●ところで僕、勝手に心配してることがあるんですけど、今までつっ走るような濃い生き方をしてきて…一般社会でもあるじゃないですか。仕事ひと筋でやってきた人が定年を迎えて、突然何していいか分からなくなる空白期間というか。そういうのはないですか。
船木:ないですよ。逆に改めて、俺のつっ走り病というか、それがあるんだなと思いますよ。もう何でもかんでもやってしまいますもん、今は。手持ち無沙汰がイヤなんですよ。それをやっては疲れて帰ってきてっていう繰り返しですよね。これ、現役でやってる選手に言いたいんですけど、現役の時間って、ものすごく貴重ですね。すごく守られていますから。リング、対戦相手、あとファンの方にですね。だから(せっかく守られてるんだから)すごく大事に時間を使って、自分でできることを全てやっておいたほうがいいと思うんです。それをやっておかないと、リングを下りざるを得なくなったときに、「じゃあ何やろう」っていうように、ポーンと抜けちゃうと思うんですよね。俺なんかまだ仕事の話が来ますから、まだいいな、救われるなと思いましたね。

●船木さんは「これをやりたい」っていう具体的なものはありますか。
船木:いえ。いろんなものをやってみて、ハマるものがあればいいなと。それが出てくるといいですね。

●では、エグゼクティブ・プロデューサーというこの新しい肩書では、何をしていきたいと思いますか。
船木:ホントにアドバイス程度しかできないですね、正直言って。

●でも広報的な役割として、パンクラスという名前を一般に浸透させるには、いろんなメディアにも出なきゃならないっていうのもひとつの仕事ですよね。
船木:そうですね。

●今度、新しくDEEP2001もできましたし(編注:一月八日・愛知県体育館で行われる大会にはパンクラスからも参戦)、いろいろ新しい場ができてきてますね。これはパンクラスにとっては?
船木:歓迎ですね。ありがたいと思います。これからは選手が場を選ぶ時代だと思いますね。

●競合相手として考えると?
船木:ウチがいちばん弱いですよ(笑い)。

●危機感ありますね。
船木:本当に。他の選手にももっと感じてほしいですね。ただ他所と比べても、日本人だけで考えると、こんだけメンバー揃ってるところはないですよ。

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