによって、練習の中での意識とか、実際の練習メニューとかで、以前と変わってきた部分って何かありますか?
近藤有己:ん〜、まぁ、ちょっとずつは変えてますけど、大きく変わった点はないですね。

以前お話を聞いた時は、もっと丁寧にと言うか、細かなところまで気を配って練習しているというような感じのことをおっしゃってましたけど・・・。
近藤有己:そういうのもありますし、練習に対する集中力とかも、以前よりも必然と・・・まぁ、その前が手を抜いていたわけじゃないですけど、やっぱり負けた悔しさというモチベーションが、集中力を増してるところはありますよね。

わかりました。では、より集中力を増した日々の練習をこなしてきた中で迎える11/7(日)東京ベイNKホール大会でのvsエバンゲリスタ・サイボーグ戦ですが、先ずは対戦相手がサイボーグ選手に決まり、その報告を受けた時の心境っていかがでした?
近藤有己:ん〜、そうですね・・・やっぱり今回は簡単な相手でお茶を濁したくはなかったので、すごい良かったなって言うか。そう思いましたね。

サイボーグ選手は、昨年5月の横浜大会で、渋谷修身選手(パンクラスism)を離れ際の一発のパンチで倒してしまった選手ですが、そのサイボーグ選手に対する印象っていかがでしょうか?
近藤有己:やっぱり今の言葉通り、一発を持っている選手ですよね。とにかくフック系の一発が印象的ですね。他の試合とかいろいろ見ても。

vsシウバ戦で受けた大きなダメージもありましたので、その後にサイボーグ選手のようなハードパンチャーと対戦することに対しての不安はありませんでしたが?
近藤有己:まぁ、そういう不安はいつだってあるので・・・気を付けてます(苦笑)。

サイボーグ選手は、現在、シウバ選手と同じくシュート・ボクセ・アカデミーに所属していますが、その辺は意識しますか?
近藤有己:ん〜、やっぱり以前より打撃が強くなってるんじゃないかなって思ってますね。

サイボーグ選手も、その凶暴性というのが大きくクローズアップされている選手ですけど、同じような感じのシウバ選手との対戦を経験しているという部分で、「大丈夫だろう」という気持ちはあるものですか?
近藤有己:いや、やっぱり不安要素ですよね。その凶暴性に対応出来るかどうかってことが。

顔の怖さっていうのは気にならないですか?
近藤有己:まぁ、若干は気になると思いますけど(苦笑)。でもまぁ、そういうのも全部含めて、簡単な相手ではないなと。

では、今回のvsサイボーグ戦で、近藤選手の中で最も大切にしたいと思っていることはどんなことでしょう?
近藤有己:ん〜、やっぱり勝つということじゃないですかね。一本勝ちで。

KOだろうが関節技だろうが、そこには拘らない?
近藤有己:そうですね。

パンクラス旗揚げの地、東京ベイNKホールで、パンクラス最後のNKホール大会のメインを務めるということに関して、何か思うことはありますか?
近藤有己:そうですね・・・まぁ、自分自身いろんな思い出とかありますけど、それよりもファンの方たちがいろんな思い出がある会場だと思いますので、最後に自分が良い思い出となるモノを提供して終わりたいですね。



わかりました。では、今回のvsサイボーグ戦から話題を変えて、今後のことについてですが、年末、大晦日に行われるビッグイベントへの出場を希望していらっしゃいます。それはどういうお気持ちからですか?
近藤有己:ん〜、年末はやっぱり楽しみにしてますね。いつも。格闘技好きの自分としても、年末の格闘技イベントは楽しみにしてますし、選手としての自分も、出来たら出場したいと言うか、そこに参加したいという気持ちがあるので、そういうところからですよね。

昨年、『PRIDE 男祭り』に実際出場しましたけど、大晦日に試合をしてみて、試合当日に至るまでの調整期間を含めて考えていただいた上で、大晦日に試合をするということはいかがでした?
近藤有己:ん〜、何か気分良かったですね(笑)。

・・・(笑)。あの〜、大晦日の前にはクリスマスがあったり、冬休みに入ったりと、世の中が結構緩んだ状況にある中で、昨年は大晦日の試合に向けて節制して、黙々と練習を続けてらっしゃったと思いますが、そういう点ではいかがでした?
近藤有己:何か気分良いですよ。周りと違うことをしてるっていうのは、昔から自分的には気分の良いことなんですよね。みんなが塾に行ってる時間に、自分だけ公園で遊んでたりすると、何かすごい気分良かったですよね(笑)。まぁ、それの逆バージョンですけど(笑)、何か気分良いですよね。はい。自分のアイデンティティーを感じますね(笑)。

では、今年に入ってからの目標の一つだったvsヴァンダレイ・シウバ戦を終えた現在、近藤選手は今後何を目指して闘い続けていこうと考えているのでしょうか? 先ずは近いところで。
近藤有己:やっぱり『PRIDE』さんのミドル級グランプリじゃないですかね。出場したいですね。

近藤選手が出場することになって、シウバ選手も同じく出場することになったらという仮定のお話ですが、その場合、一回戦でシウバ選手との対戦が良いのか、それとも勝ち抜いていく中でのvsシウバ戦が良いのか?
近藤有己:それはどちらでも。自分の中では優勝したいって気持ちがあるので。だから最初でも最後でも関係ないですね。自分の中でグランプリの一回戦突破が目標であれば一回戦で対戦したいと思いますけど、優勝することを自分の中では目標に置いてるので。

では、グランプリの中でのvsシウバ戦というよりも、グランプリ自体を制覇するということが大事だと。
近藤有己:そうですね。

わかりました。では、今度はず〜っと先に目指すもの。
近藤有己:ん〜、今は本当に勝ち負けに拘っていきたいんですけど、その先は、勝ち負けを超越したところにいる選手になりたいですね。勝ち負けを超えたところで、プロとしてやっていけるような選手になりたいです。

今後、こういう選手になりたいとか、こういう選手、闘いを目指していきたいというところで、映画でもアニメでも漫画でも、そこに登場するキャラクターの中で、何か近いものってあります?
近藤有己:ん〜、ジャッキー・チェンが近いかも知れないですね。

どの作品のジャッキー・チェン?
近藤有己:全て。全ての作品のジャッキー・チェンですね。ジャッキー・チェンの闘い方って、基本的に一撃必殺じゃないじゃないですか。いろんなものを駆使するし。あとは・・・『ドラゴン・ボール』とかも近いかも知れないですね。悟空はホントに闘いを愛してるじゃないですか。金とか名誉とかじゃないじゃないですか。そういうのじゃなくて、ただ単純に闘いたいって、それだけで闘ってますからね。そういう選手になりたいですね。

わかりました。では、これで最後です。今回の近藤選手の試合を楽しみにしていらっしゃる皆さん、そして近藤選手を応援していらっしゃるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
近藤有己:とにかく先ずはNKホールで頑張りたいと思いますので、是非観に来て下さい。



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